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守りたくて壊したい矛盾【6】

『どうぞ』と目の前に収まるべき場所を差し出され、いざ自分のモノをそこへと当ててみるものの、どうしてもそこから先に進む勇気が出ない。 ......いや、別に入れるのが怖いだとか男相手でビビったとか、そういうわけじゃなく。 ......でもじゃあ、それが100%関係ないかっつうと、全然関係ないわけじゃなく。 その瞬間を今か今かとだらしないくらいに涎をダラダラと溢しながら待っている俺のチンポと、右手の指二本をそれとなく並べてみる。 「充彦、どうしたの?」 「あー、いや...やっぱまだ無理じゃね?」 『まだ』という言葉に、俺が何を躊躇っているのか気がついたらしい。 勇輝は少し無理な体勢で腕を伸ばし、入り口すぐの所で立ち往生している俺のモノに触れた。 「んもう...心配性だなぁ。大丈夫だってば。でもね、やっぱり俺久しぶりだし、何よりこのサイズのブツは『はじめまして』だから...ちょっと面倒だろうけど、中に収まりきって落ち着くまではゆっくり動いてくれる? あ、あとね......」 「ん?」 「このジェルよりも、もうちょっと粘りが強いタイプのローションとか無いかな? できたらすぐに乾かないような、アナルセックス向けっていうのだと一番ありがたいんだけど......って、普通の家にはそんなもん無いか」 「いや、あるよ。だってほら、うち普通の家じゃないし。勇輝が使いたいなら、バイブでも催淫剤でも手錠でもあるよ。ただし、電極だの鞭だの蝋燭だのはありません。俺、そっちの趣味は無いんで」 まあ、別にオモチャ使う趣味もケツ掘る趣味も無いんだけどね。 最近はAVの仕事だけじゃなく、エロ要素多めの女性雑誌でグラビアだのコラムだのって仕事もさせてもらってる関係で、こういった『アダルトグッズ』なんて物を試供品のようによくもらうのだ。 俺はそれほど私生活でもお盛んだと思われているのだろうか...心外だっての。 撮影で使った後のを喜び勇んでもらってきたわけじゃないし、使い古しじゃなくて全部新品。 当然、封すら開けてない。 俺は一旦ベッドを降りると、サイドボードの一番下の引き出しを開ける。 脚を下ろすと、興味深そうに勇輝もそこを覗き込んできた。 「うわあ、確かに普通の家じゃない!」 「だろ? あ、最初に確認すれば良かった...ビーズとかプラグ使った方が良かったのかな?」 「......イヤだ。充彦の手が好き」 わざとらしくプクーッと頬っぺたを膨らませ、さも『拗ねました』みたいな顔をする勇輝。 ......クッソ、反則レベルの可愛さだな...俺よりちょっとマッチョだけど。 「あ、わりと濃度が高いタイプのローションて...これでいいのかな? アナルセックス用とは書いてないんだけど」 一つのボトルを取り出し勇輝に手渡す。 勇輝はその封を破り、それを指先に押し出してみてニコリと笑った。 「うん、いい感じ」 「さっきのジェルじゃダメだったんだ?」 「ダメじゃないし、ヌルヌルが強すぎないからこそ好きって人もいるんだけどね。さすがにこの大きさだと、普通のジェルとかワセリンじゃ少し心許ないかな」 そう言うと、今開けたばかりのローションを手のひらにたっぷりと垂らし、引き出しを覗いてるうちに多少落ち着きを取り戻してた俺のチンポにそれをヌルリと塗り付けてきた。 一瞬だかヒヤッとしたけれど、すぐにそれは勇輝の手で温められる。 竿だけでなく袋の方までそれを纏わされる頃には、俺のギンギンぷりたるや、すっかり元通りだった。 「あ、でもこれだと...布団汚れちゃうかな...」 「んなの気にすんなよ。どうせ今から二人のザーメンですぐにグチャグチャだって」 それでもせったく塗り広げてもらった物があまり滴って落ちないようにと、そっとベッドに上がる。 その俺を見て、勇輝はコロンと元の場所に横になった。 またさっきまでと同じように、俺の方に向けてしっかりと蕾を晒して脚を曲げる。 「少しだけ中にもローション足してもらって...いい?」 一度小さく頷くと、俺はローションを手のひらに出す。 さっき俺のチンポにいきなり垂らされた時の感覚を思い出し、少しでも...とそれを両手で覆ってみた。 「何してるの?」 「ああ、いやさ...あんまり冷たいとキュッて力入って辛いかなぁと思って」 「んふっ、大丈夫だよ、それくらい。でも...充彦ってほんと優しいね...なんだか、泣きたくなっちゃうくらい」 「それを言うなら、勇輝も優しいし...やらしいよ。目からもチンポからも涙がボトボト垂れそうなくらい」 もうこれくらいならいいだろうとローションまみれの指で蕾の縁をなぞり、確かめるようにそれを埋め込んでいく。 「ほんと大丈夫?」 「いいよ。ゆっくり...ゆっくりきてね」 「できるだけ努力する、うん」 もう一度だけローションを流し込むように指を深くまで捩じ込み、その道がまだ閉ざされてはいない事を確認すると、俺は今度こそ蕾の中心にパンパンに膨らんだ先端をグッと押し当てた。

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