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ドキドキワクワク、夜のクエスチョンタイム【2】
「じゃあ、俺が選んだ質問は...これっ! 『モノクロ』さんからね。『眠ってる時に、ついついやってしまう癖とか格好ってありますか?』だそうです」
「寝る時の癖~? それはわかんないよなぁ...だって寝てるし」
「そしたらさあ、お互いの癖とか仕草やったらわかるんちゃうの? ちなみに航生くんは、一人で寝る時はちっちゃくちっちゃく丸まります」
「そうなの?」
「はあ、言われてみたら...確かにそうかも。昔は、朝起きたら大抵脚に毛布とか挟んでキュッてなってましたもん。でも今は違うでしょ?」
「まあ、普段はちゃうよ。でもなぁ...あのね、やっぱり眠うてしゃあない事があんねやろうな...ほんまたまにやねんけど、俺が風呂から上がったら、我慢できへんでベッドで寝てもうてるときあんねん。その姿がね、もうカブトムシの幼虫みたい!」
「幼虫......」
「プッ...幼虫...悪いな、航生。すっげえイメージしやすいわ。確かに丸まってる」
「いや、聞いて聞いて。でもね、幼虫みたいにキュウてなってんのにな、メッチャ俺の気配には敏感なん。俺がベッドに近づいた途端いきなり体ガバッて伸ばして腕枕の格好になんねん」
「で、ですよね? 俺、最近は慎吾さんの頭抱き寄せるみたいにして寝てますもん。一人で丸まったりしてないでしょ? 慎吾さんほったらかしとかしてないですよね?」
「まあ、ほったらかしにはせえへんな。それまでキュッて丸なってたのに俺が近づいた途端にバッて腕伸ばして、なんでか知らんけど体全部もバーンて伸ばすねん。まあ、いわゆる『大の字』ってやつ?」
「へぇ、航生って慎吾くんにムギュとか抱きついて寝てたりすんのかと思ってた」
「どっちかって言うと、逆? 俺の頭とか体とかギュッて抱き寄せて、『ほれ、しっかり甘えたらエエんやでぇ』みたいな感じ」
「マジか!? なんだよ、航生かっこいいじゃん」
「あ、あははっ...いや、まあ、ほら...寝てる時の無意識だし...でもきっと、慎吾さんを心から『癒してあげたい、甘えさせてあげたい』って思ってるから......」
「はいはいはいはい、これだけ聞いてたら、見た目も気持ちも行動も、ただのイケメンやろ? ところがやな、ここでやらかすのが航生くんが一味違うとこやねん」
「へっ? 何かやらかしてますか?」
「航生くんて、仕事の時はかなりきつめのボクサーパンツ穿いてんねんけど、寝る時は楽チンで気持ちええからってちょっと大きめのニットトランクスやねん。んで俺をしっかり抱き寄せながら脚をバーンて投げ出してるわけやん?」
「まあ、大の字ってそういうもんじゃないの? それとも何、すげえ寝相悪くて慎吾をドカッ!バキッ!とかいっちゃう?」
「ちゃうちゃう。寝相エエねん、ものすんごい寝相エエの。良すぎるくらい」
「何が問題?」
「あのな、『大の字』やのうて『太の字』になってんのに、寝相良すぎて朝までそのまんまなん』
『ん? 何、どういう事?」
「せえからな、大の字いうのはどういう状態?」
「だから、こうだろ。手足こう開いて伸ばすから『大』に見えるって...」
「そしたら、『太』って字やったら?」
「それは...股の付近に何かで点を付けて...あっ......」
「あっ...なるほど......」
「弛いトランクスの裾から、おいなりさんが『こんにちは~』してるわけか』
「ちょっ、嘘ですよ! 俺、朝起きた時にそんなんなってたこと無いですもん!」
「当たり前やん。チンチンが風邪引いたらアカンと思うて、俺がちゃんとナイナイしたげてるし」
「うわ、航生恥ずかし~」
「......俺もう、寝る時もボクサー穿きます......」
「凹むな凹むな。んじゃ慎吾くんはどうよ? なんか癖とかある?」
「ありますけど...あるんですけど、なんか言ったら怒られそうで......」
「怒らなアカンような事? まあ、今は何言われても怒れへんから、ちょっと言うてみ?」
「あの...ですね、慎吾さんて俺の...その...えっと...脇の匂いが好きみたいで、腕枕してたら眠くなるまで脇のとこでスンスンしてるんです」
