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第46話※
「うっ…」
何てわざとらしいバスローブ姿なんだ。
火宮から立ち上る色気が半端ない。
「どうした?緊張してるのか?」
クックッと笑われて、膝の上で握っていた拳が震えた。
あーそうですよ。ベッドの上で正座して待っちゃうくらい緊張してますよ。
火宮が風呂から上がってくるのを待つ間、爆発しそうなほど心臓がうるさかった。
「っ、だって…」
「ククッ。もう処女でもあるまいに、初心なことで」
緩やかに細められる双眸から、妖しい色香が放たれる。
「ッ、ア…」
キシ、とベッドが軋んで、乗り上げてきた火宮が妖艶に微笑んだ。
「あ、の…っ」
そろりと動いた手を、火宮に向かって伸ばす。
指先まで震え切ってしまっていることを、火宮の目が笑っているような気がした。
「ん?なんだ、翼」
「そのっ…俺、が…」
夕食時、サービスと言われて、俺なりに必死に考えた。
「こ、こっちに…」
火宮をベッドヘッド側に導いて、俺はその目の前に跪いた。
「ほぉ?」
「ッ!あ、あのっ、初めてなので…」
下手でも怒らないで欲しい。
思い切って火宮のバスローブの前をはだけさせ、そこに現れたモノに視線を向けた。
予想通りというかなんというか、やっぱり下着は身につけておらず、通常サイズでも十分な質量が窺える火宮自身が見える。
「ンッ…」
そっと手をそわせてみたら、ゴクリと喉が鳴った。
「翼?」
中心を握ったまま、ジッと見つめてしまった俺を、揶揄うように見下ろしてくる双眸。
「ククッ、無理するな」
ガキ、と言われたような気がして、持ち前の負けん気が頭をもたげた。
「大丈夫ですっ、出来ますッ」
ギュッと固く目を瞑って、えぃやっと覚悟を決めて大きな性器に唇を寄せた。
「んぐ…ッ」
うわ、やっぱり大きい…。
半分は咥えられただろうか。
すでに喉の奥を突く先のおかげで息が苦しい。
「ふぁっ…ンッ」
歯が当たらないように気をつけながら、ペロリと舌を動かした。
「ククッ…くすぐったいぞ」
「ンー、ぁッ…」
わずかに大きさを増したものの、まだまだ下を向いたままの火宮の性器が悔しい。
余裕の笑い声まで降ってきて、ムカッと意地が湧き上がる。
「ンッ、ン、んァッ…」
えづきそうなのを我慢しながら、ペロペロ、ピチャピチャと懸命に舐める。
「ンッ…ふンッ、ンァ」
あ、ちょっと大きくなった。
グッとわずかに角度を増した性器に嬉しくなり、俺はそっと目を開けて上を見た。
「ほぉ、そんな顔もできるか」
細められた目が意地悪く俺を見下ろし、唇の端が楽しげに吊り上がる。
「ンッ…ふはッ…」
なっ、いきなり大きくするなっ。
ググッと膨れた火宮の性器が大き過ぎて、口に含みきれずに思わず吐き出してしまった。
「はぁっン…あ」
「フッ…」
再び、無理するな、と火宮の目が語っている気がした。
「ッ!出来るって言ってる!」
ムカつくー!絶対イかせてやるっ。
「翼、脱げ」
「え?」
「裸でやれ」
命令、か…。
理由も問わず、反論も挟まず、俺は素直にパジャマにしているトレーナーをバサッと脱ぎ捨てた。
ウエストがゴムの緩めのズボンも、下着ごと一気に取り去る。
躊躇ってしまうととてもできることじゃないから。
「ンッ…」
全裸を晒し、再び火宮の中心を握り込み、顔を寄せた。
角度も大きさも増した性器は口には入りきりそうもなく、仕方なく手で擦りながら、舌を伸ばしてペロペロと這わせる。
「フッ、いい眺めだ」
そそる、と囁かれ、ズクンと腰が痺れた。
「んっ…ゃ」
急に恥ずかしくなってきた。
「ククッ、犬みたいだな。いっそ尻尾でもつけてやるか?」
「ッ!いゃぁ…」
いきなり尻に伸びてきた火宮の手が、双丘の間に潜り込んだ。
「クッ、締めるな」
「っな…」
こんのどSッ!
じゃぁ触るな。っていうか、入れるなーっ。
うっかり歯を当ててしまいそうになって、俺はビクリと身を引いた。
「なんだ。もうお終いか?」
「っ…」
意地悪。
睨みつけた目は涙目になっていて、迫力なんかないことはわかっていた。
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