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第575話※
「んっ、ふっ、んンッ…」
ジュルッ、ピチャッ、と音を立てて、わざといやらしく、取り出した火宮の性器を舐める。
「クッ、こうしていると、本当に犬みたいだな」
ニヤリ、と愉しげに笑う火宮は、まだまだ余裕そうで、なんかムカつく。
「んっ、あむ…っ、ん」
大きっ…。
表情や、言葉とは裏腹に、むくりと重量を増した火宮自身は、なんか嬉しかった。
「んんっ…」
もっともっと育ててやる。
ぐいと舌を突き出しツゥーッと裏筋を舐め上げる。
ピチャピチャと舐め濡らすのは性器の先端で、くぷ、と割れ目に舌を差し込めば、ビクリと火宮の性器が震えた。
「ふふ…」
見た目も味もグロテスクなのに、なんか可愛く見えるんだから、俺はどうかしている。
愛おしい、愛おしいと思いを込めてしゃぶってやれば、ますます大きく、火宮の性器が角度を増した。
「んっ…はっ」
あぁ、苦しい。
すっかり勃ち上がった火宮の性器は、もう口からはみ出して咥えきれない。
「んんっ…はぁっ」
ぼろんと溢れさせてしまった性器に、はぁはぁと息を上げれば、火宮の身体がクックッと愉悦に揺れた。
「終いか?」
「っ、ま、だ、まだ…」
この程度で音を上げてたまるか。
俺が仕掛けたこの悪戯、俺から引くのは癪に障る。
「ククッ、だがもう苦しいんだろう」
「ふぇっ…」
ニヤリ、と笑った火宮の足先が不意に動き、くにゅりと俺の中心を揉みしだかれた。
「あぁっ、やぁっ…」
なっ…こ、これは。
「ククッ、俺のをしゃぶりながら、自分もヨくなって」
「っ、な、違…」
「違う?嘘を吐くな。俺の淫らな翼犬?」
「っ…」
クニクニと軽く踏まれる俺の性器は、火宮の言葉を肯定するように、しっかり力を持って固くなっていた。
「まったく、可愛いな」
俺の翼、と囁く火宮の声が、ゾクリと腰を痺れさせる。
「もっと淫らに、もっと可愛くしてやろう」
「っは…?」
ニヤリ、と妖しく笑った火宮の口元が見えたと思った瞬間、サッと素早く後ろに手を伸ばしてきた火宮が、カチッとなにかのスイッチを触っていった。
「っあぁぁぁぁっ!」
途端にウ゛ィーン、とモーター音を響かせて、動き出したバイブに身が跳ねる。
「い、やっ…」
グリグリと、ナカのいいところを的確に責められて、俺はたまらず身悶えた。
「は、ぅっ、火宮さっ…」
駄目だ。嫌だ。イッちゃう。
ビクビクと震えた性器の先から、たらたらと先走りが滴り落ちる。
「ククッ、どうした?翼」
あぁっ、もう、どS。
そのブレない意地悪っぷりが、本当、あなたですよね。
「負、け、るか…」
ブブブブ、とナカを抉るバイブに身を震わせながら、俺はそれでも必死に火宮の性器を口に含みに行った。
「んっ…」
あぁ苦しい。けれど気持ちいい。
ぴちゃりと舌を伸ばした火宮の先から、じわりと苦い味がする。
「ぜ、った…先に、イかせ…っ、ンッ」
だぁっ!ずるい!
くしゃりと髪を撫でてきた、その労わるような手使いがズルすぎる。
思わず全身から力が抜けた。
ふにゃりと弛緩した身体に、強烈にナカをかき混ぜるバイブの刺激は、本当、凶器だ。
「あっ、あっ、あぁっ…」
駄目、イク、無理。
ダラダラと床を汚す先走りの量はもう半端なく、火宮を舐める口は唾液でベトベトだ。
「あっ、アッ…」
やっぱり駄目か。
火宮を食らおうとなんて牙を立てれば、逆にその牙ごと食らい尽くされるのがオチで。
「あっ、あぁぁぁっ!」
パァッ、と目の眩むような快感の中、ニヤリと勝ち誇る火宮の美貌が見えた。
「あぁ、あぁぁぁ…」
ベットリと床を汚した白濁が糸を引く。
「よくできました」なんて揶揄うように笑う火宮が、スッと俺の前にしゃがみ込み、ひょいと身体を掬い上げてくる。
「ふぁっ…?」
あぁ、この火宮を食おうだなんて、到底無理な話だった。
どこまでも余裕のその姿が、なんだか悔しいけど、どうしても格好いい。
「食、べて…」
「ん?」
「食べてください…」
火宮が食えないから、食われるのは俺だ。
カシャンと手錠の鎖を揺らして、ひょいっと火宮の首の後ろに回したそれで、グイッと火宮の顔を引き寄せる。
「ククッ、仕置き中のはずなんだが?」
「んっ、も、許して。俺は、誰がなんて言おうと、あなただけ」
薄く目を細めて、ちゅぅっと口づけた唇が、ゆっくりと愉悦を含んで弧を描く。
「ククッ、まったく、おまえはな」
「じんー」
ベロリと舐められた唇が、自然と火宮を受け入れ薄く開く。
「んっ…」
くちゅりと潜り込んできた舌が、ビクッと引き攣った俺の舌を絡め取り、ぬるりと互いの唾液を混ざり合わせた。
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