34 / 118
「尿道責めってなんだろう」*
「尿道、責め……?って、何だろう?」
「ぶふっ……!」
「うおう……佐伯さん大丈夫?」
夕食後の優雅なティータイム。突然コーヒーを吹き出した佐伯さんに、慌ててタオルを投げ渡す。
綺麗に組まれた脚の上に盛大にぶちまけられたコーヒーはかなり熱々な筈だが、目の前の彼は平気な顔をして淡々と後始末を進める。
「もー、びっくりしたなあー」
「こっちの台詞だからね」
「え? 俺? 何かした?」
返ってきた思わぬ答えに首を傾げていると持っていたエロ小説を指され、ようやく納得。
「あ! 尿道責めか!」
「こら。よい子はそんな事口走っちゃいけません」
「だって解んないから萌えらんないんだし! つまらん!」
読んでいた小説に現れた“尿道責め”とやら。腐男子歴のまだまだ浅い俺が、今日初めて出会ったその言葉。このまま読み進めていけば、詳しい描写で理解は出来る筈。
でもそれはなんとなく嫌。どうせなら、最初から最後までずっと萌え尽くしたい。
「仕方ない、Google先生に聞い……わっ! 佐伯さん!?」
「おいで」
ポケットから携帯を取り出そうとした手を掴まれ、そのまま引っ張られながらベッドへ。
「脱いで」
「え、何? ヤるの?」
「残念だけど、今日のはただの予習だよ。千尋が大人しくその本を読む為のね」
「うぅ……」
なんだ。残念。少し期待した自分に苦笑しながら渋々スウェットと下着を脱ぎ捨てると、自身にすっと絡まってきた佐伯さんの長い指。
「ん……」
「じゃあ、始めようか」
うん。これはこれでイイかも。
――――――
ぐちゅぐちゅぐちゅ、たっぷりのローションが絡んだソレを上下に扱かれ、卑猥な水音が耳に響く。
「っ、ん……ああんっ……!」
「これくらいなら大丈夫かな」
「んっ、ああぁ……んんっ、」
イく少し手前で行為は止められ、指が離れていく。物足りなさにむずむずと腰を動かしていると、ベッドサイドの棚から何かを漁る佐伯さん。その手には綿棒。
「んー最初だしこんなもんでいいか。これ一本貰うね」
「へ……?う、うんっ」
「ここ座って」
あぐらをかいて、ポンポンと叩く佐伯さん。恐る恐るその膝の上に、背を向けた状態で座ると、後ろから抱き込まれてまたぐちゅぐちゅと自身を扱かれ。
当初の目的なんてとっくに忘れて喘いでいると、これまたたっぷりのローションで濡れた綿棒が、亀頭部分をぐりぐりといじり始める。
「ああンっ、んっ……っ!」
「……挿れるよ、」
「っん……あ、え……?」
亀頭を滑る綿棒は、そのまま尿道付近でくるくると円を描き。
挿れる? なに……? 尿道……え……?
尿道、責めって……まさか……っ、
「む、り……無理っ! そんな所……! ッ、んんン!」
ぐり、ゆっくり押し込まれた綿棒に、嫌悪感から身体がビクビク震える。自分のモノに異物が刺さっているその光景がたまらなく恐ろしくて、佐伯さんの腕の中でじたばたと身を捩る。
「無理っ、抜いて抜いて! 無理ぃ!」
「こら、暴れないの」
「無理! やだあっ…! 抜いてっ、」
「大丈夫、俺が気持ちよくしてあげるから、」
必死の抵抗も難なく押さえつけられるし、綿棒は未だ刺さったままだし。さらにこの人はこういう時、心底楽しそうに笑いやがるから質が悪い。
ともだちにシェアしよう!