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「佐伯さん、これお願いします」 「ああ、お疲れ。どうだった?」 「いやーあいつヤバいっすよ。ど淫乱」 「ははっ、何それ」  今日の千尋の撮影を担当してくれた部下にそう問えば、肩を上げてテープの入った封筒を手渡してくる。 「目隠し取って目の前におっさんが居たら普通嫌がって抵抗するでしょ」 「この前の子なんてマジ泣きしちゃったしねー」 「なのにあいつ、嫌がるどころか変なスイッチ入って発情しちゃってさ」 「……」 「結局つられてスイッチ入ったおっさんとドロドロの濃厚セックス。誰得だっつー話っすよ」  自然と自分の口角が上がったのがわかった。 「それは、俺得かもね……」 「え、なんて?」 「いや、何でもないよ。今日もお疲れ様」 「あ、はい。お疲れでした~」  渡された紙袋から、テープを1つ1つ、机に並べていく。  ほらね、捕まえたのは正解だった。  一ヶ月の研修じゃ欠片も引き出せなかった千尋の魅力。一瞬で引き出したのがブサイク要員のおっさん男優だったことがまあ引っかかるけど。  千尋、ちひろ、 「やっぱりお前は、男に狂った淫乱だ」

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