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温めよう【6】
綺麗に泡を流してしまってヌルつきが無くなってしまってるなら、それはそれで悦ばせ方はある。
何も潤いを自らの体で生み出せるのは女性だけとは限らない。
寝転んだ充彦に見せつけるように左手の手のひらにトロリと唾液を垂らすと、その手で『これでもか!』ってくらい存在を主張する恐ろしく長いモノを緩く握る。
「やらしいねぇ...俺のチンポ、自分の唾でドロドロにしながら扱こうって?」
「やだねぇ、充彦くん。自己嫌悪激しすぎて、俺が何しようとしてるのかもわからないの? いつもなら誰よりも俺の事全部わかるくせに。そんなもん、俺の唾でドロドロにしたいだけなら、とっくにしゃぶってるに決まってるじゃない。それとも...本格的にしゃぶってイカせてあげようか?」
唇をペロリと舐め、ベーッとベロを伸ばして見せた。
悪態をつこうとしたのも一瞬で、充彦はツイと視線だけを俺から逸らす。
しゃぶられたくなんてないよねぇ...俺、本気出しだすと喋らなくなるもん。
「心配しなくてもまだ咥えないって。俺の準備が整うまで、萎えないように軽くマッサージしとくだけ。でもね...早くしないと、今度は自分で跨がって喋ってる場合じゃなくなっちゃうよ~」
左手でユルユルと充彦のモノを扱きながら、俺は体をゆっくりと移動させた。
充彦の脇腹辺り...ほんの少しだけ首を起こせば俺の姿が捉えられるであろう場所にケツを着く。
「はい、ここにベーッて充彦の唾、たっぷり垂らして」
本題に入ろうとしない俺に焦れるように眉間に皺が入るものの、そんな事今の俺は一向に気にしないと気付いたらしい。
肘を着いて体をちょっとだけ起こすと、渋々俺の手のひらへと唾液を垂らす。
酒のせいか、ツーッと糸を引くほどに粘り気を見せるそれに思わず笑みを浮かべれば、充彦はそれこそ拗ねたようにバタッとまたすぐに体を倒してしまった。
「充彦はさ...社長の経営方針が女の子の安全を保障してやる為には最善の方法だってちゃんと理解してたはずだよ。そこまで女の子の事を考えてやれる社長に対して、尊敬の気持ちすら持ってたと思うんだよね。だってさ、いくら命を助けられたとはいえ、元々『やりたい事もできなくなった』『誰も信じられない』『別に生きてても仕方ない』なんて超後ろ向きになってたくせに、結局片腕として立派に社長の仕事支えてたんだもん...でしょ?」
「......尊敬してるとは言わないけど、女の子の為にあそこまで気を配ってやってる経営者なんて他にいないってのは事実だろ。前にも話したけど、店の取り分て割合にしたらかなり低いんだよ...できるだけ女の子のやる気を削がないように、気持ちよく働けるようにって。少しでも余計な負担減らしてやる為に税理士紹介したりもしてたし、マンションの保証人にだって......」
「そこまでわかってんのに、まだ匠さんの言葉の意味わかんないのかねぇ」
充彦に向かって脚を開き、充彦の唾でベトベトになった手のひらで自分のペニスをそっと包んだ。
ヌルリとした感触が充彦の口から吐き出された物だと思うだけで、ズンといつもとは違う...どこか背徳的な快感が腰に走る。
「ほら、充彦...ちゃんと見てて...俺、先走り多いんだろ? すぐに充彦の唾使ってガチガチのヌルヌルになるからね」
そういえば昼間は充彦の足で踏まれながらイッったっけ...どうも今日はいつもと違う事ばっかりしてる。
日常から離れた場所で、普段とは精神状態が全然違うんだから、当たり前っていえば当たり前か。
充彦のイレギュラーは俺のイレギュラーで戻す...明日を俺達にとっての日常に戻す為に。
「店に所属してるからこそ安心して女の子は働ける。その女の子達を守ってあげる代わりに、売上げから何パーセントかを会社が取り分として引く。それってさ...ごく当たり前の話だよね?」
左手の動きを止めないまま、右手で強く自分のペニスを扱いて見せる。
元々オナニーなんてした事はなかったけど、撮影の為にやり方を覚えた。
充彦にしてもらう時ほど気持ちよくは無いのは仕方ないけど、それでも自分を昂らせる程度の事はできる。
少し胸を突き出すようにしながらバランスを取り、ニチニチと音がするほど大きく右手を動かした。
竿の裏側に意識して力を加え、親指だけで先端をスルスルと柔く撫でれば、その親指の腹はすぐにヌルッと滑ってくる。
充彦に見られてるからなのか...恥ずかしいくらいに敏感な商売道具に笑いがこみ上げそうだ。
「考えてもみてよ。会社に所属してる人が売上を作ったからって、それが全額その人の物になるなんて話、聞いた事ある? マンションの営業さんが契約取ったからって、そのマンションの売上の7割もらえる? 芸能事務所のタレントさんがテレビのギャラ全額もらえる? 俺らだってそうじゃない。ビデオ出て、その出演料って税金分以外全額受け取ってたっけ? 違うよね? 組織に所属してるってそういう事でしょ」
「お前...何当たり前の事言ってんの?」
ゴクリと音がするほど充彦の喉が大きく動いた。
舐めたい?
舐められたい?
入れたい?
突き上げたい?
俺の姿に欲情している自分をごまかそうとしているのか、充彦の声はいつになく小さく低い。
......あ、違うかも...少しずつ、自分の言葉と当時の行動に矛盾がある事に...気付きだしたかな?
「うん、当たり前だよねぇ...どんな業種だろうが、それがなきゃ会社なんてものは成り立たない」
先端を擦る指に力を込め、裏側をギュウと押し上げて中身を送り出す。
その動きに素直に従うように、パクパクと息づいている穴からはトロリと透明な雫が滴りだした。
次々と溢れる雫を自分の竿に塗り込めながらゆっくりと充彦へと跨がる。
「俺は残念ながらタワシ洗いってやつはできないんで、代わりに竿擦りからの兜合わせで気持ちよくしたげるね~」
ニコリと笑みを見せれば、充彦は今度は視線を逸らそうとはしない。
もうそろそろいつもの充彦に戻ってくれるかな...しっかりと合わさった目線に心から笑うと、俺は竿を支えるようにしながらその先端をタマの裏側へとそっと押し当てた。
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