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第五章・初代四界の王VS当代四界の王(※家族五人)20

「……邪魔だぞ?」 「話しは終わってません」 「特に話すことはない」 「私にはあります。さっきの続きが聞きたいです」 「忘れろ」 「忘れたくありません」 「…………ニヤニヤするなよ」 「あ、顔が無意識にっ……」  慌てて表情を引き締めました。  どうやら無意識に頬が緩んでいたようです。  そんな私にハウストが仕方ない奴だと諦めた顔をしました。 「俺は結構本気で悩んだぞ。分かってるのか?」 「ふふふ、分かっていますよ。私は幸せ者ですね、あなたに愛されています」  あなた私のこと大好きですよね。とてもとても愛してくれている。  私はハウストの籠を持っていない方の腕に手を掛けました。そして彼にそっと笑いかけます。 「私も同じです。私もあなたを愛しています。あなたが私無しでは夜も眠れなくなればいいと思っています」 「なるほど、たしかに眠れなくなりそうだ」 「はい、できれば食事も喉が通らないほうがいいですね。私がいなくなったら食欲はなくしてください」 「空腹で眠れないというやつか」 「ちょっと待って、それじゃあ原因は空腹じゃないですか。私ですよ私、原因は私でなければいけません」 「ああ、そうだったな」 「そうですよ」  私はうんうん頷いて、ハウストの腕に甘えるように擦り寄りました。  すると彼の目元が甘く細められ、ゆっくり私に覆いかぶさってきます。 「ブレイラ」  名を呼ばれて見上げると口付けを落とされました。  蕩けるような心地よさに口元がまた緩んでしまって、私からもお返しの口付けを一つ。 「ハウスト、たしかに私は一人で生きていけるかもしれません。幸いにも私は薬を作って生計を立てることができるので、贅沢な暮らしはできませんが私一人が生きていくなら問題ないでしょう。慎ましい生活をしていれば飢えることもありません」 「断言したな、俺には空腹で眠れぬ夜をすごせというのに。……嫌がらせか?」 「ふふふ、違いますよ」  私はハウストの首に両腕を回しました。  呼吸が届く距離で見つめて言葉を続けます。 「もしハウストと出会っていなければ、私は苦もなく一人で生きることができたでしょう。独りを当たり前のものとして受け入れて毎日を淡々と生きるんです。でもね、私は知ってしまいました」  そう言って彼の唇にゆっくりと唇を触れあわせます。  何度も啄むような口付けをし、甘い心地よさに笑みが浮かぶ。 「こうしてあなたに口付ける喜びを。イスラやゼロスやクロードを育てて、一緒に生きていく楽しさを。私はその幸せを知ってしまいました。一度知ってしまった幸せを忘れてしまうことはできません。もし今、独りで生きていくことになったら私は生きる屍になるでしょう。その生に意味なんてありません」 「ブレイラ、これ以上ない口説き文句だ」  ハウストが嬉しそうに破顔しました。  彼の笑みに私も幸せな気持ちがこみあげる。ブレイラと名を呼ばれるだけでどうしようもなく胸が高鳴ります。 「ハウスト、大好きですからね。あなたが口付けるのは私だけでなければいけません」  口付けを交わしながら言うと、光栄だとハウストが目を細めます。  ハウストは籠を地面に置いて、両腕で私を強く抱きしめました。 「んっ、……ぅ」  呼吸さえ飲み込むような深い口付け。  漏れる吐息がしっとりと熱い。まだ陽は高い時間だというのに……。  でもハウストは意に介さず、私に口付けながら背中を撫で上げます。 「あ、ん……」  背中にあったハウストの大きな手が下へ降りて、お尻を包むように揉みました。  やわやわとお尻を揉まれ、力が抜けた隙に股の間に膝を入れられてしまう。これでは足を閉じられません。 「ハウスト、あ……ぅ」  抗議しようとして唇を口付けで塞がれました。  立っていられなくなって膝から崩れ落ちそうになるも、彼の力強い腕が私の腰を支え、そのまま背後の樹へ背中を凭せ掛けられます。 「ブレイラ、抱きたい」 「えっ、抱きたいってっ……」  直球すぎる言葉に顔が熱くなってしまう。  恥ずかしさに困惑していると、ハウストは口元に笑みを刻んで私の赤くなった耳に唇を寄せました。  柔らかな耳たぶを甘く噛まれて肩がぴくりと跳ねてしまう。 「あ、ハウストっ……」 「いいよな?」  ハウストは返事を待たずに行為を進めていきます。  ハウストの大きな手が腰から脇腹を這い上がり、ゆっくりと私のローブの裾をたくし上げていく。  素足が露わにされていき、素肌が外気に触れる感覚に眩暈がしそう。  だってハウストの肩越しに見えるのは明るい陽射しに照らされた草木の光景です。 「ま、待ってください。こんな場所で、こんなこと……」  裾をたくし上げるハウストの手を両手で捕まえました。  これ以上動かないようにしっかり捕まえてハウストを見つめます。 「まだ明るいですし、ここは外です。だからっ……」 「大丈夫だ、誰もこない」 「そんなの分からないじゃないですか」 「誰がこんな山奥に来るんだ」 「たしかに……」  ここは川が近い小道ですが、だいぶ村から離れた場所です。  ハウストの言う通り誰も近づかない場所ですが、だからといってこんな明るい時間に……。 「ハウスト、やっぱり」 「お前だって我慢できないだろ。久しぶりなんだぞ?」 「そうですけど、でも……」  そう、こうして触れあうのは久しぶりです。  ゼロスとクロードが見つかるまでそれどころじゃなかったですし、そういう雰囲気になりませんでした。  だから私だって抱かれたくないわけじゃないんです。このまま離れたくありません。でもここでは落ち着かなくて……。  どうしていいか分からなくてハウストのシャツを掴んだまま彼を見上げます。  するとハウストがスゥッと目を細めたかと思うと、ぐいっ! 「わあああ!」  突然片足を持ち上げられて後ろに引っ繰り返りそうになりました。  もちろんハウストに支えられましたが、片足を持ち上げられたせいで足が大きく開いてしまう。しかもその間にハウストの体が割り込んできます。

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