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第514話※

「んっ、あっ、あっ、ごめんなさい、許して…」 「ククッ、だんまりを決め込もうとしても無駄だ」 「あっ、やだ。やだ、火宮さっ…」 ぐにぐにと性器を揉まれながら、俺は涙をポロポロと零しながら首を振った。 「黙秘など許すか。答えろ、翼。このじわじわとパンツを濡らす液体はなんだ」 「っーー!」 ぐっと唇を噛んで、羞恥に耐える俺のお尻を、火宮がまた1つ、ペチンと叩いた。 「ひぁっ!」 「ククッ、自らココを俺の手に押し付けてきて」 「っ、違っ…」 あなたがお尻を叩くから! ただその反動で腰が前に逃げてしまっただけで。 「ほら、さっさと答えなければ、ココがもっと恥ずかしいことになるぞ」 「っ、あ、やん…」 それが一体どんな目なのか、分かりはしないけれど、どうせろくでもない。 俺は、羞恥を堪えてギュッと固く目を閉じた。 「翼?」 「っ…さ、先走り…っ、カウパー腺液…ですっ…」 カァァッ、と頬を熱くしながら、俺はえぐえぐとしゃくり上げながら答えた。 「ククッ、なんでそんなものが溢れるんだ?」 ニヤリとした火宮の顔は、見なくても分かった。 このどSっ! 「あなたにっ、触られて感じたからですっ!」 もうヤケだ。 半ば怒鳴るように吐き捨てた俺に、火宮の膝がユラユラと揺れた。 「ククッ、逆ギレか?さすが、おまえは飽きさせない」 「うぁっ?ひぁぁっ!」 笑い声と同時に、ひょいと抱き起こされたかと思ったら、今度は背中を火宮に預ける形でその膝の上に座らされた。 しかも悪戯な火宮の手が、サーフパンツの前から中に入ってきたではないか。 「あっ、あぁっ、火宮さんっ」 直に性器を握られて、俺は焦って火宮の腕を掴んだ。 「こら、邪魔をするな」 「だって!あっ、あっ、駄目ですっ、嫌っ…」 ヌルヌルと、先走りを塗り広げるように擦られて、俺は身悶えながら、必死で抵抗した。 「んぁぁんっ、あんッ…」 やばい。気持ちいい。もう声が止まらない。 「ククッ、そんな大声を上げると、耳を塞いでいるそいつらにも聞こえるぞ」 「んぁぁっ、やぁっ、だって…」 堪え切れないものはしょうがない。 火宮の言葉にチラリと横目で見た部下さんたちは、何故か俯きがちに、もじもじと足を擦り合わせている。 「おまえたち、翼の声をズリネタにでもしてみろよ?」 殺す、と、嘘とも本気ともつかない声で囁く火宮に、部下さんたちの背中がピンと緊張した。 「あっ、ばか…」 火宮もだけど、部下さんたち。 その態度じゃぁまるで、俺の声もしっかり聞こえていますと暴露しているようなものだ。 「クッ、やはり聞いていたな?」 「ッ」 「ひっ」 「いいえっ、決して!」 あーぁ、だから馬鹿だって…。 火宮の言葉にそんな風に答えたら、耳をちゃんと塞いでいないのがバレバレなんだってば。 だけどつまりはそれって、これまでの俺の恥ずかしい声を聞いていたってことで。 「っ…」 もっ、本当、やだ。 部下さんたちもお仕置きされちゃえ、と恨みがましく涙目を向けた俺は…。 「こら、余所見をするな」 「ひぁっ、あぁぁっ!んあぁっ」 きゅぅ、と強めに竿を握られ、グリグリと先っぽを親指で擦られて、堪らない快感に派手に叫ぶ羽目になった。

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