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ラブラブフィーバー【6】

  グンといきなり中を強く穿った俺のバカ息子に驚いて目を見開いた勇輝の体は、しなやかに大きく仰け反った。 自らのペニスの根元を押さえていた指に力が入り、まるで食い込んでいるようにも見える。 「ごめん...ごめんな、勇輝...」 「...気持ち...いい......」 つい自分の欲に負けてしまった事を謝る俺に向けて譫言のように吐息と共に漏れてきた声は、甘く震えている。 出さないままで軽くエクスタシーを迎えたのだろうか。 勇輝の体からは力が抜け、同時に俺を受け入れた場所は強く大きくうねり始めた。 体を動かさないように気をつけながらゆっくりと体を倒し、荒い呼吸を繰り返している勇輝をそっと抱き締める。 「急にごめんな」 「謝んないでよ...俺、イヤとか言ってないだろ」 トロリと蕩けた視線を俺に向けると、勇輝は力なく笑みを浮かべた。 俺はそんな勇輝に軽い口づけを繰り返しながら、内側の強く不規則な収縮の波が収まるのをじっと待つ。 「もう動いていいよ」 「いや、でもまだ...」 「さっき言ったじゃない。俺、今日は飛ぶ気マンマンだし。それに、『死んじゃう』ってくらい感じさせてくれんじゃなかったっけ?」 ......余計な話、覚えてんなよ。 確かに言ったけども。 「俺はね、これでも一応優しく大切にお前を可愛がってやりたいのよ」 「いきなり奥まで突っ込んどいて、どの口が言うかなぁ」 「いや、だってそれは...」 言い訳を試みた俺の唇が、勇輝の唇でしっかりと塞がれた。 ヌルリと舌が唇を割ってきて俺の物に絡まり、ザラザラと表面が合わされる。 覆い被さった俺の体のせいで閉じる事のできない勇輝の脚は俺の腰を強く挟み、ますます俺のモノを深く飲み込もうと腰を揺らし始めた。 躊躇う俺をからかうように、受け入れている場所を意識的にキュッ、キュッと締める。 慌てて勇輝の顔を引き剥がすと、いやらしく濡れた唇をさっきまで俺の口内を動き回っていた舌がペロリと舐めた。 「充彦はいつでも優しいよ。どんな風に抱かれても、いつだって気持ちいい。だから、お前が気持ちいいようにヤって。そしたら俺も気持ちよくなるから」 ああ...もうっ! ほんと、煽るなよ...こんな俺でもなけなしの理性を総動員して我慢してるってのに。 そんな事言われたら、あんまり嬉しくてションベンちびりそうだわ。 何をやったって何を考えたって、きっと俺は一生勇輝には勝てないんだろうな。 「軽口叩いたこと、後悔させてやる」 「しないよ、そんなもん。最初っからずっと待ってんのに」 俺は体を起こし、腰に絡まっていた勇輝の脚をほどいた。 片方の脚を肩に乗せるとニヤリと笑って見せる。 「そこまで言われちゃしょうがないよな。お望み通り、まともな意識でいらんないくらいにイかしまくってやるよ」 軽く中をユルユルと擦る。 「明日は3食俺が作ってやるから、安心して一日中寝てていいからな。まあ...朝は食えないだろうけど」 衝撃を受け入れる為か、勇輝の体から更に力が抜けた。 初めはゆったりと大きく腰を動かしながら、しっかりと勇輝の表情を窺う。 時折、苦しいのか快感に耐えているのか、眉間にうっすらと皺が浮かぶのがまたひどく劣情を煽った。 「み~つけた」 腿をガシと掴み、僅かに体を反らす。 一度ギリギリまでペニスを抜き、俺は狙った場所を一気に突き上げた。 「いっ...やぁぁ...あっ...あぁぁぁぁっ......」 悲鳴のような嬌声と同時に、勇輝のカリが真っ赤に膨らむ。 そのまま俺のモノに押し出されるように、その先端からはトプッ、トプッと白濁が溢れてきた。 さすがにピューピュー飛ぶほどの勢いは無いけれど、それでも臍に溜まる程度には量がある。 まあ、常に精子工場がフル稼働してなきゃなんないような仕事してるだけの事はあるってことか。 