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「という訳で、こっちの子は彼氏が居るから手出し禁止ね。アヤが三人まとめて相手するから。あ、でも挿れていいのは黒シャツのお兄さんだけね。そうそうお兄さんの事ね。あとの二人は適当に弄って遊んでて。で、この携帯で撮った動画は会社に出すから。作品になる可能性もあるから顔出したくない人はグラサンでもかけといて。以上、何か質問ある?」
てきぱきと場を仕切るアヤを、男達と一緒にポカンと見つめる。
確かに慣れっこって言ってたけどここまでとは……。
「はい、ちいちゃんコレお願いね。容量一時間分しか残ってないけど三十分で終わらせるから安心して」
「えっ!? 俺が撮るの!?」
ポンと手渡された携帯電話には録画の待機画面。
「無理無理無理! 撮り方なんて分かんないし!」
「んにゃ? 大丈夫だよ~。いつも撮られてる感じで撮ればいいの。んじゃ行くよ~っ」
「ちょっ、アヤ待っ……!」
「しっ。声入っちゃう」
録画開始ボタンを勝手に押して唇に人差し指を立てるアヤに、慌てて口を閉じる。
ここまで来たらもう後には引けない。
覚悟を決めて携帯を構えた俺にアヤはにっこり笑って、二つに結っていた長い髪をふんわりと解いた。
「んむ、んあっ……」
静かな倉庫内に響く水音と、時々漏れるアヤの声。それと男の荒い息づかい。
ハッテン場帰り。相手を見つけられなくて溜まっている。アヤの言っていた予想はどうやら当たっていたらしく、一人目の男はアヤの数秒の手コキだけで果ててしまい、それだけで出番は終了。
最初はなんとかしてもう一度交ざろうと奮闘していたが、アヤにとことんスルーを貫かれて。今はふてくされて、倉庫の隅で煙草を吸っている。
「はあっ、んっ、ああっ、はあっ」
「ちゅ…ん、んむ、んんっ」
そんな一人目の様子を見て学習したのか、二人目は喘ぎ声を漏らしながらも必死でアヤのフェラに耐える。
アヤがいつ「しつこい」とぶち切れてもおかしくない状況。
ハラハラしながら見守っていたらアヤも完全に諦めたのか、最後に残しておいた黒シャツのイケメンさんに手招きする。二人まとめて相手をするつもりらしい。
(えっと、どの位置から撮ればいいんだろう……)
仲間同士でふざけて撮るムービーとは訳が違う。会社に出すって言ってたし、出来るだけうまく撮らなきゃ。
ありがたいことにピントも手ぶれも自動的に補正してくれるから、俺が気をつけるのは立ち位置だけ。
アヤの顔をアップ、男のイく瞬間をアップ、結合部をアップ、なんて無駄な冒険は一切しない。
それに、俺がどうこう努力なんてしなくてもアヤの方が角度や体勢を合わせてくれて、たまに視線や指先で位置の指示も出してくれて。
やっぱり経験豊富というか、撮られ慣れてるんだなと感心する。
「ッ……!」
「えっ!?」
突然の光景に思わず声を出してしまい、慌てて自分の口を塞ぐ。
あの黒シャツの男。アヤの背後に回ったかと思うと、慣らしもせずにいきなり突っ込んだ。
「はあっ、……はあっ、」
「いッ……、」
あの黒シャツの人、多分行為自体に慣れてないんだ。
挿れただけで一度イって、でも興奮した息づかいはそのままで。痛みに顔を伏せるアヤには全く気づかないまま、力まかせに激しく腰を打ち付け始める。
(止めなきゃ……!)
我に返って駆け寄ろうとしたところで、アヤが顔を上げる。
「……っ、ん、あン……っ」
「え……?」
「あっ……んんっ、きもち、いっ……」
気持ちいい?そんな訳ないじゃん。痛いに決まってる。あんな一方的なSEX、気持ち良い訳がない。
アヤが嬌声を上げながら、呆然と立ち尽くす俺を一瞬睨みつける。早く止めなきゃって思うのに、俺の手は無意識に携帯を構え直していて。
それを確認したアヤはにっこりと笑顔を向けてまた行為を再開する。
「あっ……、あぁン、きもちいっ、んんぅ……」
「はあっ、んっ、はあっ、」
「んんうッ……あっ、んんっ、んむっ……」
フェラされていた男はいつの間にかアヤの顔に白濁をぶちまけていて。目の前のソレをもう一度だけ舐めてから、お前はもういい、とでも言うように男を押し返すアヤ。
残るはあと一人、黒シャツのイケメンさんだけ。
考えたところで俺に出来る事なんて何も無いから、とにかく撮影の失敗だけはしないように携帯の画面を見つめる。
と、さっきまで完全に萎えていたアヤの自身が勃ち上がり始めているのに気付く。黒シャツさんは相変わらず単調で乱暴なピストンを繰り返しているだけなのに。
「んっ、あぁんっ……んっ、」
「はあっ、あっ、はあっ」
「あぁンっ、んっイ、く……あんっイクぅ……っ!」
アヤの言葉通り、みるみるうちに硬くなって先走りまで零すそれは、もう完全に射精前ギリギリのモノで。
(まじかよ……)
喘ぎの演技はまだしも、勃起も射精も生理現象じゃん。“下手くそ”としか言いようがないあの動きで、アヤが感じているとは到底思えない。むしろ相当痛いはず。
なのになんで勃つの?
痛くないから?本当に気持ちいいから?
「あっあぁあ、だめぇっ……イクっ、イっちゃうぅう、」
「はあっ、んんッ……」
「やっ……んッ、ああぁぁンっ……!」
カメラに向けて吐き出された白濁を携帯の画面越しにぼんやりと見つめていた俺に、アヤがにっこり微笑んだ。
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