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クールダウン&パンプアップ【3】

固く目を閉じた慎吾さんは、ガラスに頭と肩を押し付けた格好でバランスを取りながら、俺を助けてくれようとしてるのか突き出したお尻を自ら左右に開く。 普段人目に晒される事のない濃いベージュのそこは、恥ずかしいのか興奮が抑えられないのか、すでにヒクヒクと震えていた。 そこを更に右手で大きく開くと、驚くくらいに綺麗なピンクの襞が捲れて見える。 さっきまでとは比べ物にならないほど勢いを強めたシャワーの水流を、そっとそのピンクの中心へと宛がった。 水の流れに逆らう事なく指をゆっくりと二本挿し入れ、中に続く道ごと入り口をぐいとその指で開く。 そのままポカリと開いた入り口から、噴き出すお湯を体内へと流し込んだ。 ゲイビデオに出ていた頃は、挿入よりも実はこの作業の方がずっと嫌だった記憶がある。 そりゃあもう痛いし、気持ちが悪いし、何より、心から嫌っている仕事でありながら結局自分の手で準備をしている...という屈辱感がとにかく大きかったんだと思う。 もっとも、苦手な洗浄はさっさと終わらせたかったのか、それとも待ってる時間すら無駄だと思われてたのか、ちゃんとシャワーを使って綺麗にさせてもらえたのなんて数えるほどで、あとは大抵薬のお世話になってた。 上手な洗い方なんて誰も教えてくれないままだったんだから、あの時はできなくて当たり前だったんだけど。 だから、今こうして慎吾さんの体を洗ってるのも内心は不安でいっぱいだ。 ちゃんと綺麗にできてるのか? どこか傷を付けたりはしてないか? 「下手くそですいません。しんどくないですか?」 お湯を流し入れながら、中に挿し込んだ指をゆっくりと動かす。 中を解し、慣らし、そしてたっぷりと腹の中に溜まったお湯の放出を促す為。 もう入らないという所までお湯を入れ、慎吾さんの膨らんだお腹を優しく摩りながら指を引き抜く。 慎吾さんが少しだけ脚に力が入ると同時に、そこからは勢いよく体内に溜まっていたお湯が溢れ出した。 少し様子を見て、またシャワーのヘッドをお尻の間にしっかりと当てる。 最初のうちこそ唇を噛み締め何かに耐えるような表情で体を強張らせていた慎吾さんも、同じ作業を二度三度と繰り返していくうちには全身の力が抜け始めた。 慣れというのはそういう物なのか、もうすっかり綺麗になったであろう5回目には、腹の中にお湯を入れているだけで僅かにぺニスが頭をもたげ、中の物を吐き出す瞬間には半分開いた唇から『あぁ...ん......』なんて甘えきった声まで漏れていた。 「大丈夫...そうですね」 返答を待つ必要も無いかとからかうように耳の裏側に唇を落としながら、シャワーヘッドのダイヤルを元に戻した。 まるでミストのような水滴が、お尻だけではなく体全部を丁寧に清めていく。 その先が待ちきれないとでも言いたげな慎吾さんは、背中に脇にと触れる俺の手の感触に全身を小さく震わせながら自らの手でユルユルとぺニスを扱いていた。 シャワーの水滴を背中へと当てながら、俺は足元へと手を伸ばす。 そこには誰もが聞いた事のあるだろう高級アメニティブランドのボディソープのボトル。 片手でポンプを押して中身を手のひらに出し、白い液体を慎吾さんの綺麗な背中へ塗り広げていく。 ガラスの個室の中に満ちていく、やたら甘くて甘くて、けれどそれが決して不快ではなくて...頭の芯がジーンと痺れて妙に幸せを感じさせる不思議な香り。 普段はあまり甘い香りは好まないタイプだと思ってたんだけど...... ソープで滑る手をそのまま前へと回し、慎吾さんが自分で擦り扱いていたぺニスをするりと撫でる。 「はぁっ...ん......」 堪える事もなく漏れた慎吾さんの声が、耳から入ると同時に一気に腰へと駆け抜けた。 甘い甘い、まるで子猫の鳴き声のようなそれに、ズクズクと抑えきれない欲が激しく疼き始める。 そうか...このソープの甘ったるい香りは...慎吾さんそのものだ。 ひどく甘いのにその奥には清廉な柑橘と刺激的なスパイスを感じる。 甘えん坊で、見た目も仕草もやけに可愛いのに、それでも凛とした男らしさを見せたり、かと思えばこうして誰よりも淫らに俺を誘惑してみたり。 慎吾さんを思わせる香りに包まれながら、腕の中にその慎吾さんを抱き締めている今が堪らなく幸せで、どうしようもなく興奮する。 シャワーを俺達二人に当たるように調整してフックへと戻すと、改めてボディソープを手に取った。 右手で慎吾さんの奥まった場所へとそれを塗り込めながら、左手で自分のぺニスをヌルヌルにしていく。 もっとも、ソープの力なんて借りなくても、俺のそこは慎吾さんの痴態にすっかりギンギンのヌルヌルだったんだけど。 「なんかもう...慎吾さんのココ、大丈夫そう......」 