478 / 719

第478話※

「っあんっ、はぁっ、はぁっ…」 それから何度、打たれたか。 堪えるせいで荒れ狂う快感と、上がった息が苦しい。 「ククッ、どこまでもつかな?」 ニヤリとした、意地悪な火宮の声が落とされて、スゥッと肌を撫でた鞭の感触に、ゾクゾクと身体が震えた。 その快感の余韻を引っ張るように、またもパシッと鞭を振るわれる。 「んあぁっ!もっ、やだ…」 やばい。 ガクッと挫けた肘が、ぽすんとベッドに落ち、余計に突き出すようになってしまったお尻の上に、パサリと戯れに置かれる鞭の先にゾクゾクした。 「う、ぁんっ、もっ、や…」 ポタポタと、ベッドの上を汚す先走りには、誰よりも俺が一番に気づいていた。 「ふぅんっ、あぁっ、あんっ」 悔しい。 鞭でぶたれているのに、こんなに気持ちがいいなんて。 恥ずかしい。 鼻にかかった吐息も、ビクビクと完全に勃ち上がってしまった性器も、誤魔化しきれないこの快感も。 「ふっ、あぁっ!」 ヒリヒリと、敏感になった肌の上を再び打たれて、俺はたまらずカシャンと手錠を鳴らした。 「ククッ、鞭が気持ちいいか?」 「うぁ、あんっ、やだぁ…」 「ん?翼?」 「っ…」 ほら、とまた1つ鞭を振るわれ、誤魔化し切れなくなった快感に、ポロリと涙がこぼれた。 「ククッ、全体的に赤くなって、霧生の鞭跡はすっかり霞んだな」 「っあん…」 「ふっ、鞭に対する記憶はどうだ。痛みか?それとも快楽か」 「っ…」 「鞭は気持ちがいいだろう?」 どM、と耳元で囁かれ、ゾクリと下半身が震えた。 「ち、がう…。火宮さんがっ…」 「ククッ、俺がなんだ。すっかりここをこんなにして」 パサリと鞭をベッドに置き、火宮の右手がスルリと後ろから股の間にもぐりこんでくる。 「っ、あっ…だ、って」 きゅっと性器を握られ、たまらず腰が震えた。 「あぁっ、あっ、あんッ…」 散々快楽を引き出すように鞭打っておきながら、ここへきてその直接的な刺激はやばい。 「イ、くっ、イきた…火宮さ…」 「ククッ、そうか」 ニヤリ、とした、この上なくサディスティックな響きを宿した火宮の声が聞こえた、と思った瞬間、パチン、と性器に何かが嵌められた。 「っ?!」 イきたい、と言っているのにこの仕打ち。 ブレなくどSに泣けてくる。 「っーー!火宮さんっ…」 これじゃぁイきたくても空イキしかできないじゃないか。 性器の根元を縛めるリングに、イヤイヤと首を振ったけれど、完全に意地悪モードの火宮には、聞き入れてもらえなかった。 それどころか…。 「っ、まさか…」 ニヤリとした火宮が、鞭の代わりに持ち出したのは、そこそこ太さのあるバイブで。 「いや…。やだ。嫌だーっ」 「ククッ、仕置きだ、諦めろ」 ちゃんと悦くしてやる、と囁く火宮の言葉が、快楽地獄の始まりだと分かって、ドキリと跳ねた心臓に、クラクラと目眩がした。

ともだちにシェアしよう!