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第521話※
「っ、俺の、ア、ナル…にっ」
カァァッと頬に熱が集まる。
耳までジンジンと熱くなった。
「刃の…」
「俺の?」
「刃の、ぺ、ペニスを…挿れっ」
あぁぁぁ、恥ずかしい。
きゅぅ、とバスルームの壁についた手の指先に力が入り、目からは涙がポロリと溢れ落ちた。
「ククッ、いやらしい言葉を言わされて感じているのか?」
淫乱、と囁かれながら、性器をきゅっと握られた。
「っ!」
それは固く芯を持ったまま、上を向いたままでいて。ゆっくりと形をなぞられれば、そのことを嫌というほど突きつけられる。
「やぁぁ、違う…」
「違わないだろう?ほら」
どM、と笑われる声に、ゾクゾクと腰が痺れる。
「ち、がう…」
イヤイヤと、首を左右に振って頭では否定するけれど、身体はますます熱くなり…。
「ククッ、ではこの音はなんだ。こちらもパクパクと物欲しそうに口を開けて」
クチュクチュと、先端から溢れ出した先走りを竿に塗り込められ、後ろの蕾は悪戯につつかれる。
「う、あぁぁんっ」
前と後ろの同時攻撃に、俺の身体は水揚げされた魚のようにビクビクと跳ねた。
「クッ、おまえのアナルに、俺のペニスが欲しいのか」
こそりと耳元に口を寄せられ、聴覚までもが犯される。
「っ、やだ…」
低く痺れるような色っぽい声で、その淫らな台詞をなぞらないで欲しい。
それすらもが快楽の刺激となって、波のように押し寄せる。
「っ、あぁんっ…火宮さんっ」
ゆらゆらと腰が勝手に揺れて、火宮の指先に蕾を押し付けるように下半身がくねった。
「ククッ、こんな扇情的な仕草を、どこで覚えた」
「あっ、あっ、火宮さん。刃。早く」
「クッ、それとも天然の痴態か」
たまらないな、と囁かれる言葉も、もうどこか遠い。
「あっ、あっ、欲しっ…お、俺のアナルに、刃のペニス、早くちょうだい」
あぁ、なんだか頭がふわふわして、もうわけが分からない。
ただただもう、後ろを貫かれる快感が欲しい。
片手を壁からスルリと離し、クイッと尻たぶを開いて蕾を見せつける。
「じん」
「クッ、おまえは、本当に。俺をどこまで夢中にさせれば気が済む」
「っ、あ、じんっ!」
ピトリと蕾に触れた火宮の性器の先端に、ゾクリと期待で胸が震えた。
「あっ、あっ、挿れて…」
早く、と強請るように腰を揺らした瞬間。
がしりと両側から尻を掴まれて、パンッ!と腰が打ち付けられた。
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