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第522話※
「ひっあぁぁっ!」
あまりにあっけなく、白濁がビシャッと目の前の壁に飛んだ。
「クッ、挿れた瞬間にイくとは。なんて可愛いことをしてくれる」
締まるッ、と息を上げて囁く火宮に、イッたばかりの身体がまたすぐに熱くなった。
「動くぞッ…」
「んっ、あぁっ、あっ、刃。じん」
ズルズルと内臓を持って行かれるような動きに腰を震わせれば、途端にまたパンッと奥まで穿たれる。
肌と肌がぶつかり合い、パンパンッと音を立てて打ち付けられる腰に、痺れるような快感が押し寄せた。
「あっ、あっ、じん、また。またイく…」
「クッ、翼」
壁についた両手がズルズルと滑り、お尻がこれでもかというほど後ろに突き出る。
両側から腰を掴む火宮の手がなければ、そのままクタリと床に崩れてしまいそうだ。
「あっ、あっ、刃。気持ちいい。もっ、イく。またイく…」
快感にグズグズに蕩け、身体に力が入らない。
「ククッ、いいぞ。イけ」
「あっ、あっ、刃。じんーっ!」
2度目の絶頂の予感に、喉を反らせて目を固く閉じる。
きゅぅ、と締まったナカで、火宮の形をリアルに感じた。
「あっ、あっ、イ、くッ…」
バスルームの壁に声が響き、反響したそれがぐわんぐわんと浴室内を満たしたところに…。
ガタタンッ、「うわっ、やべ…」
「っ?!え…?」
「チッ…」
ピュッと白濁を飛ばしながら、俺は混ざり込んだ異質な音に、ドキリと身を震わせた。
藍くん…?
まさか見られ…。
サッと血の気を引かせて、パッと後ろを振り返った俺を、火宮がきつく抱きしめてきた。
「ちょっ…」
「クッ、気を逸らすな。ほら」
「あっ、あぁっ!」
ユサッと腰を揺らされて、下からまたも突き上げられた俺は、思考どころじゃなくなった。
「あっ、刃。待って、待って…」
まだイッてる。
ビクビクと痙攣するナカを突かれるのは、気持ちいいけど少し辛い。
「ククッ、まだまだいけるだろう?」
「あっ、バカっ。まだっ、もうっ…」
ズルリと性器を引き抜かれ、ホゥッと息をついたところをまた穿たれる。
「ひぁぁっ!じんっ…」
ガクガクと震える足に力はもう入らず、俺は完全に火宮に身体を預けて、火宮に突き上げられるままただただ感じまくった。
「あっ、あっ、あぁぁーっ…」
これはもう一体何度目の絶頂か。
後ろから貫かれていたはずの身体は、いつの間にか対面になっていて、中心から飛び散る白濁は、もう随分と薄い。
「あぁぁ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、じん、もう…」
出ない…。
声がカラカラに掠れ、身体はもうグズグズだ。
縋るように火宮を見上げた俺に、ようやく火宮が口元を満足げに吊り上げた。
「ククッ、翼。これで最後だ」
「あっ、あっ、あぁぁぁーっ、あ、はぁっ…」
ズンッと一際強く激しく最奥を突かれ、俺はダラダラと薄まり切った白濁を零しながら、フッと意識を手放した。
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