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「ひっ、ああァ、!」 「んっ……」  ぐちゅり、ろくに慣らさないまま挿れられた筈だが、先走りで濡れたソコは聞き慣れた卑猥な水音をたてた。 「っ、凄いね……慣らしてないのに中どろどろ……」 「や、あぁあんっ……!」  結合部をなぞられぞくぞくと背中に走った快感に、綺麗なシーツをくしゃりと掴む。  久しぶりに中で感じる佐伯さんの熱に色んな感情が一気にこみ上げてきて、溢れた涙が頬を濡らす。それを熱い舌が優しく舐め取って。 「また泣かせちゃった……?」 「っ、ふ、うっ……」 「でもごめんね。今度は止める気無いから」 「ひ、あぁアっ……あっ、んんっあああっ…」  奥まで突かれたその刺激を受け止める暇も無く始まった律動。深く抉るようなその激しさに白濁がどろどろと溢れる。  涙でぼやける視界の中、目の前の身体に必死にしがみついて。快感に耐えられず無意識に背中にたてた爪に佐伯さんが眉根を寄せるが、もちろん今の俺にはそんな事に気付ける余裕は無く。 「やああぁッ、あっ、ひあぁ……、」 「っハア、千尋……、」 「あっ、んむぅ、ちゅ、ンうぅっ……!」  熱い舌が腔内で絡み合い、溢れた唾液が頬を伝いシーツにぽたりと落ちる。その小さな感覚さえも甘い刺激に変わり俺をどろどろに溶かす。  力が抜け、パタンとシーツに落ちた腕。その指先に佐伯さんの冷たい指が絡み、もう一度深いキス。 「んっ、ンんんっ……ぷはっ、あっあぁン!」 「……ごめんね…もうちょっと楽しみたいだろうけど俺そんな余裕無いんだ。もうイきそう、」 「あっあンっ! ひあぁっ、ああぁあン!」  そう呟くなり更に激しくなった律動。放置されていた自身にも指が伸ばされ、白濁を絡めてぐちゅぐちゅと扱かれる。 「やあぁあッ! だめっ、前だめ……っ、いっちゃ、う……!」 「ッ、千尋……、」 「あぁあンっ……やっ、佐伯さっ……! あああっ、ひっ、あぁンッ……!」  勢いよく飛んだ白濁と、それとほぼ同時に中に注ぎ込まれた熱を感じ、ぐったりとシーツに沈み込む。  と、そこに珍しく佐伯さんまでぐったりと覆い被さってきて。 「ハアっ……疲れた……」 「んっ……あぁンっ、」 「あぁ、ごめんごめん。抜くね」 「っ、やだ……!」  繋がったままの秘部に気付き腰を引こうとした佐伯さんだが、それを制され目を丸くする。その間にうっかり抜かれないように、だるい腕を持ち上げ密着した身体に更にぎゅーぎゅー抱きついて。  そんな姿から何かを察してくれたのか、佐伯さんは苦笑しながら俺の頭を撫でる。 「ごめんね千尋、中出ししたから抜かないと」 「いいの、」 「でも腹痛くなっちゃうよ」 「このままでいいのっ!」 「……ふふ、そっか。じゃあこのままでいよっか」 「うん、」 「……可愛い、」  ちゅ、と額に落とされた唇に身をよじり、佐伯さんの胸に顔を埋める。  このままがいい、  このままずっと貴方が俺の側に居てくれたら、どんなに幸せなんだろう。

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