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第126話※

「あっ、あぁっ!いやぁーっ…」 ビクビクッと仰け反った身体が、また絶頂を迎えたことを教えていた。 何度もバカと口走り、挙句にうっかり手が出た仕置きにと、あれからそのままホテルに連れてこられ、部屋に入ったその瞬間。 逆らう間もなく裸に剥かれた。 「クッ、そんなに気持ちがいいのか」 淫乱、と囁かれる声にさえ、ビクッと大袈裟に身体が悦びに震える。 ピシッ! 「ひぃぁっ…あぁンッ…」 ピリッと臀部に走った痛みさえ、今の俺には恐ろしいほどの快感でしかなかった。 「ククッ、尻を叩かれ、悦ぶとはな。一体何度イッたんだ?」 愉悦に唇の端を吊り上げて、床に四つん這いになった俺を見下ろす。 パシッとその手で弄ばれる鞭が、先ほどから何度振り下ろされたことだろう。 まったく何でそんなものの用意があるのか。 疑問は尽きないけれど。 その振るわれる鞭が、馬鹿みたいに気持ちいい。 「こ、んなのっ、びやく、のせいで…」 「ククッ、どうかな?」 「っ、俺は、Mじゃな…ひぁっ!」 スゥッと尻を撫でた鞭が、戯れるように臀部でピシリと跳ねた。 「ククッ、さっきからイキまくっていて、よく言う」 しかも空イキ。と笑う火宮は酷く意地悪だ。 「だって、リング…」 そう、俺の性器には、射精を阻むリングがはめられ、尻のナカには体温で溶けるとかいう媚薬入りのカプセルが押し込まれているのだ。 当然そんなものはとっくに溶けて、俺の身体に中身はすっかり吸収されている。 しかもそれに加えて、振動こそしていないものの、小型のローターまでもが仕込まれている。 「ふっ、苦痛のみに啼かせるのは俺の趣味じゃないからな。だからと言って、仕置きだ、甘いだけで済むはずもない」 パシッと再び鞭が踊って、俺は何度目かわからない絶頂に身体を震わせた。 「あっ、あっ、止まらなっ…」 ビクビクッと震える身体は、長い長い絶頂が尾を引く証。 身体を支える両腕がガクッと崩れた。 「飛ぶなよ?」 「嫌っ…もっ、いやぁ。許して…火宮さっ…」 ボロボロとこぼれた涙が、目の前の床を濡らした。 鞭本来の痛みはまるでない。 多分火宮がそのように振るっているんだろう。 嫌というほどの快感だけが、ただひたすらに与えられる。 「刃っ。じん…。もっ、許して…ごめっ、なさ…っ、馬鹿って何度も言って…ごめっ」 「ククッ、反省したか?」 「したぁっ…背中もっ、どついて…ごめ、なさ…」 限界。 鞭なんかで快楽に啼かされるのも、ドライでイかされ続けるのも。 「ククッ、いい顔だ」 鞭の柄の部分でクイッと顎を持ち上げられて、スンスンと鼻が鳴る。 くしゃくしゃになった泣き顔が、火宮の妖しく光る瞳に映っている。 ゾクッとするような色気を孕んだ火宮の表情は、獲物を甚振るサディスティックな欲情に揺れていて。 このどSがッ…。 口にしたが最後、それこそ今以上のどんな目に遭わされるか分かったものじゃない暴言。 心の中でそっと吐き捨て、表面では許しを乞うように見つめた火宮の顔。 それが、ゆっくりと頬を持ち上げ、愉悦に緩む。 「っ!」 「口ほどにものを言うその目」 っ…。 「本当におまえは、愉しませてくれる」 ククッ、と火宮の笑いが聞こえた瞬間、ピシッと、今日1番の鋭い痛みが、鞭で尻に与えられた。

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