「脇の匂いフェチ?」
「おいおい、淫乱キャラより面白いじゃん」
「して...る? いや、してない...でしょ?」
「なんでお前そんなに自信無さげなんだよ。心当たりあんだろ?」
「...うん、まあ...だって、航生くんの匂いがほんまに大好きやねん! めっちゃ落ち着くんやも~ん。んで脇とかやったら、風呂上がりでもやっぱりなんとなく航生くんの匂い微かに残ってて...スンスンしてたら気持ちよく眠れる...のかも?」
「ガッツリ自覚あんじゃん。うわあ、幼虫の匂いクンクンだ」
「幼虫ちゃう! 太の字の時や!」
「俺の寝相の話はいいですから...」
「そうやん! 俺らの話は終了! 次はみっちゃんと勇輝くんの番やから」
「勇輝はあるよ~」
「ん? 俺なんかあった?」
「あるある。イヤらしい気持ちとか絶対無いと思うんだけど、大抵俺のチンコ握りしめながら寝るわ」
「自分の股間触りながらでないと眠れない人がいるのは聞いた事ありますけど、みっちゃんのをですか?」
「俺、そんなことしてる?」
「してるしてる。意識は無いんだけど、結構しっかり握ってるよ。んで、意識も他意も無いままに扱いてる時まである」
「寝ながらでも男を勃起させようとするとは、まさにプロやねえ」
「そんなんじゃないわ! あの...あれだよ、やっぱ愛しいんじゃないの? 俺をいっつも気持ちよくしてくれる物だし。で、握ってたら安心すんでしょ」
「扱かんでも良くない?」
「それは、あれだろ...やっぱさ、普段握り慣れた大きさでないと安心しきれないとか......」
「やっぱり狙って勃起させてるや~ん」
「勇輝、俺ってなんかある?」
「充彦って、ほんと寝相いいし丸まらないしタマも出さないし、そんなに特徴って無いんだよな......」
「俺を一々引き合いに出さないでください!」
「あっ、これって癖は無いけど、たまにうなされて寝言言ってる事ある」
「寝言!? ちょっとぉ、それって初耳なんですけど」
「寝言の話はしたこと無いからね。でもほら、朝起きて『昨日お菓子作ったの?』って聞いてるでしょ? あれ聞いた日は、絶対言ってる」
「え~!? ちょ、マジで俺何言ってる?」
「『悪かった...捨てるつもりなんて無かったんだ』とか言った時は、ほんと驚いたよ。昔の女でも夢に出たのかと思って」
「その寝言って、そういう事ちゃうの?」
「続きがあったんだよ。『次こそは、焦がしたりしない...ちゃんと美味しいジャムにするから許してください!』だって」
「......はぁ!?」
「聞いたらさ、前の日にカシスのジャム作ってたんだけど途中で仕事の連絡が入って焦がしたとか言うの。どうもお菓子作る時になんらかの失敗をすると、夢の中で材料に責め立てられるらしいんだな」
「他にも言うてたん?」
「『あそこは、七分立てじゃなくて十分立てのメレンゲを入れるべきでした!』とかね、『チーズを室温に戻すのが遅すぎたのかもしれません』とか、なんか寝言ですっげえ反省してる」
「うわっ、航生の太の字より恥ずかしいんですけど...つうか、全然記憶無いし」
「まあ、自信持って作ってる物を失敗した!って、すげえ落ち込んでるんだろ、俺の見えない場所で。んでその落ち込んでる気持ちが夢に出てくるんじゃない?」
「いや...俺その寝言、マジでやだよぉ。これからこういう質問来たときにまたその話されたら嫌だから、これからはなんかエッチでネタになりそうな癖作ろう...赤ちゃんのおしゃぶりみたいに、勇輝のをしゃぶりながらじゃないと眠れないとか」
「今更どれだけエロい話で誤魔化そうとしても、お菓子作りに関してはうなされるほど真面目だって事がバレバレで~す」
「うわっ...こんな質問、面白おかしく話を広げられると思ったのに...まさか俺が微妙にダメージくらうとは...」
「という事で『モノクロ』さん、充彦は起きてる時はエロで不真面目ですが、寝言だけはすごく真面目でした~。あと、航生はカブトムシの幼虫です!」
「はい、そしたら次は俺が質問引かせてもらいますね~」
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