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第103話※

「ひゃっ、あぁぁっ!」 ドサリと押し倒されて、ギシリと乗り上げてきた火宮の、欲に濡れた瞳が俺を見下ろしている。 はだけられたバスローブの手前から、露わになった胸の突起をキュッとつままれ、背中がビクリと仰け反った。 「ククッ、翼」 「んっ、や、ぁぁっ」 右の飾りには悪戯な指先を、左には尖らせた舌先が与えられる。 ツンと立ち上がったソコをやんわりと噛まれ、ビリビリと痺れるような快感が湧き上がった。 「ふっ、胸を弄られて勃たせるようになったか。淫乱」 「あぁっ…やぁッ」 耳元に囁くように意地悪な台詞が吹き込まれ、それにすらゾクゾクと快感が湧く。 火宮が触れる全てが、吐息すらも、俺を煽る刺激となって、全身を性感帯に変えていく。 「んっ、やっ、あぁっ」 胸から腹へ、ツゥーッと滑っていった舌先が、へその窪みにツプンッと落ちる。 ゾワッとした快感が突き抜け、腰がヒクンッと浮いてしまった。 「やっ、そんな、とこ…」 「ククッ、おまえの身体はどこも甘い」 「っ、ばっ…」 馬鹿、と返そうとした言葉は、突然キュッと性器を握られたせいで、嬌声に消えた。 「ふ、あぁっ、んァッ」 「もうこんなに濡らして…」 「あっ、だ、って…」 気持ちいい。 久々に触れてくる手も、欲を含んで掠れた色っぽい声も、妖しく綻ぶ美貌も全て。 もっと触って、もっとその声を聞かせて、その目に俺を映して。 次から次へと要求が湧き上がり、俺はどんどん欲張りになっていく。 「クッ、潤滑剤がいらないな」 「んぁぁっ…」 クチュッと溢れた蜜を塗りたくるように手を上下され、ますます雫が溢れ出す。 「後ろまでグショグショだ。ん?」 「あぁ、言わないで…やぁ…」 「好きだろう?」 ククッと笑われ、ふいっと顔を背ければ、意地悪な囁き声と同時に耳穴を舐られる。 「んぁっ、あぁっ…」 やばい。気持ち良すぎておかしくなる。 「ひ、みや、さっ…」 「ふっ、翼」 ゆっくりと弧を描いた唇と、緩やかに細められた目の奥に、ギラリとした欲情が見えた。

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