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守りたくて壊したい矛盾【4】
たっぷりとジェルを纏わせた指でそっと縁に触れてみる。
僅かそれだけの事でその場所はヒクリと震えた。
女優に舐めさせる事もあるし、いわゆる『性感マッサージ』『前立腺マッサージ』なんてのを経験したことだってあるから、ここが男の性感帯の一つである事はわかっている。
けれど、かつて強引に体を拓かれた時の、あの吐き気を催すような不快感も知っているだけに、勇輝を傷つけてしまわないかという恐怖心が払拭できないのも事実だ。
本当に俺のやりたいようにやっても大丈夫なのだろうか...躊躇いながら、ひたすら周囲を優しく撫でジェルを馴染ませつつ、内腿辺りに唇を押し当てる。
他の場所も勿論だけれど、勇輝は殊更そこが敏感らしい。
無意識なのか、俺が触れやすいように抱え上げていた膝を突っ張るように伸ばし、体を捩って俺の唇から逃れようともがき始める。
当然俺が、そんな場所を見逃すわけはない。
体の位置を少し変え、暴れる脚を脇に挟んで押さえ込むと、孔の周囲を揉むように探る指の動きは止めないまま、痕が微かに残るほどの強さで腿の付け根の皮膚の柔らかい所に吸い付いた。
小さな赤黒い痣をそっと舐め、そのすぐ隣に軽く歯を立てる。
プツプツと色付いた歯形の上を舌でなぞり、そのそばにまた強く吸い付いては赤い痕を残した。
頭の上から聞こえる、荒く乱れ湿り気を帯びてきた呼吸。
チラリと視線だけを送ってみれば、チンポの先からはトロリと蜜が溢れ、さらに次の雫が竿を伝い落ちようとしている。
ヌメる雫を塗り広げながら、その竿に軽く指を絡めた。
脚の付け根を舐めたまま竿をそっと握りしめてやると、触れられてピクピクと震えるだけだった孔が、まるで俺の指を誘うかのようにキュウキュウと大きな収縮を始める。
「み...つひこ...そこばっかり...やだぁ...」
甘えるような媚びるような、とても本気で嫌がっているとは思えない声を出し、勇輝は俺の髪に指をグッと挿し入れてくる。
ツンツンと髪を引っ張りながら『やめてアピール』をしているらしいけれど、その仕草こそ俺の興奮をますます煽り、思わず吸い付く力を強めた。
そのまま、誘うような収縮を繰り返している蕾へ、試しにそっと指先を押し込んでみる。
人差し指の先は、思っていた以上に抵抗なくツプと中に飲み込まれた。
「はぁっ...ん...」
「辛くない?」
もう少しだけと第一関節までを飲み込ませてみるがそこに拒む力はなく、更に奥まで誘い込むようなうねる粘膜にキュッと包まれる。
「大丈夫...っていうか...どうしよう...それだけでなんか...気持ち良すぎて...おかしくなる......」
「良かった...待ってくれてるみたいなんで、もうちょい奥まで入れてみるな」
一度指を抜き、改めてジェルをたっぷりと絞り出して指にそれを乗せると、閉じてしまう前にその指をグジとゆっくり内へと戻した。
強い抵抗があればすぐに力を弛める為、指先の感覚に集中する。
俺はよく相手の反応には気を遣う方だと言われるし、相手が本気で気持ちよくなるまで時間なんて関係なく丁寧に優し愛撫を続けるタイプだと自負してる。
そんな俺でも、こんなに相手の体を拓くのに時間をかけたことはない。
それでも、相当な時間を費やしている事も気にならないほど、俺の気持ちも体も昂ったままだった。
ジワジワとしか指を進めない俺に不安になったのだろうか。
勇輝の手が俺のチンポに軽く触れる。
「......萎えて...ない?」
「触ったらわかるだろ? 萎えるどころか、ますますいきり立ってる」
「良かった...でもね、男抱くのって...ほんと面倒でしょ...」
「面倒だったら止めてるって。くだらない事心配すんな。面倒どころか、こうやって少しずつ勇輝の気持ちいいトコ探してんの、最高に興奮する」
「...俺も触ってて...いい?」
「いいけど、イかない程度にしといてね。俺、本気でパンパンになってるから」
勇輝が触りやすいように少しだけ腰を近づけてやり、中を犯す指を更に進める。
柔らかく熱い粘膜をかき分け奥を目指せば、その包み込むような感触の中に小さな膨らみを見つけた。
その膨らみの中心に指の腹を当てる。
その正体はわかっているが、さて...ここを刺激しても良いものかどうか。
「あのさ...今、俺の指が当たってるトコわかる?」
「ん......」
俺のチンポを指で擽りながら、返事とも喘ぎともわからない吐息を漏らす勇輝がやっぱり可愛くて仕方ない。
指先を僅かに震わせるようにしながら痼を軽く刺激し、じっと顔色を窺う。
「ここ...前立腺で合ってる?」
「んっ...うん...」
「この辺、強めに触っても大丈夫?」
「...あんまり強く...しないで...苦しくなるから...」
やはりグイグイと攻めなくて正解だったらしい。
勇輝は、前立腺への強烈な刺激を必ずしも快感とは受け止められないタイプなんだろう...俺と同じで。
それでもフワフワと優しく触る分には十分すぎるくらいに気持ちいいのか、唇を少し開いて溶けそうな顔をしながら、ゆらゆらと自ら腰を揺らしている。
「前立腺ダメなら、こっちのがいいのかな......?」
女性でも案外いるんだ。
Gスポットへの直接的な刺激は苦手で、下手すると気持ちが悪くなる人。
そういうタイプと同じだとしたら、おそらく......
一度指をギリギリまで引き抜き、隣に中指を添えてグリと捻るようにしながら中へとそれを突き立てた。
それまでのゆったりとした愛撫からすれば、少し性急な動きかもしれない。
それでも、俺を受け入れた場所も勇輝の表情にも、強張るような力は入らなかった。
そのことに安堵し、2本の指で中を広げ擦るようにしながら更にグイグイ奥へと進む。
俺のチンポを弄ぶように触れていた勇輝の指の動きが止まり、代わりに俺の腕を不安そうに強く掴んできた。
「辛い?」
「あっ...違...ただ慣らしてもらってるだけなのに...はぁん...や、やだ...なんか...すごい...すごいの......」
俺の何がすごいのかはわからないけれど、どうやら気持ちよくなってくれてるのは間違いないらしい。
その証拠に、今俺の指は食いちぎられるのではないかというほどの力で締め付けられている。
「前立腺ダメなら...たぶんこういう事だよな?」
その締め付けに負けない力で、一気に指の付け根までを押し込んでしまう。
指だけで進める一番奥まで達しても、更に奥へと目指すようにグイグイと押す力は弛めない。
「あっ...ダメ...充彦...ダメ、ほんとに...おかしくなる...ヤダ...ヤダァ......」
奥を強く突きながら、指の中程で前立腺も柔く刺激を続ける。
パッキンの壊れた水道のようにトロトロとカウパーの止まらなくなった勇輝の竿を軽く2度3度と扱いた途端......
「あぅん...ごめん...ごめんなさい...イッちゃう...イッちゃうっ...」
腰を突き上げているのか、それとも俺の指をイイ所に当てようとしているのか。
ピクンピクンと痙攣するように体を震わせると、勇輝のチンポの先からはドクンとまだまだ色も粘りも濃い精液が飛び出してくる。
うねり、蠢き、強く締め付ける粘膜の感触にまるで俺の指がチンポになったような錯覚に陥り、何もしていないうちから射精してしまいそうな自分にひどく焦った。
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