俺はプルプルと震える勇輝の射精が終わるのを待たず、続けてそのまま同じ場所を強く抉り続けた。 俺自身のモノも敏感になっている分、中の微かな変化もよくわかる。 勇輝の一番好きな奥ではなく、わざとその手前の膨らみを押し潰すようにしてやると、予想通り涙を浮かべながら必死に首を振りだした。 「そ、そこ...ばっかり...ヤダよぉ......」 力無い抗議は耳にも留めず、容赦なく中を擦り、突き、抉れば、そこから逃げ出そうとでもするように勇輝の手が強くシーツを握り締める。 少しでもポイントをずらそうと無意識に捩る体をしっかりと押さえ付け、尚も腰を打ち付けた。 「やめて...マジ...おかしくなる...おかしくなる......」 涙の膜が張り、どこか虚ろな瞳が俺を映しながら、勇輝はまだ少し萎びたままの自分のぺニスを揉みしだく。 勃起こそしていないけれど、ぺニスも勇輝の手もぐっしょりと濡れていた。 「おかしくなれよ...俺なんて、もうとっくにおかしくなってんだから...」 夢を持つなんて諦めてた。 もう人に期待なんてしないと思っていた。 毎日をなんとなく過ごし、なんとなく笑えていればいいと思ってたのに。 勇輝とならば、また夢を追ってもいいんじゃないかって思えるようになった。 なんとなくじゃなく、全力で生きて、全力で笑いたいって思った。 そして何より...勇輝を幸せにしてやりたいって思った。 ほらな、もう俺はこんなにおかしい。 だけど今のおかしくなってる俺は、すごい幸せだと思う。 だからお前も...勇輝もおかしくなれよ。 俺しか見えなくなって、俺だけを信じて、俺にしか感じられなくなればいい。 そして、俺といることがいつだって幸せだと思ってくれれば。 「一緒におかしくなろうぜ」 シーツに畝を作っていた片方の脚も肩の上に乗せる。 少し苦しいかもしれないと思いつつ、抱えた脚をそのまま深く折り曲げ、それを俺の体で押さえ付けた。 ピストンを徐々に大きくしながら、勇輝の一番感じる最奥を目指してパンパンになった楔を突き下ろす。 「はぁ...ん...や...だぁ...」 硬い、拒絶の色が濃かった声色が、鼻にかかった媚びるような物に変わる。 折り曲げられた体を嫌がるどころか、もっとと誘うように勇輝は俺の首に腕を回し口づけをねだった。 「ヤならやめるけど...」 激しいピストンは止めず、時々一番深い所で捏ねるように中を揺らせば、俺を包む粘膜の蠢動が大きくなる。 はぁ...ヤバい...すげえ...イイ...... 「みつぅ...ヤダ、ヤダ...やめないで...もっと...もっとぉ......」 もっとしてやりたいのはやまやまですが、ちょっとギブ。 もう俺の限界が近そう。 「勇輝...まだまだしてやるから...一回俺と一緒にイこうな...」 ぼんやりとしながらも、俺の言葉の意味がわかったらしい。 折ったままでは難しいかと少し体を起こしてやれば、勇輝の手はしっかりと勃ち上がった自分のモノを握り、それを強く扱き始めた。 「いいよ...いいよ、充彦...」 「ははっ、やっぱ勇輝ってサイコー」 勇輝の好むリズムで、勇輝の好きな場所を攻めながら、俺は自分の快感を追いかけ始める。 その動きに合わせるように手の動きを早める勇輝は、なんだか泣き出しそうな顔で笑っていた。 「あっ...あっ...充彦ぉ...みつぅ...イく...イっちゃう......」 「お...れも、もう...無理かも......」 勇輝の体がビクリ、ビクリと痙攣する。 同時に、入り口から中まで、俺達の繋がっている場所の全てがギュンギュン熱塊を締め付け、絞り取るような動きが繰り返される。 ......耐えられない その強烈な刺激にあっさりと持っていかれた俺は、念願の今日初めての射精に体を大きく震わせた。

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