秘所の縁をなぞりながら、ツプと中指を中へと押し込む。 そこは驚くほど簡単に俺の指を根元まで飲み込み、更なる快感を求めるようにキュウキュウと締め付けた。 「うっ...ん...大丈夫...もう大丈夫...やから...入れて...奥まできて...航生くんのでいっぱいにして......」 必死に首を捩って俺の方に顔を向けてくる慎吾さんの唇に思いきり噛み付き、もう収まりがつかないほどに昂ったぺニスの先端をそのヒクヒクと震える窄まりへと宛がった。 「あんまり可愛く煽らないでください。なんか...まだこれから仕事があるって...忘れちゃいそうです」 「忘れよっか...このまんま二人で、ずーっと繋がっとく?」 触れ合った場所にジワジワと体重をかけていく。 ソープのおかげか、そこは大きな抵抗もなく簡単に俺のモノを飲み込み、慎吾さんは体を小さく痙攣させながらガラスに着いた手をますます突っ張らせた。 丸いお尻を指の痕が残りそうなくらいに強く掴み、昂ったモノをズブズブと根元まで一気に押し込む。 決して初めてというわけではないけど、コンドームを使わないセックスは久しぶりだ。 あの薄いゴム一枚があるのと無いのとでこれほど違うのかと改めて驚くほど中は熱く、いつも以上にその粘膜の締め付けを強く感じる。 ......いや、それだけじゃない... やっぱり非日常の中に置かれた事で、ひどく興奮しているのだ。 俺も...慎吾さんも。 現に、いつだって慎吾さんの快感を優先する事を悦びだと思ってるはずの俺の体は、勝手に自分の快感の為だけに動き始めてる。 顔色を窺う事も中が馴染むのを待つ事もしないまま、俺は中を穿つモノで最奥を強く突き上げた。 普段ならそれを良しとはしないだろう慎吾さんも、その突き上げに合わせるように腰を揺らして背を仰け反らせる。 二人が体を動かすたびに、混ぜ合わされて泡になったソープがポトポトと足元へと垂れた。 許された時間が気になるとかじゃなく、ただ一気に快感を高めたくて必死にガツガツと腰を振る。 そのたびに俺のタマも揺れてペタンペタンと情けない音をたてた。 慎吾さんも、後ろで感じながらも今日は『男』としての快感を求めているらしい。 ガラスの壁に縋る手が滑らないようにと後ろからきつく抱き締めると、まるで安心したみたいに自分のぺニスを扱く速度を上げ始めた。 その事で、俺を包み込む粘膜の力が更に強くなる。 抑えられないほど一気にせり上がってくる射精感。 なんとかそれをやり過ごし、腰を引こうとする。 その時慎吾さんが、プルプルと首を振った。 「ア、アカン、抜かんといて...イヤや...航生くんの...航生くんの出したモンでいっぱいに...して...お願い...中で...中で出して...お願い......」 甘く必死の懇願に、俺の中の何かがプツンと音を立てて切れた。 いや、スイッチの入った音だったのかもしれない。 慎吾さんの言葉がグルグルと何度も頭の中を回り、そのままどこかが焼き切れたように熱くなる。 俺は離しかけた手で改めて強く腰を掴んだ。 「俺ので...腹の中いっぱいにしたげますよ...後から後から、いつまでもドロドロ溢れ出してくるくらい...この甘い慎吾さんの香りの代わりに、どこからも俺の匂いしかしないくらいたっぷりぶちまけてあげますから...全部受け止めてくださいね」 射精の為だけに腰の動きを早くしていく。 泣き笑いのような、そしえイヤらしくて幸せそうな顔をチラリと俺に向けると、慎吾さんもそれに合わせるように右手の動きを強く激しくした。 ********** 結局、大した愛撫もたっぷりのキスもしないまま、情けなくも『抜かずの3発』なんて事態を招いてしまった俺。 宣言通り、3回目には慎吾さんのお尻からは俺が吐き出した欲が溢れて流れ落ちる...という申し訳ない事になった。 それでも慎吾さんは今日のセックスにたいそう満足だったようで、俺がぺニスを抜くとお尻を振りながら中を綺麗にしてくれと笑顔でおねだりをしてきた。 いやまあ...満足してくれたならそれはそれで構わないんだけど...... だけどやっぱり俺は、慎吾さんがもっともっと甘え乱れる姿を見たいし、自分よりも慎吾さんの快感を優先させるセックスの方が向いている気がする。 いや、拗ねた慎吾さんが我慢できずに半泣きで『もう入れて』っておねだりするのが見たいだけなのかもしれないけど。 『アカン』と同じかそれ以上に『入れて』って言葉が好き...なんだろうか? とにかく次は『もう、これ入れて』って自分からぺニスに跨がるか、誘惑しようと必死にしゃぶりついてくるまで挿入は我慢しよう...体を綺麗にして、『20分だけ寝る』という慎吾さんに膝枕をしてやりながら、俺はこの後の事をぼんやりと考え口許を弛めた。

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