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温めよう【12】
手のひら全体で穴の周りにシャンプーを塗りつけると、いつになく性急に充彦の長い指がズブズブと押し込まれた。
昂りすぎてるのか、たったそれだけの事で俺の全身がガクガク震える。
「そんなに飢えてんの?」
絶対に離すまいとでもしているのか俺の体はその指を奥へ奥へと誘い込んでいて、意識をしようが無意識だろうがその動きが止まらない。
中に収めた指を小刻みに震わせながら、充彦は茶化すように笑う。
俺は目の前の大きなモノに頬を擦り付け、チラリと後ろを振り返った。
「飢えてるよぉ、さっきから言ってるだろ...早くコイツ食わせろって」
「あら、素直。てかお前、なんつう顔してんだよ...エロ過ぎて引くわ。ほんとに食われそうじゃん」
「食っていいなら食うけどぉ。さっき舐めるなしゃぶるなって言ったくせに。だいたい、引くほどエロい顔ってなんだよ」
「今のお前の顔だよ。あー、俺ハメ撮りする奴の気持ちとか全然わかんなかったんだけど、今のお前なら永久保存版にして残しときたいわ」
中を弄る指を残したまま俺の脚を掴むと、いきなり充彦がグルンと俺の体をひっくり返した。
充彦の体の上に横たわった状態で、それこそ今にも食らいつくそうといわんばかりの瞳に見つめられる。
「俺もハメ撮りとか好きじゃないけどさぁ......」
うつ伏せの方が絶対に解しやすかったはずなのに、わざわざこうして無理な体勢を取ってまで俺を仰向けにした充彦。
俺の顔を見ていたいのか、それとも自分の顔を見せつけたかったのか。
どちらにしろ、グリグリと強引に抉られた粘膜はますます熱を上げ、そしてその収縮は大きくなる。
充彦が動きやすいようにと自分で膝裏をしっかりと抱え込み、俺はニッコリと笑って見せた。
「その顔だったら『ハメ撮り』ならぬ『ハメられ撮り』しときたいかも。最高にイヤらしくて興奮する。充彦の今の顔見ながらだったらね、俺、休憩無しで3連チャン射精できる自信あるわ。その顔だけ映したAV出たら買うね、オナニー用に」
「マスかきなんて俺が許すと思う? おまけにビデオの俺見て興奮するとか、ビデオに嫉妬するわ」
「あははっ、航生にも嫉妬したくらいだもんね」
「アホか。それとこれは全然話が違うっての」
クスクスと笑いながら、中をくじる指の隣にもう一本の指をゆっくりと添わせていく。
一瞬だけ縁を強く引っ張られる感覚に眉をしかめたものの、それは本当に一瞬だった。
いつもより性急とはいえ、それはやっぱり充彦のセックス。
痛みを感じる間もなく、すぐに快感が全身を駆け巡る。
根元まですっぽりと収まった二本の指はしっかりと道を作るように強く粘膜を押し開き、擦り、そしてその拓かれた道の中でそれぞれの指先がバラバラに動いて色々な場所を擽った。
「ほらほら、自分でもわかるだろ? ここがさ、キュウキュウ指に吸い付いてくるんだよ。動かしにくいくらい」
「んっ...充彦ぉ...足りないんだってばぁ...指じゃ足りないし届かない......」
「だーかーらー、まだ俺の入れらんないだろ?」
「だーかーらー、早く早くぅ」
中に埋もれたままの指をクーッと更に奥へと引き込む。
ユラユラと自ら腰を揺らせば、まるで生温いピストン運動をしているかのような気持ちになってきた。
緩やかに前後する腰はそのままに、早く次を入れろと自分のケツをグイと左右に開く。
なんならこのまま自分でも突っ込んでやろうか...なんて俺の考えはバレバレだったみたいで、尻たぶを広げながらも内側へと伸びつつあった指がペチンと弾かれた。
「自分でやんなくても、ちゃんと俺がやるって言ってるだろうよ...超エロくて可愛いけど、ほんとわがままで困ったちゃんだなぁ」
さして困った風でもなく、むしろ少し嬉しそうに口の端を微かに上げた充彦がもう一本指を追加する。
その指はもう何の抵抗も見せず、するすると奥へと入り込んできた。
ミチミチと中を埋められた充足感と同時に沸き上がる、もう次の段階に進む事ができるはずだという焦燥感。
様子を窺うように指を動かす事を止めてしまった充彦の手をグッと掴む。
「はぁ...ん...充彦、大丈夫だろ...もう、いいよね...んんっ...あぁっ.....」
自分の熱と充彦の興奮を煽る為、今日は声は抑えない。
掴んだ充彦の手をグジグジと俺の力で動かし、足りない分は目一杯腰を振って見せた。
「あっ...な、なに...ヤバッ...それ、イイ......」
ニヤニヤと笑った充彦が俺の中でクイと指を軽く折った。
ちょうど前立腺の辺り。
強すぎる快感が苦手なそこを触れるのは充彦だけ。
俺が恐怖を感じず、ひたすら快感を追える力加減をわかってるのは充彦だけ。
何もかも俺にとっては充彦だけで...その充彦にとっては俺だけが唯一の存在。
ああ...俺、最高に幸せなんじゃないの?
「充彦...それイイ...イイけど...イイんだけど...このままイッちゃう......」
このままイカされるのも気持ちいいのはわかってる。
家にいる時なら、たぶん先に一回イカせて欲しいってお願いしてるだろう。
でも今はどうしても嫌だ。
俺の奥の奥...それこそ充彦しか知らない場所をどうしても暴いて貫いて泣かせて欲しい。
ダラダラと先走りの止まらない自分のモノをギュッて握り、今度は充彦の手の動きを制した。
「充彦ので...充彦の大きいので、思いきりイカせて...ね?」
「んもう...ほんと今日の勇輝はおねだり上手だねぇ。マジでヤリ殺したくなるわ」
ニチニチと音をさせながら俺の中から指が出ていく。
それと同時に充彦はゴロンとまた体を床に倒した。
「お待たせ。ほら、自分で跨がって、自分で俺の入れて」
俺もゆっくりと体を起こす。
目で合図をされて手を伸ばせば、手のひらにシャンプーがトロリと垂らされた。
そのシャンプーを充彦の長大なぺニスにたっぷりと纏わせる。
ノソノソと充彦の上を移動すると、後ろ手にそのぺニスをしっかりと天に向けた。
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