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今にも崩れ落ちそうにガクガク震える脚でなんとか踏ん張り、佐伯さんの愛撫に耐える。背中を預けているコンクリートの壁が冷たくて、それだけでも気が紛れそうなもんだけど実際そんなことはなく。
「ンっ、んんうっ…!」
「声出しなよ」
「ゃあ…っん、んんっ」
「強情だねー」
内緒話をするように、耳元で甘く囁かれる。
水音がたたないように、わざと緩く優しく扱かれている俺のソレはとっくに硬く勃ち上がり、先走りをドロドロ垂らす。
それでも止まる事なくジワジワとゆっくり責められ、もどかしさに腰が揺れる。
「んっ、っ…朝日…!」
「っ……」
「向こう終わる頃じゃない? 千尋もそろそろ欲しい?」
「い、じわる……!」
そんなこと、聞かなくても解ってるくせに。
さっきからカズ達の甘い声が聞こえる度にいちいち興奮が増している事も、一度も触られないまま放置されている後孔が熱くひくついてる事も、佐伯さんが欲しくて欲しくてたまんない事も。
俺の事、全部知ってるくせに。
「可愛い、」
「佐伯さっ……!んむっ、んんぅ、」
「ちゅ、ン……本当ならおねだりのひとつくらい貰いたい所だけど……これ以上焦らしたら、挿れる前にイきそうだもんね」
「あ…あぁあっ…」
あてがわれたソレに身震いし、誘われるように佐伯さんの首に手を回す。遠くから聞こえるカズと朝日の声が、またひとつ俺の熱を上げる。
「さえきさ……欲し、い、っ……」
「ふふ、イイ子だね」
「ひ、あっ、ぁあッ!」
待ちわびた熱の塊を無意識にぎりぎりと締め付けてしまう。ちょっと焦らされただけなのに、馬鹿みたいに死ぬほど欲してる。
ぼんやりしてきた視界の中で、目の前の佐伯さんに必死に抱きついて喘いでいると、ふと片足を高く持ち上げられて。
「やっあっ! ふか、いッ……!」
「深いの嫌?」
「きもちっああ、ンっ……!さえきさっ! だめ……っ、声止まんな、聞こえちゃ……っ!」
「聞かせてあげようよ。俺らを盛り上げてくれたお礼にさ、」
「だ、めえっ……前触っちゃ、んぁああ!」
出し入れされる動きに合わせて扱かれ、さらにキスなんかされちゃったらもう駄目で。
もう何も考えられない。声なんて抑えてらんない。周りも見えない。
佐伯さんしか、いらない。
「あッあああっ……さえきさっ、さえきさん……ッ!」
「気持ちイイ?」
「きもちっ……! もう……っ、イっちゃ、う、っ、」
「ふふ、随分早いね。まだ足りないんじゃない?」
「ひあぁっ! きもち、きもちい……! もう、イきた……っ!」
「それは良かった。じゃあイこうか」
「っ、ああぁア……っ!」
早くなった律動に背を反らせて涙を零す。
ぼんやりと霞んできた視界の中でふと、あの優しい瞳と目が合って。引き寄せられるように唇を重ねる。
「んんっ……ぷは、んああぁっ! さえきさんっ、さえき、さんッ……!」
「んー?」
「すきっ……! さえ、きさんっ、すきぃ……!」
「……え……、」
「っ、あああんっ! イっ、く……ンっ!」
勢いよく飛んだ白濁が目の前の綺麗なスーツを汚す。それとほぼ同時に最奥に放たれた佐伯さんの熱に、またぞくぞくと肌が粟立つ。
「っ、はあっ、んんうっ……!」
「……ンっ……」
「……はあっ、はあっ、ああんっ、んん……」
そういえばカズ達はどうなったんだろう。声聞かれただろうな。なんか気まずいな。
ここ寒いしちょっと疲れた。立ちっぱなしって結構ツラい。俺の身体を支えてた佐伯さんはもっと疲れただろうけど。
だけど、もうちょっと。もうちょっとだけこのままでいたい。
甘えるように抱きついて、余韻に浸りながらゆっくり目を閉じた――……
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