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クイーン・ビー・エクスプレス 第8回【5】
「さてと、じゃあ質問いきましょうか」
「次が最後かな?」
「一応ね。まあ、なんで一応なのかは後で話すとして、質問いきますか。んじゃ、航生読んで」
「は~い、れるたさんからの質問です。『素敵だな、かっこいいな、可愛いな、幸せだな...と思える瞬間はどんな時ですか?』だそうです」
「これって、えらい無謀な質問やと思えへん? そんなん言い出したら、ようさんありすぎてお腹いっぱいになるやん」
「確かに。要は好きなとこ挙げてって事だろ? ありすぎない?」
「れるたさんより、一言追記があります。『のろけ上等』みたいです」
「な~るほど、のろけ合いを見たいぞってわけね。じゃあ、俺からいこうか。勇輝を素敵だな、かっこいいなって思うのは同じ時かも、俺が一目惚れしたくらいだから。あのさ、撮影に入るって時にスーッと表情が変わる瞬間が全身に鳥肌立つくらいかっこよくて、撮影が終わった途端女優さんとかスタッフさんに気を遣ってバタバタ走り回る姿がほんとに素敵だなぁって思う。あんなに周りに気遣いできる人間見たことないもん。可愛いなと思うのは...ああ、これは難しいなあ」
「難しいと思うくらい、ようさんあんの?」
「あるある、山ほど。つか、存在自体が可愛くて仕方ないだろ?」
「いや、綺麗とかかっこいいならわかるんですけど...勇輝さんの可愛い要素がそんなに思い浮かばない......」
「可愛いんだって~。俺が作ったマカロンを、目ぇキラキラさせながら頬張る顔だったりさ、昼間仕事がハードで眠いのにコックリコックリしながら俺が風呂から出てくるの待ってたりさ、そんなん見たらほんと可愛いなぁと思うし幸せだなぁと思う」
「じゃあ、一番はそれですか?」
「......いや、一番てなったら...それはまたちょっと違うかなぁ。一番可愛いのはエッチして気持ち良くなって、気持ちよくなりすぎて目尻に涙溜めながら俺にしがみついてくる時? あんな勇輝、堪んないぞ」
「ああ、気持ち良さそうな顔が見たいから、もう一回もう一回て何回もしてまうって言うてたもんね」
「大阪のイベントでも言ったけどさ、時々『イキたいけど、まだイキたくない』『一人だけじゃやだぁ』なんて言ってくれるわけよ。もうね...マジでヤリ殺してやろうかと思う。殺人的な可愛さだぞ」
「あ...あんまり言うな...さすがに恥ずかしいから」
「うおーっ、照れてる勇輝くん、確かにメッチャ可愛い!」
「うるさい、うるさい」
「じゃあ、勇輝さんはどうですか? さすがに充彦さんに可愛いはないですよね?」
「こんな無駄にでかくても、可愛いとこはあるぞ」
「無駄って言うな、無駄って」
「充彦ってスイーツだけじゃなく、イタリアンとかフレンチなんかも結構作れるじゃない? ところが、魚使った料理ってほとんどしないんだよ。捌き方知らなかったんだって。んで、最近時々教えてるんだけど、これがもう、ビックリするくらい下手くそなの。でも、ほんとに一生懸命なのね、食材を無駄にしたくないからって。なんでもわりと器用にこなす充彦がさ、上手くできない事もあるってのと、その苦手な事にも一生懸命取り組もうとしてる姿が可愛くてキュンキュンするよ」
「ああ、意外やわ。俺もみっちゃんてなんでも器用にチャチャッとできてまう人やと思ってた。確かに大きな体丸めて必死に鯵とか捌いてる姿って、メッチャ可愛いかも」
「素敵だなと思うのは、俺が考えてる事なんかをサッと先に読んでさりげなく行動起こしてくれるとこかな...航生なんかはわかると思うけど」
「あ、ああ...そうですね。頭の回転が早くて大人で、素敵だなと思いました、あの時は。大事な事なんでもう一度言いますけど、あ・の・と・き・は!素敵でしたよ」
「なんでそこ強調すんだよ!」
「いや、付き合いが深くなると、みっちゃんて結構子供っぽいしガキ大将みたいなとこあるってわかってきましたもん」
「バーカ、お前が弄られ過ぎなだけだっつうの」
