358 / 420
クールダウン&ヒートアップ【5】
『一滴たりとも俺が出した物を溢すな』と言った以上、勇輝は絶対に白いアレを吐き出すなんて事はしないだろう。
ならば汚れる事を想定してわざわざ下着まで脱いでしまう必要は無い。
俺は下着のゴムを目一杯下までずらし、ぺニスとその下に垂れ下がる部分までを完全に外気に触れさせる。
「じゃあ、まずはちゃんとご挨拶しようか」
後頭部に乗せた手に力を入れるまでもなく、勇輝の顔は現れたそこへと吸い寄せられる。
まずは親指を添えるようにしてタマを少しだけ持ち上げると、しっかりと舌を伸ばした。
まるで供物でも授かっている巫女のように恭しく足元に膝を着き、丁寧にそれを舐め転がす。
途端にそこがキュッと縮むような感覚と、ぺニス全体が更に硬く熱く膨らんだ気がした。
タマへの愛撫は、直接射精に結び付く快感とはまた少し違う。
ジワジワと迫ってくる生温い波は時にもどかしくもあるけれど、相手に急所であるそこを晒け出せる安心感、隅々まで『口淫させている』という征服感や優越感のような物が、普段よりも気持ちを昂らせるのだ。
レイプや調教物のAVで嫌がる女性の口に無理矢理タマを押し込み舐めさせるなんてシーンが良く入る事を考えれば、俺だけが特別というわけではなく、男なら大抵は根底にそんな征服願望があるんだろう。
そして当然、同じく男である勇輝がそんな快感を知らないはずはない。
だからこそこうして服従の証だとでも言うように丁寧に、そして嬉しそうにそこに舌を這わせるのだ。
その健気さとイヤらしさに、またどうしようもなく勇輝の事が愛しくなる。
俺が止めなければふやけるまでそこを延々と舐め続けていそうな勇輝の髪をそっと梳いた。
その手の意味をすぐに理解したらしい勇輝は少しだけ顔を離すと、蕩けそうな目で俺を見上げてくる。
「そこへのご挨拶はもういいよ。今度はちゃんと勇輝の大好きなチンポにご奉仕しようか?」
口調はあくまでも優しく。
けれど言葉は少し下衆に思えるくらい直接的に、そして纏う空気は有無を言わせない......
勇輝が俺の征服願望を汲み取れるように、俺だって勇輝の被虐心の煽り方はわかってる。
いや、俺だけが本当の勇輝の快感を引き出してやれてる。
しっかりと目を見つめ、ニコリと笑って改めて後頭部に手を添えると、勇輝は更に俺の方へとにじり寄ってきた。
膝立ちになり俺のぺニスに指を添えると、上から覆い被さるみたいにしながら先端に舌を押し当てる。
まだいくらか余裕のある皮をズルリと根元に向かって扱き下ろし、現れた頭をそのままカプと咥えた。
熱い粘膜に包まれ、それだけで一気に射精欲が高まる。
今日は普段のセックスのようにそれを我慢する必要は無いし、勇輝の体力を考えれば早めに終わらせる方が良いはずだ。
しかしさすがにこれだけでイッてしまったのでは『坂口充彦』の名が廃る。
何よりそれでは、当の勇輝が体も心も満足できないだろう。
勇輝も俺も満足できる頃合いを計ってやらなければいけない。
俺はそれを苦とは思わないし、まるで駆け引きでもしてるようで寧ろ面白いとも考えている。
もっとも、このタイミングを間違える事が多いから、勇輝が我慢できなくなって俺に跨がってきたり、足腰立たなくなるまで散々その体を貪って後から俺が怒られる...なんて事態に陥ったりもするんだけど。
俺と同時に満足させる為に、膝立ちだった勇輝の肩を強めに押してケツを床に着かせる。
先端を咥えたままの口を離す事はしないけれど、僅かに力の入った体は俺の真意を理解しかねて困惑してるようだ。
大丈夫と頭を撫でてやりながら、俺は足の先で勇輝の膝を開かせるとその中心のシャツにくるまれた部分を軽く押してやる。
「んっ...ふっ......」
親指に触れる芯。
いきなりの刺激に思わず俺のぺニスを吐き出しそうになった勇輝の頭を軽く押さえた。
「ダメだろ、出したら。喉の奥までグチャグチャにして欲しいって言ってたの誰だ? 苦しくて涙も涎も止まらないくらいガンガン犯してやるから、そのまましっかり飲み込んでろよ」
ゆっくりとその頭を引き寄せながら、耳の裏を指先で擽る。
俺の右足は、裏側全部を使いながら布地の上から勇輝のぺニスを強く擦った。
勇輝の腰は、足の動きに合わせるように小さくユルユルと動き出す。
その快感に任せるように強張っていた体の力が抜けると、勇輝はゆっくりと俺のぺニスを深く飲み込み始めた。
一気にガツンと最奥までそれを突き立てたい気持ちをグッと抑え、俺は勇輝の動きに任せる。
持って生まれたものなのか、それとも仕事をしながら身に付けた術なのか、ぺニスを咥えると勇輝は喉の筋肉を器用に開閉させられる。
勿論限界はあるにしろ、これまで数え切れないくらいに女にこれを舐めさせた俺でも、勇輝ほどのディープスロートは経験がなかった。
けれどさすがにそれは瞬時にできるものではない。
飲み込む物を少しずつ深くし、その大きさに喉が馴染んだ所で更にゆっくりと奥まで進めていくのだ。
そう...それはまるで俺達のセックスそのもののように。
俺を飽きさせまいとしているのか、あまり動かせない口内でも舌を使おうとする勇輝。
俺は足で刺激を続けながら、そんな動きを褒めるように頭をずっと撫でている。
唇にあまり力が入らなくなってきたのか、その端からツーと唾液が垂れてきた。
それでも勇輝の頭は少しずつ少しずつ俺の根元へと近づいてくる。
どうしても舌の付け根を刺激するせいか時折勇輝の背中がグッとしなり、その度に俺を包む粘膜は不規則な締め付けを生んだ。
「あっ...んふっ......」
思わず漏れてしまった声が嬉しかったのか、まるで確認するように勇輝が上目で俺を真っ直ぐに見つめる。
嘔吐いたせいで浮かんだ涙をそっと親指で拭ってやった。
「すごい気持ちいいよ。んでも、まだ足りないわ。ほら、もっと気持ち良くなりたいだろ? 俺をもっと気持ち良くしたいんだろ?」
俺を包む熱が更に動きを大きくしていく。
勇輝のぺニスを踵で軽く踏み、それをグリグリと動かしながら、俺は頭を撫でていた手を一度離した。
それ以上の侵入を拒むように道を塞いでいた粘膜の壁が力を弛める。
俺は勇輝の頭を慈しむようにそっと腕で包み込み...そしてそのまま力に任せてグイと俺の中心に向かって引き寄せた。
ともだちにシェアしよう!