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第62話※

「ひっ、あぁぁっ!」 なに?! くぱぁと蕾を広げて押し込まれたモノが、ナカで止まる。 それほど深くはなく、火宮のものほど大きくもない何か。 「いやっ…え?っ、あぁっ!」 グリッといいポイントに違わず当たるそれに、身体がビクビクと跳ねた。 「フッ、気づいたか?」 「やっ…う、そ…、これっ、やだぁっ!」 中心が。締め付られて痛いだけじゃなかった。 これは、これは…。 「出、せなっ…いやぁぁっ!あぁぁっ…」 イケない。 「ククッ。挿れたのは、前立腺刺激に特化したバイブだ。どうだ、いいところを攻めてくれるだろう?」 「なっ、あぁぁっ…いァッ…」 射精感が高まるのに、リングのせいで出せないのに。 この状態でそんな道具、いいわけがない。 「しかも、動かせる」 「え…ッ!いやぁーッ!ひぁぁぁっ!」 火宮が何かした途端、ぐいんぐいんと、いい箇所を押すように揉むようにバイブが動き出した。 目が眩む。 頭が真っ白になり、出したい感覚だけが高まる。 「いっやぁぁっ!イキたいっ!出したいーッ!」 限界まで上り詰めた快感に、身悶え、涙が溢れる。 後ろの刺激が、肌を撫でる空気が、笑う火宮の吐息が、寄ってたかって俺の快感を責め立てる。 「イけばいい」 「やぁっ、出せなっ…イけなっ…」 「ククッ。パンパンだな」 「やぁぁ、お願っ…取って。これ取ってぇーっ」 リングが邪魔で射精ができない。 「お願っ、火宮さっ…もっ、イキたっ…気持ち、い…。や、ぁぁ」 ゾクゾクッとさらに快感が増した。 苦しいのに、それすら気持ちいいとか、なんで。 「催淫剤も吸収されているし、イけるだろうと思ったが…こうしてやるか」 「は、ぁっ…?ンッ、あーーっ!」 パァァッと目の前がスパークした。 中心に触れた震える何かはローターか。 バンドでそれが括り付けられた瞬間、何も考えられなくなった。 「ひ、っ。あぁぁーっ、あっ、あっ、イッ…?」 全身がガクガクと震えた。 床についていた手は身体を支える力をなくし、ガクンと上半身が崩れ落ちる。 「ッあぁぁっ!いやっ、なにっ、イッたっ…?いやぁッ!」 長く長く続く絶頂感。 リングのせいで射精はしていないのに、イッている。 ずっとイッている感じが止まらない。 「ひ、みや、さっ…助けっ…怖いッ」 「ククッ。ドライオーガズム」 「な、にっ…やぁっ、まだっ、まだイクッ…」 快感を超えた快感が次々に襲いくる。 気持ちよくて、苦しくて辛くて、でもそれがまた気持ちいい。 気持ち良すぎて、もうわけがわからない。 「あっ、あぁっ…んッ、アァッ!」 「ククッ。どうだ、空イキの味は。最高だろう?」 「ひぁっ、いぁぁっ、イク。またイクッ…」 止むことのない刺激と快感に犯される。 気持ちよくて、辛くて、でも気持ちよくて。このまま狂ってしまうんじゃないだろうか。 「フッ、まだまだイキ続けろ。もっと悶えて泣き叫べ」 「ふっ、あぁぁっ…いやぁぁっ」 助けて。苦しい…。 「あっ、またっ…やぁぁぁっ!」 もう何度目の絶頂だろうか。 目の前が真っ白に眩んで、パタリと身体が床に落ちた。

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