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ラブラブフィーバー【2】
風呂から上がった勇輝に続いて、俺も急いで風呂へ。
シャワーでサッと汗を流し、大事な息子は特に丁寧に丁寧に洗い、きちんとパジャマを着て寝室へと向かう。
いつもだったら風呂上がりはパンツ一丁か、まあせいぜいTシャツを着るくらい。
俺がわざわざこうしてパジャマを着るときは、今日みたいに勇輝がメチャクチャ甘えん坊になってる時だけだ。
超可愛くて超いやらしい勇輝のパジャマを少しずつはだけさせながら乱れさせていくなんて、想像するだけで軽く3回は抜ける自信がある...ま、勿体ないからそんなことしないけど。
リビングを通り寝室のドアを開けると、布団の真ん中がポコンと膨らんだキングサイズのベッドの前に立った。
幸か不幸か俺も勇輝も男性の平均身長は軽くオーバーしてるから、イロイロエロエロしようと思うとどうしてもベッドはこのくらいの大きさが必要になる。
小さい煎餅布団の上で汗だくになりながらもつれ合う...ってのもそれなりに情緒もあるし気持ちが盛り上がっていいんだけど、あくまでそれはシチュエーションを楽しんでるにすぎないわけで、毎日それでは体が休まらない。
俺の気配を感じたのか、ベッドのポコンがピクンと動いた。
「勇輝、お待たせ......」
とびきり優しい声をかけ、その布団の小山にそっと手を乗せる。
「充彦...おそ~い!」
ガバッと布団をはね飛ばすと、俺とお揃いのパジャマを着た勇輝がしがみついてきた。
うぉーっ、可愛い!
可愛いすぎるぞ、勇輝!
......ま、俺よりちょっとマッチョだけど。
「ねえ充彦、もう脱がせてもいい?」
「勇輝が脱がせてくれるの? すげえ嬉しい」
どうやら勇輝は、これがやりたいらしい。
別に本人が言ったわけじゃないけど、2年も同棲してほぼ毎日セックスしてれば、そんな嗜好なんてのも自然と伝わってくるってもんです。
普段は次に待ってる撮影に倣ったようなエッチをする事が多く、どこか少しだけ芝居がかってしまう。
それはそれで『プレイ』として十分に楽しんでるけれど、やっぱり時には素の勇輝の反応を見たい。
今日はその『ありのままの勇輝』を見られる大切な夜で、それは勇輝にとっても同じなんだと思う。
だからこうして、普段は着ないパジャマを二人とも身につける。
脱がせ合う事で体も心も昂り、いつもとは違う『愛情の為の行為』のスタートみたいに思えるから。
俺の上着のボタンを全部外してしまうと、勇輝の唇が乳首に触れた。
舌先でイタズラでもするようにチロチロとそこを舐めてきて、ブワッと一気に鳥肌が立つ。
「充彦、感じてる? 乳首立ってるよ」
「俺が勇輝に舐められて、感じないトコなんてあるわけないじゃん」
「気持ちいい?」
「うん、気持ちいい...」
その言葉に気を良くしたのか、乳首をチューチュー吸い、そこに軽く前歯を立てながら左手がスルスルと俺の腹筋を撫でていく。
そのままパジャマのズボンの穿き口に指をかけてきたから、それはそっと押さえた。
「俺だけ脱ぐの、ヤダよ。ほら、勇輝も脱がせてあげる」
「うん......」
その体を優しく抱き寄せながら、右手でゆっくりとボタンを外していけば顕になる、恐ろしいくらいに綺麗な体。
どんなに鍛えても一向に逞しくなる様子の見えない俺とは違い、勇輝は肩も胸もギュンて筋肉が盛り上がり肌もパンッて張っている。
身長からすると少し細すぎる俺とは違い、見事に均整の取れた、完璧に美しい体。
少しだけ顔を離しその姿をまじまじと見つめているとじきに勇輝の首筋が赤くなり、モジモジと少し体を捩らせながらパジャマの前を押さえた。
