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第117話※

「っ、ふっ…、ンッ、あッ…」 な、なんでこんな目に…。 浮気の仕置きと称され、全裸に剥かれた俺は、ベッドの上で1人、身悶えていた。 嫌がる身体を押さえつけられ、両胸につけられたニップルリング。 両膝の裏にそれぞれ腕を通され、足を掛けた状態で、真ん中で手枷によって拘束された両手。 まるで自分で両足を開くように持ち上げ、お尻を晒け出している格好なのが堪らなく恥ずかしい。 さらに最悪なのは、後ろに入れられた玩具の存在だ。 大小様々な大きさの玉が繋がった、アナルビーズなる代物で、後孔を犯されている。 「あっ、あっ…いやっ、やぁぁっ、ひ、みやっ、さっ…」 ヴーヴーという振動音が後ろから上がり、腰が勝手に揺れてしまう。 「ふぁっ…あぁっ、ンッ…や、ぁ、いやぁ…」 身悶える度に当たる場所が微妙に変わり、むず痒い快感が湧き上がる。 けれども前立腺はわざと外されていて、イくにイけない状態だ。 「もっ、やっ…。とっ、て…取ってぇ、火宮さんっ…」 イけるほどの快感はないのに、前は完全に勃ち上がっていて辛い。 もどかしくて、物足りなくて、俺の身体は自然とくねり、浅ましく快感を拾おうとする。 「お願っ…。ごめっ…ごめっ、なさっ…。もっ、許しっ…」 ひたすら許しを乞う声は、聞こえているはずの火宮に完全に無視されていた。 俺が悶えるベッドの端に腰掛け、仕事の資料だかなんだかを、黙ったままじっと眺めている。 「刃。刃、助けて…もっ、許してぇ…」 ヴヴヴヴと玩具が震え、蕾がひくつくのが分かった。 勃ち上がった性器からはポタポタと先走りが溢れ、腹を汚している。 「うぁぁっ、いやぁっ、やぁぁっ…お、願っ…ごめっ、なさ…」 目からはボロボロと涙が溢れ、飲み込み切れない唾液が頬を伝った。 「うぁぁ…いやぁっ、やぁっ…ふぇぇ」 チラッと足の間から見えた火宮は、無表情のままシラッと資料を読み進めている。 「あぁっ…刃っ、ジンっ」 泣いても叫んでも名を呼んでも、わずかの反応もしてくれない横顔が、これまた綺麗で腹が立つ。 俺だけこんな無機物に喘がされて…。 玩具なんかで犯されていることが悔しくて嫌で堪らない。 きっちり服を着たままの火宮の横で、裸でお尻の穴までみっともなく晒して、そこに玩具を咥えて喘いで。 揺れるお尻が、そこからピョコンと出ている玩具の先が、自分からも丸見えで視界すらも犯される。 「もっ、いやぁ…もっ、しないからっ…うわ、き、みたいなこと…しないからぁっ」 お願い、許して。 せめて何か反応して。 「ふぇっ、うぇっ、ぇっ…」 手が拘束されているせいで、流れる涙さえも拭えない。 「ジン…じんー」 やけに舌ったらずな呼び声が漏れた。 「フッ。反省したのか」 「っ!したっ!反省したっ」 やっと見てくれた。 やっと反応してくれた。 ホッとして嬉しくて、俺は必死で頷いた。 「ククッ、イけなかったか」 パサッと資料を手放した火宮が、組んでいた足を解いてゆっくりとこちらを向いた。 その手が、俺の足の間に伸びてくる。 「っ、はぅっ…あぁっ、いやぁっ」 ズッといきなり玩具を引かれ、ナカが擦られた刺激で目の前がチカチカした。 「ククッ、いいところを擦ってやる。これでイくか?」 ゆるりと弧を描いた目と口元が、酷く意地悪く愉悦に揺れる。 「いやっ…こんなの嫌っ…刃が、いいっ…刃しか嫌だっ…」 夢中で俺は何を口走っているのか。 「真鍋を誘ったその口は信用出来ないな。挿れてくれれば誰でもいいんじゃないのか?」 玩具でも、と意地悪く囁かれる声が、新たな涙を溢れさせた。 「いやぁ…ごめっ、なさいっ…刃だけ。刃だけだからっ…」 本当に本当。 火宮以外に抱かれるなんて吐き気がするし、玩具なんか虚しいだけだ。 「好き。好きっ、刃っ。刃だけっ…」 抱かれて嬉しいのも、本気で気持ちいいのも。 幸せなのも、満たされるのも。 「クックックッ、大分懲りたようだな」 「んっ!んっ!」 懲りた。本気で懲りた。 こんな惨めで無様なことは2度としたくない。 「じゃぁ仕置きは次で終わりにしてやるか」 「え…」 これで終わりに、じゃなくて、次? 「ひっ、あぁぁっ!」 ギリギリまで引き抜かれていたビーズが、ズブズブと一気に突き入れられた。 「さぁ答えろ、翼」 「なっ、に、あぁっ…」 「いくつだ」 「っ、あ、ンッ…え?」 何? 「今、おまえの中に入っている球の数だ」 「は…?」 そんなの分かるわけない! 「当てれば仕置きは終いだ。外せば…追加の罰だな」 クックックッと愉悦に喉を鳴らす火宮に、思わず憎しみすら湧いた。 このどSがぁぁぁっ! 「っ、分かる、わけ…っ」 「ちなみに回答放棄も仕置きだな」 あぁ、何で俺、こんなサディストが好きなんだろう。 だけど楽しそうに緩む顔を見て心が温かくなっちゃうんだからもうしょうがない。 「っ、ンッ…わかんない…ご、5個っ…」 もう当てずっぽう。 放棄するより、運良く当たるかもしれない賭けに出た。 その結果は…。 妖艶に笑った火宮の口が、まるでスローモーションのようにゆっくりと動いた。

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