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クイーン・ビー・エクスプレス第4回【3】

「僕達はですね、まあお知らせしてたように...」 「勇輝、もういい加減一人称『俺』で良くないか? 目上の人に対しての時はともかく、普段は『俺』って言ってんだし。それに今日なんて、さっきからちょいちょい『俺』って出てるぞ?」 「いや、この映像をファンの人が見てくれてるとか思ったら、なんかちょっと緊張してつい『僕』って出ちゃうんだよな...」 「落ち着け落ち着け。今からそんなんで今度のトークショーどうすんだよ」 「う...うん、そうなんだよね。たぶんみんな、この動画とかで航生とかみっちゃんとじゃれてるイメージ持ってるじゃない? ちゃんと普段通り喋れるかどうか、なんか不安で不安で」 「普段通り喋る自信なかったら、普段通りみっちゃんに甘えてればいいんじゃないですか? んで、普段通り俺をからかって笑ってたらいいですよ。そしたらきっと、いつもの勇輝さんでいられると思います」 「...航生...お前...ちょっとだけイイ奴だな」 「ちょっとは余計です。ほらほら、写真集の話、聞かせてくださいよぉ。俺昨日聞き損ねたんですから」 「前言撤回。お前、案外根に持つね」 「そんくらいムカついたと思ってください」 「はいはい、すいませんでしたっ! まあ、とりあえず俺らは1週間かけて東京と京都で写真集と、同時発売のDVDの撮影をしてきまして......」 「写真集の撮影って、そんなかかるもんなんですか?」 「いや、海外でも行ってなきゃ普通はかかんないだろ。ただ今回はちょっと大がかりっつうか...もう詳細は解禁なのかな?」 「...あ、オッケーみたい」 「ということなんでやっと話せるな。実は今回俺達撮った人が、あの『度会馨』でだな...」 「えっ......う、うそーっ!? 俺、あの人の写真集持ってます、何冊も。清廉でシャープでクリアで、その奥からは溢れんばかりのエロスが漂ってて...。それにね、なんて言っても光と色の使い方がすごく大胆でカッコいいんですよ! こう...なんて言うのかな...モノクロの世界の中にバラ一輪だけ女性器をイメージさせるみたいに赤にしてみたり、逆光でわからないはずの表情を想像させるように床一面にガラスばらまいてみたり...」 「熱いな、航生」 「うん、かなり暑苦しいね」 「うわーっ、うわーっ、いいないいな...あの人に撮ってもらえるなんて...うわ、ほんとに羨ましい......」 「お前、そんなにファンだったのか。なんだ、早くから決まってたんだし、教えてやったら良かったな」 「俺、写真集買いますね! まあ、色々知ってる二人がモデルになってるのってなんとなく恥ずかしいんですけど、でもあの度会馨が撮ったんだったら、さぞや綺麗でちょっとセクシーな写真になってるんでしょうね......」 「いや、残念ながら『ちょっとセクシー』な写真は無い」 「え? 度会馨なのに?」 「『ちょっとセクシー』なんじゃなくて、『どっぷりエロ』だぞ」 「へ?」 「ほぼ全ページ、エロだらけ。俺らまともに服着てる写真て、京都で撮ったオフショットくらいなんじゃない?」 「これも、他の内容が濃すぎて採用されるか微妙だよな」 「度会馨の久々の写真集だからってテレビカメラの密着まであったんだけど、テレビでどこまで放送できるのか頭抱えてたもんね」 「絡みがあったって事ですか?」 「めっちゃあった。つか、絡みっぱなし」 「京都での撮影なんて、途中から緊縛プレイだったしな」 「な、なんかエグそうですね...いや、俺普段の二人のイチャイチャ知ってるから、この二人が絡んだらエライ事になるの目に見えてるんですけど。あ...ま、まさか『挿入』はしてないですよね!?」 「さすがに入れてはないけど、入れたも同然な写真もある」 「それ、初日じゃないですか? 次の日社長、俺の現場に来てため息ついてましたもん、『あそこまでやったら、企画潰れるんじゃないか』って」 「そうそう、初日。まあ、ヤバすぎるって出版社が判断したらその写真がボツになるだけで、企画自体が潰れるとかは無いから大丈夫」 「いや、しかし...ハードっちゃあハードだったよね。朝から晩までずっと裸で抱き合ってるような感覚だったし」 「間の1日で、DVDに入れる絡みの撮影とかもあったしな」 「え? じゃあ、ビデオでも絡みある?」 「あるある。インタビューと、写真集のメイキングと、俺らの初めての夜を回想するみたいな絡み」 「ま、まさかそこでは本番を...」 「してねえよ! 一応、普段のビデオと違って年齢制限無しで書店の販売ルートに乗せるから、そこまでハードな絡みは無い」 「写真集のがずっとハードでエロい! これは間違いない」 「勇輝、お毛毛まで剃らされたもんな」 「そうなんですか!? え、じゃあ今勇輝さんパイパ.......」 「ダーッ、んなわけねえだろ! 充彦も誤解されるような言い方すんな! 京都での撮影の時に、着物着て裾を太股まで捲り上げる写真とかあったから、脚の毛剃られただけだっての」 「いや、腕と脇も剃られたろ」 「よく陰毛守りましたねぇ」 「そんなもん、死守だわ、死守。今後の仕事に関わるっての」 「俺は全身ツルツルの勇輝も見てみたかったんだけどねぇ。とりあえず、全編イチャイチャラブラブガツガツしまくりの写真集になっております。勇輝初めてのSMプレイにもご注目ください」 「いや、ちょっと縛られただけだから...。はい、そんな写真集ですが、9月15日にDVDと同時発売の予定になっております。まだ撮影終わったばっかりなんで正式なタイトルとかは決まってないんですが」 「この写真集とDVDの詳細にについてはですね、ビーハイヴのホームページではなく、出版社さんのホームページにて発表があります」 「出版記念のイベントもおそらくやる事になると思いますので、またこまめにそちらを確認していただければと思います」 「俺は買います!」 「DVDとセットで?」 「いや、写真集だけ」 「なんでだよぉ、DVDも買えよぉ。俺らの初の絡みだぞ」 「そんなもん、家に遊びに行ったらいつでも見られるんで珍しくもなんともないです」 「......ワタワタ焦ったり戸惑って動きの悪いみっちゃん見られるぞ」 「......ちょ、ちょっとそれは見たいかも...」 「お前、興味持つとこおかしいだろうが!」 「だって、みっちゃんていっつも余裕で偉そうで怖くて悪魔なんですも~ん」 「......覚えてろよ。お前絶対今度泣かすからな」 「泣かすって、アンタは小学生か!」 「ガキで結構。ギャフンと言わせてやる」 「ギャフン!? みっちゃん、おっさん臭い」 「うるさいうるさい。マジでお前、トークショーの時にオモチャにしてやるからな」 「え? ちょ、ちょっと...公衆の面前はダメですって」 「やだね。絶対お前、トークショーの時にいじめる」 「はいは~い。みっちゃんと航生のレベル低い言い争いが止まらないので、今日は俺が締めますね。次回は大阪のトークショー直前スペシャルをお送りする予定です。ゲストもお迎えすることですし、今日ほどグダグダの内容にはならないかと思います。いや、しかし...ほんと今日の放送はいつにも増してひどかったな。大丈夫? こんなんで配信できる? はい、ではですね、今日もお送りしたのは勇輝と...」 「航生と...」 「みっちゃんでした~」

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