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第500話※

「っーー!っあぁんっ、あっ…」 嘘っ。火宮さんが、俺の…。 「ふぇ…ふぇ…」 フェラしてる…。 あまりに倒錯的な光景に、クラクラと眩暈がして、太ももを支える手にぐっと力が篭った。 「んぁっ、あぁっ…」 ぬるっと全体を口内の粘膜に包み込まれ、かと思えばツゥーッと根元から先端までが舐め上げられる。 ゾクゾクッと痺れるような快感が駆け抜け、俺はたまらずビクビクと身を震わせた。 「んっ、はっ、あっ、あぁっ…」 やばい、これ。気持ち良すぎておかしくなる…。 チロチロと、舌で先っぽを舐められ、クプッと割れ目に軽く舌先が侵入すれば、堪え切れずに身が捩れた。 スゥッと窄められた口で、性器が吸い上げられる。 もう絶頂は目前だった。 「あっ、あぁっ、イく。イくぅっ…出ちゃ…」 っ! 出、ない…。 「ひぃぃっ…」 ひくんっ、と仰け反った身体は、ビクビクッと震えただけで、望んだ絶頂は訪れなかった。 「っ、あぁぁ…」 そうだった。射精ができないように、根本を縛られているんだった。 出せずに体内を逆流した熱が、体中で暴れまくる。 「あぁぁっ、火宮さんっ、刃っ。取って…これ、取ってぇっ」 イキたい。イかせて。おかしくなる。 思わず足から片手を放し、ジタバタともがくように根元のハンカチーフを示した俺に、火宮のニヤリとした悪い笑みが向いた。 「まだだ」 「っやだ。そんなっ…」 壊れちゃうよ。 「こら、駄目だ。ちゃんと足を支えてろ」 「ひぃんっ、だって…やだぁっ」 イきたいのに。 ボロボロと泣きじゃくりながらも、火宮の手で手を足の元に誘導されてしまえば、再びそこを支えているしかなくて。 「安心しろ。たっぷりいい目を見せてやる」 ニヤリ、と笑った火宮が、再び俺の股の間に顔を埋めて…。 「っ!」 なっ、そこは…。 ぬるりと、滑った舌を感じたのは、今度は性器を通り越した、奥の蕾だった。 「ひぃぁっ、あぁっ!」 そんなところっ…。 チロチロと、襞の1つ1つを丁寧に舐め濡らすように舌が這う。 俺の支えだけでは足りないのか、グイッと両足を下から押し上げるように支えた火宮が、さらに深く俺の股の間に頭を近づけた。 「んぁっ!あぁっ、あんっ…」 じゅぷっ、くちゅっ、といやらしい音を上げながら、火宮の舌がぬぷりとナカにまで挿入ってくる。 「っあぁっ、駄目っ。だめっ…」 そんなところ、汚い。 「火宮さんっ。刃。じんっ」 やめて、お願い。 ぎゅぅっと反射的に髪に指を絡ませ、俺は必死で火宮の頭を引き剥がそうともがいた。 「痛い」 引っ張るな、と咎めるように睨まれて、俺は思わずパッと髪から手を放してしまった。 「っーー!あぁぁっ!」 邪魔がなくなった、とでも言うように、火宮の舌がさらに深いところにツプッと差し込まれた。 ひくんっ、と仰け反った身体は、もう意識の下にはない。 「あっ、あっ、火宮さっ…刃。じんっ…」 やばい、駄目だ、今度こそイく…。 チカチカと目の前に星が飛び、頭が真っ白になるような快感の波が押し寄せた。 「っ、あぁっ、あぁぁぁっ!」 だ、め、だ…。 舌をスッと抜かれ、その隙間からヌルッと指が差し込まれたからたまらない。 カリカリと引っ掻くように前立腺を刺激され、たまらず絶頂に身体を震わせた。 「ぅあぁぁっ、あぁぁぁっ…」 パァッ、と目の前が真っ白に眩むような強烈な快感。 拘束のせいで射精を果たせないままの絶頂に、気が狂うかと思うような快感が長く続く。 「あぁっ、まだイく…イく…」 ビクビクと身体が勝手に震え、イき続ける頭と身体がジーンと痺れたようになっていった。 「ククッ、どうだ、空イキの味は」 気持ちいいだろう?と笑う火宮は、このイッてもイッても終わらない快感を、経験したことがあるのだろうか。 「気、持ち、いい…け、どっ…」 過ぎた快感はもう苦痛に近い。 「クッ、まだまだイけるだろう?」 「っな…ば、かぁっ…」 駄目だって!イッてるナカを、また刺激したら…。 「やぁっ、じんっ!もっ、死んじゃうっ…」 「ククッ、このくらいで死ぬものか」 クイッとナカで折り曲げられた指が、またもダイレクトに前立腺を押し潰した。 「ひぃあぁぁぁぁっ!あぁぁっ!」 俺は壊れてしまうかと思うほどの強い強い快感に、ビクンッと身を仰け反らせ、嬌声というよりはもう、悲鳴に近い絶叫を、迸らせた。

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