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「えっと……手、紙……」
「ん?」
「び、便箋……いっぱい買って、きて……」
「……ふふ、どんなのがいい?」
俯きながらもごもごと口にするアヤに、佐伯さんは一瞬目を丸くして。でもすぐに優しく微笑む。
それを見て、アヤも涙を拭いてにっこりと笑った。
「一番可愛くて、ピンクのやつ。アヤみたいに可愛いのがいいっ」
可愛くなりたい。愛されたい。
そんなくだらない夢を大事に抱えていたけど、もしかしたらもうとっくに叶っていたのかもしれない。
だってアヤの周りには、優しい馬鹿が多すぎる。
竹内くんも、佐伯さんも、ちいちゃんも、カズも、朝日も。
それに、こんな汚いアヤを可愛いって応援してくれる、馬鹿なファンがいっぱい。
馬鹿みたいだけど、とっても優しくて、とってもあったかいの。
アヤが気付かない内に、No.1なんかよりももっと大切な居場所がいっぱい出来ていたの。
「ふふっ、早くみんなに会いたいなっ」
会ったらねー、一人一人にぎゅーってして、笑顔でこう言うんだ。
ありがとう。大好きだよ。
Aya ~fin~
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