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クイーン・ビー・エクスプレス 第8回【6】
「さてですね、今回お答えしてなかったんですけど、実はもう一つ質問が来てました」
「あいさんからだったんですが...『お互いのカップルでAVの監督として作品を撮るとしたら、どういう物を撮りたいですか?』という質問をいただいてまして......」
「いやね、俺らは普通に答えようかなぁと思ってたんだよ、マジで。ところがですなぁ......」
「ちょっとねぇ、ビー・ハイヴの偉い人と天の声のおばちゃんが非常にそれを面白がりまして、実は俺が脚本・充彦が監督兼カメラマンで、航生と慎吾のショートAVを撮影する事になりました」
「近日中に有料での配信になります。さすがにガツガツ本番させるって事は無いと思うんだけど、それでもまあ...年齢制限あるわけだし...お金をいただく以上はそれなりに皆さんにもサービスしないと...ねぇ?」
「は~い、サービスカットもそれなりに入れられるように頑張って台本作りま~す」
「だそうですので、ビデオの完成をお待ちくださいね。出来上がりしだいホームページトップにお知らせして、俺達のちょっとした日常なんかを見ていただいてる『FOUR SEASONS』の中にアップしますので、またその時は是非見てやってください」
「んで、俺とか充彦が二人にさせたいビデオは今度作るからいいとして、一応航生達にもどんなんだったら俺らを撮ってみたいか聞いてみようか?」
「そんなもん、二人の日常をドキュメンタリーで追っかけてるだけで十分AVですけどね!」
「とびっきり濃厚な、ハードラブラブAVな」
「俺らどんなんだよ! つうか、ドキュメンタリー撮っても意味無いだろうが」
「だって、俺の頭だとひたすらイチャイチャラブラブで暑苦しい姿しか思い浮かばないんですも~ん」
「航生、敬語で毒吐くよな、ここんとこ。お前、今度のビデオで覚えてろよ」
「ヒッ......」
「んもう、航生くんはアホやなぁ。そないビビらんでも、この二人がそんな事で航生くんにとって酷い内容のビデオ作るわけないやろ? 何より、ファンの人に観てもらうモンやのに。それに、そんな怖がるんやったら余計な事言わんかったらエエんちゃうのん?」
「あー...それは、えっと...こうやってからかってもらえる時間も...ワイワイしてて楽しいなぁ...なんて......」
「......んだよぉ...やっぱ航生可愛いーーーっ!」
「ほらっ! こうやってデカイのがくっついてくるから暑苦しいんですってば!」
「さて、あそこの悪ガキ兄弟はほっとこうか。慎吾は? お前だったら結構アイデアマンだしさ、ちょっと俺ら使って撮ってみたいモンとかあるんじゃないの?」
「んふふ、あるよ~。普段がね、ほんまにお互いを大事にして呆れるくらいにラブラブやからぁ......」
「それをお前が言うな」
「ま、うちもラブラブやけどさ。まあ、そんなラブラブでありながら演技派の二人やからこそ...ちょっと悲しいセックスを撮ってみたい」
「悲しいセックス? なんか具体的にあんの?」
「......あんねんなぁ、これが。俺らも撮影できると思うてたから、とりあえずザッとプロットとか仕上げててん。せえけど勇輝くんとみっちゃんは絡みせえへんて言われて映像化却下された」
「何よ、どんな話?」
「みっちゃんと勇輝くんは会社の同僚で先輩後輩の間柄やねん。んで、勇輝くんの入社当時からの恋人でもある。ところがみっちゃんは、カモフラージュやら会社での立場の為に、結婚してしもうた。『ほんまに好きなんはお前だけ』なんて言いながら、それでも勇輝くんとはただセックスするだけ。泊まりもせえへんし、デートなんかあるわけもない。優しいふりしてるけど、セックス終わったら振り返りもせえへん恋人に、とうとう勇輝くんは別れる事を決意すんねん。で、わがままなんか言うた事の無い勇輝くんが、初めて『旅行に行きたい』って言い出した事でみっちゃんも薄々勇輝くんの気持ちに気づいて、丁度ぼちぼち手ぇ切らなって思ってたからそれに了承すんのね。で、旅行先で久々に燃えるような夜を過ごして......」
「燃えるようなって」
「ええからちょっと黙って! とにかく、二人でなんも考えんくらい求め合って貪り合って...そこでみっちゃんは、やっぱりほんまに好きなんは勇輝くんやって気付くんやけど、朝になったら勇輝くんは消えてんねん。みっちゃんの薬指の指輪の痕の上に小さい噛み痕だけ残して。ほんまに勇輝くんが自分の元を去っていった事を理解したみっちゃんが一人泣き崩れて終わり」
「何がプロットだよ! ガッツリ固めてんじゃん!」
「だってぇ、ほんまに俺、撮る気マンマンやってんも~ん。見たかったぁ...すっごい冷たく背中向けるみっちゃんを悲しそうに見つめる勇輝くんと、勇輝くんを思って泣き崩れるみっちゃん」
「それな、航生がもうちょい大人になったらお前らでやれよ」
「いややん、芝居でも航生くんと別れるんとか」
「俺らならいいのかよ! 今度の撮影で別れさせるぞ!」
「そんなんなったらドタキャンしたるからな!」
「あ~あ、いつの間にか今度はニャンコが言い争いしてるわ」
「とりあえず近々撮影しますので、皆さん楽しみに待っててくださいね」
「さて、じゃあニャンコちゃん達が同じ髪型にした理由も含めて次のお仕事情報いきましょうか。ほら、勇輝!」
「......慎吾が可愛くない」
「はいはい、機嫌直さないと帰ってからチューしないぞ」
「慎吾さんも、ほら」
「航生くんがチューしてくれたら機嫌すぐ戻るで」
「あ、帰ったら......」
「今!」
「......はい」
「勇輝もチューしてやろうか?」
「帰ってからで結構で~す。じゃあ次のお仕事の話ね。えっとですね、今度女性週刊誌の旅企画とのコラボでイメージDVDを出す事になりました」
「最初で最後の4人のDVDな」
「で、その中に俺と慎吾のヌードなんかも入るって事でですね、いっその事見た目を似せて少し倒錯的な絡みなんて物を交ぜちゃおうかと」
「絡みって言うても、本番は無いで!」
「そんなもんあるかっ!」
「まあ、温泉に浸かってちょいイチャイチャくらいだよな。あとは4人全員のヌードと、航生と俺、勇輝と慎吾くんでの二人きりの本音対談とかが入る予定です」
「雑誌の方は11月、DVDは12月中旬に発売になりますので、また是非よろしくお願いします」
「じゃあ、次はたぶん4人揃ってのエクスプレスは最後になるかな...そう考えるとちょっと感慨深いかも」
「最後は質問・相談への回答大会になると思いますので、また楽しみにしといてくださいね」
「ではでは、また次回お会いしましょう」
「「「「バイバーイ」」」」
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