人に見られる...どころかケツの穴まで晒すような仕事をしていながら、勇輝は時々俺の前でだけこんな初な反応を見せる。
それが嬉しくて堪らない。
嫌がるだろうなと思いつつ強引にパジャマを剥ぎ取ると、ベッドの下にそれを投げ捨てた。
案の定、少し潤んだ目で俺を睨んでくるから、その頬をフワリと手で包む。
「あんま見んなよ...」
「ヤダよ、全部見る。隅から隅まで全部ね」
「お、お前なぁ...」
「勇輝......」
とっておきの笑顔で目を合わせる。
「ほら、キスしよっか」
頬を撫でたままゆっくりと顔を近づけ、人差し指で薄めの赤い唇をなぞった。
俺の指先を追うように、僅かに開いた唇の間からはチラリチラリと舌が覗く。
勇輝が瞳をそっと閉じた。
薄い瞼の皮膚が、期待を表すようにピクピクと震えている。
俺は赤い唇にゆっくりと俺の唇を押し当てた。
その押し当てるだけの行為を何度も何度も繰り返す。
「勇輝、ベロ出して」
唇の位置をずらして頬にこめかみに、耳朶にとキスを繰り返しながら、吐息と共に言葉を吹きかける。
それだけで勇輝の体はピクリと震え、肌が粟立つのがわかった。
勇輝は実はかなり敏感で、この体は快感にひどく弱い。
よくもこんなに感じやすい体でAVなんて仕事が続けられると思うが、これがカメラが回るとビシッと切り替えてしまえるところが若手男優のトップたる所以だろう。
まあ相手が俺だからこそ感じてくれてるなら、それが一番嬉しいんだけど。
勇輝の唇を割って、恐る恐るといった感じで舌先がチロリと現れる。
「ほら、もっとだよ...もっとベーッて出して」
その言葉に素直に従いさらに唇が開かれると、そこから濡れた真っ赤な舌が伸びてきた。
頬や髪を愛撫する手は止めず、伸ばされた舌をベロリと舐めてやる。
表面のザラザラを合わせ擦り、裏の血管を舌先でなぞれば、勇輝は所在なさげに俺の肩を掴んできた。
そのまま、目一杯伸ばされた舌をジュルと音を響かせながら一気に吸い込む。
俺の口の中で軽く噛み絡ませ唾液をなすり付けると俺の肩を掴む指に力が入り、勇輝の喉がクンと鳴った。
自らも俺の舌の動きに着いてこようと必死に舌を絡ませてくる。
しばらく唇を弄びそれをようやく解放してやれば、『はぁー』と慌てて酸素を欲しがるように大きく息を吐いた。
その顎を指でクイと上げ、ようやく開いた瞳を覗き込む。
「まだだよ...まだ全然キス足りない。今度は口開けて。大きくね...目は閉じないで。俺がどんなにやらしい顔で勇輝を求めてるか、しっかり見てて」
『ね?』と小首を傾げて同意を求めると、勇輝は言葉を返さないまま、大きく口を開ける。
その口すべてを包み込むように唇を合わせ、俺は一気に舌を捩じ込んだ。
苦しげに眉間にうっすらと浮かぶ皺。
けれど言いつけを守るように、大きな瞳はしっかりと俺を映していた。
そんな姿に、思わず笑いだしそうになる。
愛しくて、あまりに愛しくて、このまま壊してしまいそうだ。
潜り込ませた舌で頬の内側から上顎、舌の付け根から歯茎の裏側とすべてを舐め、丹念に愛撫していく。
俺以外のキスで絶対に感じないように、俺の唇を見るだけでも感じてしまうように。
もっともっと俺に溺れて欲しい...お互いの口内を行き来しながら量を増やしていた二人分の唾液を勇輝の中へと流し込む。
真っ直ぐに俺を見つめていた勇輝の目が少しだけ細められ、その喉がコクンと動いたのを確認すると、俺はようやく唇を離した。
「今度は...別のトコにキスさせてね」
虚ろな表情になった勇輝の唇の端に残った唾液をペロリと舐め取ると、俺は力の抜けた綺麗な体をそっとベッドへと横たえた。
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