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第18話

んっ?あれ?俺…。 見慣れない天井が真っ先に視界に飛び込んできて、俺はぼんやりと首を巡らせた。 「えーと?昨日は火宮さんと最後までシて、それから?」 いつの間に眠ってしまったのか、その記憶がない。 「うっ…たぁ。まだなんか挟まってる感じするし…」 とりあえず起こそうとした身体が軋んだ。 腰が鈍く痛む。言葉にするのを憚れる場所には、かなりの違和感。 「あ。身体、綺麗にしてくれたんだ…」 自分の吐き出したもので汚した腹は、綺麗に清められていた。 「翼?目覚めたか」 「わ!火宮さんっ?お、はよう、ございます」 「おはよう」 リビングに続くドアから、不意に火宮が現れた。 今が何時なのかわからなかったが、どうやら俺の挨拶の言葉は正解だったらしい。 「ククッ。身体、辛いか?」 「あ、えーと、少し。でもそこまでは」 「そうか。まぁ初めてだし、大分加減してやったからな」 え!あれで?っていうか、この会話、なんか恥ずかしい。 「なんだその顔は」 「いえ…」 昨日のあれでも、俺にはかなり刺激的だったし、正直身体はだるい。 これで加減が入ってるって、本気になったら俺の身体はどうなっちゃうんだろうか。 「正直、身体の相性は悪くなかった。これからも性欲処理に使わせてもらおう」 「性欲処理…そう、ですね。お求めのままに」 そう。昨日は優しく抱かれたような気になったけど、本来俺の立ち位置は、ただの火宮の所有物。 昨日のセックスがただ特別だっただけ。 「クッ。不満か?」 「っ、いえ…でも、火宮さんって、Sですよね?」 昨日感じたことを、うっかり口にしていた。 「本当、おまえは面白いな」 「あ!や、すみませんっ」 「いや。まぁ、加虐嗜好の自覚はある。おまえにもこれから、俺の嗜好に付き合っていってもらうぞ」 妖しく光る火宮の瞳は、やっぱりゾクッとするような色気がある。 「ッ!」 「まぁそう怯えるな。ゆっくり慣らしていってやる」 それは感謝するところだろうか。 残念ながら、俺はMじゃない。 痛いことも怖いことも大の苦手だ。 「お手柔らかにお願いします」 立場上、拒絶を示すことはできない。 精一杯言える言葉を口にしたら、火宮が楽しそうにクックッと喉の奥を鳴らした。

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