「こういうとこは、まあ可愛いとこの一つだよね。大人過ぎない感じが。ていうか、かっこいいなとも思うけど」
「このガキ大将がですか!?」
「航生に心を許してなかったら、充彦はたぶんただの大人の男だと思うよ。俺が無理矢理引っ張ってきた航生に対して心開いて、自分のそばに置いておきたいって思ってくれて、子供みたいにじゃれ合いながらも俺ら全員の人生背負う覚悟持ってる。そりゃあもう、かっこいいでしょ。んで、航生と悪態つき合ってるの見てると、ほんとの兄弟の喧嘩見てるような気持ちになって、『ああ、幸せだなぁ』って思うよ」
「ま、まあ...そんな風に言われると...認めざるを得ない...ですけど...かっこいいって」
「航生はどうなの? 慎吾のどんなとこが素敵だって思う?」
「素敵なとこと可愛いとこが結構重なってるんですけど...慎吾さんて、自分の欲求にはわりと素直な人じゃないですか? あれって素敵だなと思うんです」
「ただエロいだけなんじゃないの?」
「いや、エッチな話だけでもないんですけど...早く帰ってきて欲しいとか、一緒にお風呂に入りたいだとか...結構ちゃんと話してくれるんですね。俺はそういうの口に出せるタイプじゃないし、慎吾さんが言ってくれないと全部我慢しちゃうと思うんです。だから思ってる事を素直に話してくれる慎吾さんて素敵だって思うし、その欲求をちょっと照れた顔で拗ねた口調で言ってるの見ると可愛いなぁってドキドキしちゃいます」
「お前らんとこ、ある意味正反対だもんなぁ」
「航生ってなんもかんも溜め込みそうだし、慎吾はなんでもズケズケ言っちゃうタイプだもんなぁ」
「かっこいいもある?」
「それはね、仕事してる時の慎吾さんはそりゃあ半端じゃなくかっこいいですよ。ゲイビだとかAVだとか関係なく、本当にセクシーだしキュートだし。これはみっちゃんと同じですね」
「幸せは...ま、聞かなくてもわかるか」
「......すいません。一緒にいられる時間の全部が幸せです」
「ほんとに惚れてるんだねぇ。じゃ、慎吾は?」
「かっこいいはね、もう見たまんま。存在のすべてがかっこいいもん。男前やし、体は綺麗やし、ほんまに俺の恋人なんかなぁって不安になる事があるくらい、全部がかっこいい」
「はいはい、聞いた俺らがバカでした。素敵も全部とか言うなよ」
「えーっ!? 全部なんやけどなぁ...強いて言うなら、俺がわがまま言うたびに嬉しそうに『はい』って答えてくれるとこ。ちょっとでも嫌やなあと思うてたら、俺気ぃつくと思うねん。せえけど航生くんの『はい』とか『わかりました』に嫌やって気持ちを感じた事がない。俺のわがままをほんまに嬉しいと思ってくれる人がおる事に感謝してるし、そんな航生くんが素敵やなあと思う」
「いや、全然わがままだなんて思ってないだけですよ」
「こういうとこ! なんか俺に振り回されてるみたいになってもうてるからさ、他の人やったらめんどくさなったり重たなったりすると思うねん。せえけど、航生くんは俺の全部をニコニコしながら受け止めてくれる」
「可愛いは?」
「それはね、さっきの質問にもちょっと被るんやけどさ、航生くんがエッチせんと寝ようとしてるとするやん? 俺は我慢できへんから自分から航生くんに覆い被さるやん? その時のちょっと焦ったみたいなアワアワしてる顔がメッチャ可愛いいて、チンコがムクムクする」
「お前だけは常にどこかにエロが入るな。んじゃ、幸せは?」
「......朝、目ぇ開けた瞬間。一人ちゃうねん。自分の一番大事な人が一緒に寝てるの見た瞬間が一番幸せ。ほんまに毎日毎日、朝がくるたびに泣きそうなくらい幸せ」
「それは全員だよ。朝起きるのは好きじゃないけど、朝だからって目を開けるのは好きだわ。大切な人と朝を迎えられる事の幸せは、何にも代えられないな」
「ということでれるたさん、本当にのろけまくっただけで終わっちゃいました」
「とにかく、一緒にいる時間が幸せなのだけは間違いないですよ」
「ではでは、次のコーナーでは勇輝と慎吾くんの髪型が同じになった次のお仕事についてお話しましょう」
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