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第五章・初代四界の王VS当代四界の王(※家族五人)23

「レオノーラ様が言っていた水車小屋はあそこですね」 「入ってみよう」 「はい」  ハウストが私を横抱きにしたまま水車小屋の古い戸を開けました。  …………あれ? 小屋の中の光景に少しの違和感を覚えます。  中にはテーブルとベッド、ちょっとした食器や文具などの家具が置いてあります。でも不思議なことに、家具はつい最近まで使われていたような形跡があったのです。  現在水車小屋は使われていないそうですが、そうなったのは最近のことなのかもしれません。 「それほど埃がたまっていませんね、つい最近まで使われていたようです」 「そのようだな」  ハウストは私をベッドに降ろしてくれました。  ポンポン。ベッドを軽く叩きます。 「これも少し前まで使われていたようです」 「ああ、そしてこれから俺たちが使う」  ハウストがそう言いながらゆっくり覆い被さってきます。  見つめあったまま互いの唇を触れあわせて笑いあう。 「レオノーラには感謝しなくてはな」 「ハウスト、ん……」  ハウストと私の唇が深く重なりました。  そのままゆっくりと押し倒されていく。  首元の柔らかな皮膚を吸われて、背筋に甘い痺れが走りました。 「あ、……っ」  思わず声が漏れて、ハウストが目を細めました。  ハウストが私のローブを乱し、裾が少しずつあげられていきます。露わになった膝をハウストの手がくすぐるようになぞって、それがしだいに内腿へと移っていきます。  そして熱くなっていた性器をやわやわと揉まれました。 「んっ、ぅ……あ」 「立ってるぞ」 「言わないでください……」  ハウストが私の唇を塞ぎながらローブ越しに体の線をなぞります。  気が付くと乱されていたローブは脱がされて、ハウストの下で一糸纏わぬ姿になっていました。  ハウストが私の素肌に唇を這わせ、首筋や胸元を吸って跡を残していく。指で胸の突起を弄られて腰の中心が熱く昂ります。  堪らずに内股をすりすりと擦り合わせ、ハウストの肩に手を置いてシャツの襟を軽く引っ張ります。 「私だけは嫌です。あなたも脱いでください」 「喜んで」  脱いでほしいと乞うた私にハウストが目を細めました。  彼は私の赤くなった目元に口付けると、手早くシャツを脱いで鍛えられた裸体を晒します。  ハウストの裸体は見慣れているつもりですが羞恥を覚えてしまう。  そんな私をハウストがすっぽりと抱きしめました。  ああ。ため息が漏れましたよ。  抱きしめられて素肌と素肌が触れあって、それだけなのに、とても、とても気持ちいい。 「ハウスト、口付けてください」 「ああ」  口付けを乞うとしっとりと重ねられます。  口内に舌が入ってきて、それを迎えるように舌を差し出すと深く絡められました。 「あ、ん……ん」  鼻にかかった高い声が漏れました。  舌を絡めながら吸われて、まるで食べられてしまいそう。  ハウストの首に両腕を回すと更に口付けが深まる。甘い熱に浮かされて足を絡め合い、互いの腰を擦り合わせました。  ハウストの硬くなった怒張が私の太腿に当たって思わず腰を引いてしまう。  でもすぐに腰を抱き寄せられて、その硬くて熱いものを押し付けられました。 「楽しみだ」 「ん、うぅっ……」  腰を抱いていたハウストの手が私のお尻を揉みます。  彼の指がお尻の割れ目をなぞり、奥の後孔をそっと擦る。――――ふるり、背筋に甘い痺れが走りました。  思わず仰け反るとハウストは口元だけで笑って私の性器を扱きだします。昂っていたそれはすぐに反応をかえし、先端からは透明な雫が溢れだしました。  扱かれるたびにクチュクチュと音が鳴る。それは羞恥と同じくらい官能を高めていくけれど、でも限界を迎える前にハウストが手を離してしまいました。 「あ、ハウスト……」 「ああ、いきたいよな。俺もだ」  ハウストはいつにも増して優しい声で言いながら、手は私のお尻へ。  濡れた指が後孔に触れて、ぴくりと肩が跳ねました。 「俺も早く挿れたい」 「あ、んん……、んッ……」  抱かれることに慣れた体は受け入れ方を覚えています。そしてそれが気持ちいいということも。  ハウストの指がゆっくり入ってきて、中の弱いところに触れました。 「ああッ、ん、……うっ、んんッ」  触れられた瞬間、強烈な快感が衝撃となって足の指先まで走りました。  無意識に逃れようと身をくねらせるも、ハウストに腰を掴まれて引き戻されてしまう。 「逃げるなよ。必要なことだろ」 「そうですけどっ、ああッ、ん……ん、んッ……」  時間をかけてゆっくりと解されて、指の本数も増やされていきます。  私の中でハウストの指が動いて、その動きに合わせて腰が揺れました。  全身が甘い熱に侵されて、指の小さな動きにも身をくねらせるほどの反応をしてしまう。  深く長く息を吐いて快感を受け流そうとしたけれど、うまくできなくて、苦しいほどの快感に気が遠くなりそう。 「ハウスト、……もう、だいじょうぶ、ですからっ……、だからっ、ッ、あん、んんッ、っ……」 「ああ、分かってる。辛かったな」  ハウストはそう言うと私の前髪をかきあげて額に口付けてくれました。  ずるいですね。過ぎた快感は辛いのに、たった一つの優しい口付けだけで許してしまう。  私はハウストの肩に手を置いて彼を見上げました。

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