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第73話※
「っ、はっ…ひ、みやさっ…もっと、ゆっくり…っあぁッ!」
「くっ、多少強引な方が好きだろう?」
どM、と囁かれ、頭は否定するのに、身体は快感でゾクリと震える。
「俺はっ、Mじゃな…っあァッ」
風呂場の壁に手をつき、後ろから穿たれながら、俺は快楽の叫び声と涙をこぼした。
「ふっあぁ…んァッ…ンッ」
先に風呂に入っていいぞ、とあまりに綺麗な微笑みで見送られたときに疑うべきだった。
のんびり身体を洗っていたところに突然全裸で乱入してきたかと思ったら、あれよあれよという間に後ろを解され、立ったまま一気に貫かれた。
「やぁっ…こ、んなっ…」
塗られたボディーソープのせいか、流れ込んだシャワーのお湯か。
グチュグチュと後孔から上がる水音が恥ずかしい。
重ねて、堪え切れずに漏れる嬌声が反響しまくるからたまらない。
「いやっ…いやぁ…」
こんなの、優しくどころか、お仕置きとどこが変わるんだろう。
意地悪だし、恥ずかしいし、十分罰に近いじゃないか。
「ククッ、口では嫌と言いながら、いつも以上に締めつけてくるくせに」
「ひぃぁっ…そ、んな…あぁっ!」
弱い箇所をわざと突かれ、背中が仰け反る。
だって、感じちゃうんだから仕方ない。
「やっ…あぁっ、あンッ…んッ…」
「そんなに風呂場がいいか?それとも音か?体勢か?」
淫乱、と囁かれ、耳穴に舌を差し込まれて、ゾクゾクと快感が突き抜けた。
「やっ…あぁぁっ」
違う。
確かに場所や音のせいで、感度が増しているのもあるけれど。
「ンッ…あぁン…や、あぁぁ…」
気持ちが…。
心を寄せる相手にされるのは、こんなに感じるものなんだ。
「だ、って…」
しかも、今日は直接…なのだ。
いつも薄いゴム越しの火宮を、直に感じている。
「くっ…」
やばい、その艶っぽい声。
ズクンと腰を直撃した。
「っ、あ…もっ、イくっ…」
「まだだ」
「っ!やぁぁっ!離し、てっ…」
なんで。
絶頂直前で、根元をギュッと戒めてくるとか、何の嫌がらせだ。
「いやっ、いやぁっ!離してっ、火宮さんっ」
イキたい。イキたい。
さらに激しさを増した腰使いと、ナカのいいところを穿つ火宮の熱が、せき止められた欲望をいっそう煽り立てる。
「あぁぁっ、離して…出したいっ…」
パンパンと肌がぶつかり合う音が響き、奥まで強く穿たれる。
激しく揺さぶられながら、頭が真っ白に染まっていく。
出したい気持ちが高まり、中心を押さえている手が憎くてたまらない。
「もう少し…クッ」
「いやぁ…もっ、む、り、だからぁっ」
イかせて。
このどSッ!
「んっ…今日は、1度にしないと、おまえが辛い」
え?
やば。
そんなこと言われたら。
「っ、イク、って…」
途切れ途切れに呼吸を乱れさせた声も。
まるで気遣うような言葉も。
すべてが刺激となって、もう限界だ。
「お願っ…」
ズルッと手が滑り、足がガクガク震える。
火宮の支えがなければ完全に座り込んでいるだろう。
「火宮さっ…ンッ」
「ん、いいぞ、イけ」
ようやく与えられた許可の声と共に、ズッとさらに強く、奥まで深く穿たれ、同時に前を握っていた指が離れる。
その瞬間。
「っ、あぁぁっ!んッ、あぁーっ」
勢いよく白濁液が飛び散り、きゅぅっとナカを締め付けてしまった。
「っ、く…」
色っぽい掠れ声を耳元に感じたのと同時に、奥に火宮の熱い迸りを感じる。
「あ、あぁぁっ…」
ポロポロと頬を伝ったのは何の意味を持つ涙なのか。
ヒクッとしゃくりあげた瞬間、鼻の奥がツーンと痛んだ。
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