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行くぜ! Cover boys【充彦視点】
「おーい充彦、起きろよ。ほら、起きろってぇ。ボチボチ迎えくるぞ~」
ベッドの上でまだゴロゴロしたまま目が開かない俺を、勇輝がユサユサと乱暴に揺する。
いや、まだ眠いんだよ...つかさ、俺ちょっと今日は拗ね拗ねモードなのよ?
昨日は勇輝が久々に見せた本気のエロ顔のおかげですっげえギンギンだったのに、『ダメ!』って拒否られた。
キスでもすりゃ我慢しきれなくなって、そのまま上手くなし崩し的にでも...なんて事をコッソリ狙ってチューを迫ってみたものの、どうやら俺の魂胆はバレバレだったのかそれすらアウト。
『体に触ったら一緒に寝ない!』なんて言われたせいで、モゾモゾする手とムズムズするチンポを我慢するので必死だったから、睡眠不足も手伝って、ただ今機嫌が超低空飛行なのだ。
俺を一生懸命に起こそうとする勇輝にクルリと背を向ける。
「んもう...そんなにいつまでも怒るなよぉ。今日も撮影あるんだから疲れた顔もできないし、歩き方とか立ち姿が変だと困るだろ?」
「キスも嫌がった...」
「あのねぇ...俺、充彦に関してはだらしないってか、ほんと我慢きかない自信あるの。キスなんてしたら、絶対続きしたくなるから拒否したんだってばあ。俺も一生懸命我慢したんだよ?」
そんなことはわかってんだよ。
今日の撮影が、色んな意味でほんとに大切だってのはよ~くわかってんの。
でも、俺はどうしても昨日したかったの!
「加減するもん...ちゃんと撮影に影響出ないようにするつもりだったもん...」
「充彦の『加減する』は信用できないだろ。どんだけ前科あると思ってんの。それを、何をいつまでも子供みたいに...」
「子供で結構!」
いつまでも拗ねている俺に業を煮やしたのか、勇輝が俺の体を強引に仰向けにすると、いきなり腹の上に跨がってきた。
「充彦ぉ、早く起きろよぉ」
声がやたらと甘ったるくなる。
腹に手をつき少しだけ座る場所をずらすと、ニコッと笑いながらユラユラと腰をゆっくりと動かし始めた。
や、やめろ...一晩無理矢理我慢したから、俺のマグナム型水鉄砲は簡単に反応するんだぞ...。
それをわかった上で、わざと自分のタマ裏辺りで俺の水鉄砲をスリスリと刺激してくる。
「ほらぁ、早く起きないと、今日の夜もお預けにしちゃうぞ~」
笑顔のまま、騎乗位よろしく腰を激しく振る勇輝。
いや、起きたいのはヤマヤマですが、もう先に別の所が起きてますよ...マジでマジで。
俺は、それなりに切実な気持ちでツンと軽く腰を突き上げた。
「うっ...ん...」
こちらもそれなりに良い場所に当たったのか、勇輝もますます甘い声を出す。
ほらぁ...腰振ってるうちにお前も変な気分になってきてんじゃん。
「どうすんの、これ? 俺、このままじゃ収まりつかんよ、勇輝の可愛い悪戯のせいで」
お互いの間にある布が邪魔で邪魔で仕方ないけれど、構わずいきり立ったモノで勇輝の裏筋辺りを擦り続ければ、やはり我慢できなくなったらしい勇輝はようやく俺の腹から下りてくれた。
「今はこれで我慢しよ。帰ったら...好きなだけしてくれていいから」
ごそごそと体の向きを変え、俺の目の前には勇輝の股間がくる。
そこがちゃんとピキーンと存在を主張してくれてるのが嬉しい。
勇輝は俺のスウェットとパンツを膝まで下ろした。
「時間無いんだから、今日は我慢無しね?」
「了解! わかってるって」
俺も同じように勇輝のパンツをずり下ろす。
カーテンの隙間から朝日が射し込む中、俺達はお互いのチンポを夢中でしゃぶり合った。
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「遅えんだよ、お前ら。まさかとは思うが...朝からパコパコなんてしてねえだろうな?」
「パコパコ『は』してない」
しれっと答える俺に社長は口をポカンと開け、勇輝は顔を真っ赤にする。
「まったくよぉ...大事な撮影の前くらい控えろや。この性欲魔人が!」
「何言ってんの。控えさせられたから、今日はぶち込んでないっつうの」
「お前はともかく、勇輝の顔にクマでもできたらどうすんだよ」
「はいはい、エッチで絶倫ですいませんね~。んなもん、ほんとに勇輝撮るならヤりまくってエロさダダ漏れくらいのが絶対いいのに...」
そう言った途端、社長と勇輝と両方からゲンコツが飛んできた。
「ふざけんのはボチボチ終わり。とりあえずお前、昨日話に出てたブランドとの来シーズンのモデル契約決まったぞ。今日は早速そのブランドの社長が撮影の見学に来るらしいから、そろそろお仕事モードの顔に変えとけよ」
中村さん、もう話を通してくれたのか?
本当にモデルの選定は一任だったんだ...つか、仕事早いなぁ。
撮影に入るまでに気持ちと顔を作ればいいつもりでいたけれど、どうやら今日は現場に着いた瞬間から気合いを入れる必要があるらしい。
「この社長な、スーツ扱うハイブランドだけじゃなくて、ストリート系のファストブランドも持ってて、こっちには勇輝をモデルに使えるんじゃないかって興味持ってるらしい。二人とも本気でいけよ...決まったらデカイぞ。この仕事一本で、ビデオの出演料にゼロが余分に2つほど付くんだからな」
「はいは~い。お仕事用エロモード、スイッチオ~ン」
チラリと隣の勇輝の様子を窺った。
現場が近づくにつれ、その顔からは徐々に表情が抜けていく。
それは、昨夜ホテルのベッドの上で相手役に向けて見せていた顔。
冷酷でゾッとするほどに綺麗な無表情。
勇輝の方は、わざわざ言われるまでもなくとっくに気持ちが入ってたということか。
いつまでもグダグダ言ってふざけた態度を取っていた自分が、さすがに少し情けなくなる。
「はい、到着。二人の運命の出会いの場所だ」
俺達の目の前には、これまでの人生で一切縁の無かった近代的なビル。
今回の雑誌と、後日俺達の写真集を発行する出版社の本社ビルが今日の撮影現場だった。
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