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大阪LOVERS【11】

あれからどれくらいの時間が経っただろう。 俺からの命令に開き直った勇輝は、渋々ながらも自らバイブをしっかりと握りそれを大きく出し入れした。 特に不快なわけではないはずだ。 その証拠に、上を向いたペニスが萎える様子はない。 けれどそれだけ。 時折先端から溢れた蜜が竿をゆっくりと伝い落ちていくけれど、それ以上でも以下でもない。 本当にただ勃起してるだけだ。 普段あれほど感度の良い勇輝なのに? さっきまでは、触りもしないままで射精する直前まで昂っていたのに? 今一つ刺激が足りないのかとバイブのスイッチを入れ、さらにローターを鈴口の辺りに強く押し付けてみた。 瞬間勇輝の体がピクンと跳ねる。 「ふぅ...ん......」 さすがに吐息と共に小さな声が漏れる。 しかしそれは、ほんの一瞬だけの事だった。 細いながらも、バイブは間違いなく体内で振動している。 かなり奥の方まで突き立てられているから、その丸い先端はちゃんと勇輝の感じる深い場所を擽っているはずだ。 けれどすぐに落ち着きを取り戻したように、ただ俺の言葉に従う為だけの機械的な出し入れを再開する。 その顔は快感に溺れているなんて類いのものではなく、長時間の不自然な体勢に耐えてるせいか疲労感すら漂わせていた。 いつも当たり前のように振り撒いている色気も、すっかりなりを潜めてしまう。 額に滲む汗を軽く拭いてやると、一先ず勇輝の手をバイブから離させた。 「本気でやってる?」 俺の言葉に、ひどく申し訳なさそうに頷く。 今の勇輝にしてみれば、俺の命令に従う事もできず、俺を昂らせる事すらできず、何をどうすれば良いのかもわからないんだろう。 仕方なく勇輝の代わりにそれを握ると、ペニスの先端に押し当てたローターはそのまま、俺の手でバイブをズルズルと大きく出し入れしてやった。 しっかりと根元まで咥えさせ、そこでグリと強く円を描くように動かしてみる。 「あぁっ...んっ...ふっ......」 勇輝の体は、やはり本人よりも俺の方がわかっているという事か。 さっきよりも少しだけ声と反応が大きくなり、溢れる蜜が増えた。 しかしそれも...やはり一瞬。 小さな吐息は続くものの、それは到底『乱れる』なんて呼べる状態ではない。 まったくまどろっこしい...俺の指が中を抉っていれば、食いちぎられそうなほどの締め付けの中でも、僅かな動きや熱の変化も一切見逃さず勇輝の求めている物がわかるというのに...... 小さく震えるだけの機械は、一向に勇輝の体内の熱を俺に伝えてはくれない。 いつまでも達するほどの快感は得られず、しかしその止むことのない微妙な刺激は勇輝を精神的に追い詰めているようだった。 苦しそうに大きく顔を歪め、少しずつ体が傾いていく。 それでも絶対に足だけは下ろそうとしない姿に胸がひどく痛む。 「勇輝......」 「...ごめんなさい...無理...やっぱり無理...充彦じゃないと...俺、イケない......」 ポロリと一滴だけ涙が溢れた。 それがイケない辛さや不自然な体勢の苦しさからきた物なのか、それとも俺が求めた物を見せられなかった情けなさからきた物なのかはわからない。 ただ一つ間違いないのは...俺には本気のSMごっこも、勇輝をいたぶって遊ぶなんて事も無理だという事だ。 バイブのスイッチを消し、それをゆっくりと中から引きずり出す。 俺が怒ったと思ったのか、焦って体勢を整えようとする半泣きの勇輝の額に、そっと優しく唇を押し当て、その不自然に上げられた足を床に着けてやった。 「ごめんな...勇輝。お前はちゃんと『充彦じゃないと無理』って言ってくれてたのにな。それがほんとかどうか見てみたいなんてさ...お前にしんどい思いさせちゃったよ」 「...充彦......」 「もうウィッグ外して。俺はね、やっぱりいつもの勇輝を、いつもみたいに俺の手で気持ちよくしてあげたい。尽くされるより尽くしたい...目一杯甘えさせてあげたいって思う。だからね、もうメイド苛めるのも命令すんのもヤメ!」 『いいのだろうか?』という顔をしながら、勇輝はウィッグのクリップを外してそれを傍らに置く。 俺は精一杯の笑顔を浮かべ、両手を思いきり広げた。 「いっぱい可愛がってやる...蕩けるくらい感じさせて、今からすっげえ幸せにしてやるから...来い!」 その声と同時に勇輝の体が飛び込んでくる。 その体をしっかりと受け止め大事に大事に抱え上げると、謎の天蓋付き特大ベッドへとゆっくり連れていった。

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