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第515話※
「あっ、あっ、火宮さんっ、刃っ!だめっ、も、だめっ」
そんな思い切った刺激を与えられたら、快楽に慣らされた俺の身体はもう保たない。
「ククッ、おまえたち、絶対に振り向くなよ?」
ズシリと、物理的な重力があるかと思うような重々しい声で告げた火宮に、部下さんたちが首をコクコクと縦に振った。
そうかと思ったら、ズルリとサーフパンツが膝まで下げられた。
「あっ、あぁんっ、じんっ、何を…」
「ククッ、こら、暴れるな」
「そんなこと言ったって!」
いきなり下半身を露出されて、抵抗しない方がどうかしている。
しかも、パーカータイプのラッシュガードのジッパーまで、ジーッと下されたのだから堪らない。
胸が完全に露出して、もうみっともないなんてものじゃない格好だ。
「っ…ゃ」
こんな野外で。いくら背を向けているとはいえ、部下さんたちが直ぐ側にいる前で。
「ククッ、いやらしい、いい格好だ、翼」
「っば…。やだ。嫌だ、火宮さんっ…」
必死で引き上げようとサーフパンツに伸ばした手は、火宮の手でバシッと振り払われてしまった。
「やだぁ…」
「クッ、じゃぁ何か?履いたまましてパンツが汚れてもいいのか?」
「っ…それは」
それで嫌だけれど。
「ククッ、分かったら諦めて大人しくしていろ」
そこで悪戯を止めるという選択肢はないものか。
だからといって、このすっかり昂らされてしまった身体で、今止められても辛いだけなのだけれど。
「ふっ、あぁぁっ、んっ」
つまりは結局は火宮の言う通り、諦めて身を委ねるしかないわけか。
「んっ、ふっ、あっ…」
クタリと抵抗をやめた俺の身体に気づいたのか、火宮が中心を弄る手を、ますます大胆に動かし始めた。
「あっ、あぁっ、だめっ、本当に、もうっ…」
いつの間にか、露出した胸にも手が滑り、グリグリと片方の乳首を刺激されていた。
「ククッ、おまえのいいところは知り尽くしている。遠慮せずに、イけ」
「あっ、あっ、イく。出ちゃうっ…」
俺は堪らず喉を晒す。
「あっ、あっ、あぁぁっ!」
荒く、激しく、あまりに気持ちよく。
性器を存分に愛撫され、俺はドクッと白濁を吹き上げた。
「あ、あぁぁ…」
「ククッ、上手に出せたな。可愛いぞ」
コソッと耳元で囁かれ、フッと吐息をかけられた俺は、ガバッとその耳を手で押さえて後ろを振り返って…。
「っーー!」
火宮がまるで見せつけるかのように、ペロリと俺が出した白濁を舐めたのを見つけてしまい、言葉もなく息を吸い込んだ。
ーーーバカ火宮ぁぁっ!
キッ、と睨んだ目は涙目になっているのは承知している。
火宮の膝の上から飛び降りた身体が、中途半端に下ろされたサーフパンツにもつれて転びそうになったのは必死に踏み止まる。
「ククッ、翼?」
どうした?なんて余裕綽々で、愉しげに揺れる火宮の声が憎らしい。
「っもう、知りませんっ!」
いくらお仕置きだからって、こんな恥ずかしいことを、こんな場所で。
カァァッ、と色んな意味で頬を熱くした俺は、もたもたとサーフパンツを引き上げて、ラッシュガードのジッパーを上げながら、海に向かって駆け出した。
「おい、翼?」
呼び止められたってもう知るか!
とにかく火宮の側から逃げ去りたい。
俺はサラサラと足を取られる砂浜の上をザクザクと進み、ザブンと海に駆け込んだ。
そのまま波を掻き分けて、ザブザブと、腰の辺りまで水がくる辺りまで歩いていく。
ヒヤリとした海水に、散々叩かれたお尻がピリッと沁みたことには気づかない振りをして、くるりと砂浜を振り返った俺は。
「っ!」
そりゃ、今更聞いてなかったとは思わないけどさ。
いかにも、「どうぞ、会長、お手を」なんて聞こえて来そうな仕草で、火宮の傍らに膝をつき、ティッシュを差し出している部下さんと。
遠目でも分かる。ニヤニヤと、心底愉しげに口元を緩めた火宮が、シレッとそのティッシュを受け取って、俺が出した白いモノを拭い取っている姿が見えてしまい…。
「っーー!もっ、本当、やだ…」
色々とたまらなくなって、ブクブクと、目だけが海面から出るところまでザップリと海に沈んだ。
じわりと目に浮かんだ液体は、ザパンと寄せた波の雫が入ったせいにしておこう。
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