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「んむっ、ン、ふ、んん~……」 「ふふ、フェラ嫌いじゃなかったっけ?」 「んっ……ちがうの。下手だからはじゅかしいの……」 「そっか。じゃあいっぱい練習して上手にならなきゃね」  気まずそうに目を伏せて俯いた顔を撫でてやれば、きらきらした瞳がこちらを向いてにっこりと笑った。 「うんっ! いっぱい練習すりゅーっ」 「いい子だね」  大きく頷いてからもう一度ソレをぱくりとくわえた千尋の顔は、唾液やら俺の先走りやらでもうぐちゃぐちゃで。  そんな事気にせず必死にフェラを続ける姿に、また何度目かの先走りが溢れた。 「ンっ……どろどろきた……佐伯しゃんきもちい?」 「うん、気持ちいいよ。ありがとう」 「えへへ~っ。じゃあね、じゃあね、」 「んー?」  てっきり「褒めて?」が次の言葉だと思っていた俺は、頭を撫でていた手を掴まれてベッドに降ろされた事に首を傾げる。  すると、仰向けでされるがままにしていた俺の身体の上、胸の辺りにゆっくりと千尋が跨って。 「おれのも、きもちよくして……?」 「っ……」  腰を突き出し、俺の目の前にさらけ出された千尋のソレ。普段なら絶対に有り得ないその淫らな行動に、無意識にゴクリと喉が鳴った。 「んっああっ……」  俺へのフェラだけでとっくにドロドロになったそれにゆっくりと舌を伸ばし、溢れる先走りを舐めとってやれば、びくんと身体を揺らして喘ぐ。 (やばいな…、)  最後まで理性、保つかな。  ぼんやりと考えながら、反射的に快楽から逃げるように離れていった腰をがっちりと掴んで引き戻し、根元まで勢いよくくわえ込んだ。 「あッ、ひあぁっ、あぁん……」 「ンっ……気持ちいい?」 「っんん、きもちい……っ、もう出りゅうっ……!」 「っ……」  ロリやらショタには興味無い。けど、この幼い口調は凶器だと思う。  射精の快感に耐えながら呂律の回らない喘ぎを漏らす千尋に、とうとう俺も熱を吐き出した。 「はっ、ふ、んンぅ…」  ぱたぱたと腹に落ちてきていた千尋の精液が止まった。  ぐったりと抱き付いてきた身体を抱きしめ返しながら、先程から近付いては遠退いていく真っ黒な欲望に、ギリと奥歯を噛み締める。 「んっ……佐伯しゃんのせーえき、あちゅい……」 「……」 「佐伯しゃん……しゅきい……」  耳元を掠める甘い吐息に、理性がふらふらと揺れるのが解る。  目の前にさらけ出された千尋の首筋に目を奪われる。  違う。  首筋にどくどくと脈打つ血管に、だ。 (ああ、やばい、)  左手と、わずかに残った理性は、ちゃんと千尋を抱いてあげている。大事な大事な千尋。俺の大切な恋人。  右手と両目はしきりに何かを探している。  先の尖った、何か。  何でもいい。この際ナイフじゃなくてもいい。傷痕は汚くなるけど、カッターでも。カミソリでも。ハサミでも。  何でもいいから、早く、この綺麗な首筋に突き刺して、血、赤くて綺麗な、  大切で大好きな千尋の、綺麗な千尋の、綺麗な血、可愛い千尋、俺の千尋、  ほら、早くぶちまけて、真っ赤な真っ赤な血液。 「ん……佐伯しゃん……」 「……ッ、千尋ごめん、もう一回だけ、」 「えっ……っひあぁ、ちょっ、佐伯しゃ……おれむりっ、もお無理ぃ、ああぁン……」  おい、佐伯千紘。今何考えてた?何してんの。大事にするって決めた。傷つけないって決めた。  ズキズキと痛むこめかみと、ドロドロと千尋を包み込もうとする汚い欲望を無視して、全てを消すように強く腰を打ちつける。 「ひあぁぁン、っやあ……佐伯しゃっ、もお無理……っ」 「ごめんね。もう少しだから、」  もう少しで理性戻ってくるから。  もう少しで、お前を傷つける真っ黒な欲望が消えるから。 「あぁぁンっ、っんう……やあぁッ」 「千尋……愛してる、」 「っひあぁン、佐伯しゃんっ、んぅう……っ」  白濁を飛ばし、フッと気を失って倒れ込んできた身体を、今度はしっかりと抱きしめた。

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