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3.日々
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後日、あそこで何が起こったのかが分った。
和彦が道端にバイクを停めていると、居眠り運転をしていた大型トラックが突っ込んで来たと言う。
皮肉な事に、トラックの運転手は無傷だったそうだ。
なのに和彦は…。
和彦がいないなんて信じられない。だが、実感させられる物があった。
それは携帯のメールだ。
幾らメールを送っても、いつも直ぐ来るはずの返信が無いのだ。
休日になって、予告も無しに沙苗の家に遊びに来る訪問者も…いなくなった。
泣く事も出来ず、毎日心が締付けられる様な苦しみがあるだけ。バイト先でも笑顔を見せず、客が居なくなるとずっとメールを打っている。
まるで心が壊れたように。
そんな沙苗に美樹が『変だ』と指摘した。家に帰ってもずっと携帯を握り締めてボーっと何かを待っている。
自分でも変だと思った。
けど、こうせずにはいられなかった。
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