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第502話※

「っ…」 ピタリ、と蕾に火宮の先端を押し当てられて、期待にふるりと胸が震えた。 「っあ…」 ずぶり、と入り口をこじ開けて、火宮の熱が突き込まれる。 「ふ、あぁっ!」 ゆっくりと内の壁を擦られれば、ぞろりとナカが収縮したのが自分でも分かった。 「クッ、吸い付くように絡みついてきて…」 「あっ、あっ、やだ。取って。先に取ってぇっ」 びんと反り返った中心が、縛めにぎゅっと食い込んで痛かった。 「ククッ、まだだ」 「そんな。あぁっ」 けれどその鈍い痛みさえも、今は実は快感に変わっていて。 「ふっ、苦しいだけではないだろう?」 そうだよっ。そうだよ! 痛くて苦しいけど気持ちいいよ! ニヤリと笑う火宮が憎らしくて、ギッと睨みつけてやれば、更に愉しそうにクックッと喉を鳴らされた。 「んっ、あぁっ!」 「クッ、締まるッ…」 火宮がぎゅっと眉を寄せる。 ふふ、ざまあみろ。 一瞬優位に立った身体は、寸分違わず前立腺を擦り上げられて、すぐに敗北宣言をする羽目になった。 「あっ、あっ、やだ、それやだっ」 「ククッ、いい、の間違いだろう?」 ほら、と身体を揺さぶられ、俺はたまらず喉元を晒した。 「ひっ、ぁぁっ!あんっ、あぁんッ」 ギシギシとベッドが鳴く。 火宮の動きに合わせて、結合部からジュプジュプと水音が上がる。 「あっ、あっ、溶ける。溶けるッ…」 どこまでが俺で、どこからが火宮か。 荒く、激しく、そして愛おしく突き上げられ、触れ合った肌の境目さえ曖昧だ。 「あっ、あっ、火宮さっ…刃。じんっ」 混ざり合った汗すらもが愛おしく、滑る手で必死に目の前の身体にしがみつく。 「翼ッ…」 掻き抱くようにきつく抱き締め返されて、じんと痺れるようなその強さにさえも、歓びがぶわりと溢れた。 「あぁっ、じんっ…」 ハッ、ハッと上がる息が愛おしい。 「翼」 薄く細めた目が語る、愛しているの言葉が嬉しい。 「あぁっ、イく。もっ、イキた…」 ズブリと穿たれるナカが熱く蕩け、激しく強く出し入れされる熱が、気持ちよくてたまらなかった。 「ふっ、いいぞ。イけ」 シュルリと性器の縛めが解かれる。 「あっ、あっ、やだ、一緒に。一緒にイきたいっ…」 ぎゅぅ、と絶頂を堪え、ナカの火宮に絡みつこうと、蕾が締まる。 「クッ、持っていかれるッ…」 「刃。じん。じんっ」 ぼんやりと見上げた目の前の美貌が、泣けそうなほど美しく微笑んでいた。 「俺も保たん。同時にイくぞ」 「あっ、あっ、嬉し…」 ずくん、と一際深い突き上げにあって、俺は火宮にしがみついたまま、ビクビクッと身体を震わせた。 「ッ、はっ…くっ」 ビクッと小さく身を震わせた火宮が、ふわりと脱力していく。 「ふぁぁぁっ、じんー」 ドロドロに白濁が腹の間を汚したのと同時に、火宮もイッたんだとわかって、たまらない愛おしさが込み上げた。 「キスが、欲、し…」 ぎゅぅ、と引き寄せた頭を、火宮が笑う。 「俺もだ」 ストレートなおねだりに、ククッ、と喉を鳴らした火宮が、ゆっくりと美貌を近づけてきた。 「んっ、は…」 チュッ、チュッ、と啄むような可愛いキスから、徐々に深く、激しさを増す口付け。 ぬるりと舌を絡ませ合い、交換し合う唾液が口の端から溢れたところで、火宮がゆっくりと身体を起こした。 「愛している、翼」 タラーッと口の端から唾液を垂らし、馬鹿みたいにポケッとしたまま火宮を見上げる。 「っ!」 緩やかに目を細めた火宮の口元が、綺麗に綺麗に弧を描いていって…。 「愛している」 ふわっ、と花が綻ぶように煌めいて、泣きたくなるほどの歓びに胸が震えたたところで、スゥッと俺の意識は闇に溶けていった。

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