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第153話※

「っ、あぁ…あッ」 「ん?どうした」 ニヤリと人の悪い笑みを浮かべて、愉悦に瞳を揺らしておいてよく言う。 身体を洗ってやるという名目の下、ボディーソープをつけた手で、わざといやらしい触り方をしているのはどこの誰だ。 「やめっ…そ、こ…ッ」 胸の突起を捏ねるように撫で回され、ヌルヌル滑るボディーソープの泡が、ゾクゾクと快感を焚き付ける。 勝手に背中が仰け反り、腰が捩れる。 「ククッ、手が不自由なおまえに代わって、洗ってやっているだけだろう?」 執拗に胸を弄り回して、平然とのたまう火宮はやっぱりどSだ。 まったくブレない。 「や、ぁぁ…もっ、い…他もっ、洗っ…」 とにかく胸への刺激から逃れたくて、カシャカシャと手枷の鎖を鳴らせば、クックッと愉しげな火宮の笑い声が返った。 「他?あぁ、こことか?」 「っ!」 「こっちもか」 サディスティックな笑みを浮かべながら、スルッと脇腹に滑った手にビクッと身体が跳ねる。 下っ腹に滑ったもう片方の手が、サワサワとその下の茂みを撫でる。 「イヤッ…火宮さっ…」 本当もう勘弁して。 キュッと握られた性器と、やわやわと揉むように掴まれた袋にガクッと力が抜けた。 「あぁぁ…いやぁ」 「ククッ、何が嫌だ」 「っ、意地悪…」 ウルッと目が潤んでしまった自覚はあった。 不自由な手で縋り付いた風呂場の壁が滑る。 「やぁ…火宮さんッ…」 立っていられない。 性器の刺激から逃れようと腰を引いたら、今度は突き出す形になってしまったお尻をつるりと撫でられた。 「ひぃゃぁっ!」 「ククッ、ここも、念入りに洗ってやらないとな」 「もっ…ばかぁ…」 ツプッと双丘の間に潜り込んできた指に、ますます力が抜ける。 ボディーソープの滑りを借りて、難なく2本の指を呑み込んでしまったのが分かった。 「ククッ、淫乱」 「ふぇっ、違う…」 クチュクチュと卑猥な音が上がり、浴室の壁に反響するのがたまらなくて、ポロポロと涙が溢れ出した。 「洗ってやっているだけなのに?」 「っ、あ…やぁっ…」 もうその建前はいいから。 どうせ最初からこうして意地悪して、愉しむつもりだったくせに。 「ククッ、しょうがないな」 「っ、な…」 「ふっ、ここだったな」 「ひっ、やぁぁっ」 クイッとナカで指が曲げられた瞬間、目の眩むような快感が突き抜けた。 わざと狙って前立腺とやらを責めた火宮のせいだ。 「いやっ、やぁっ…」 ガクガクと膝が震え、腰が勝手に揺れてしまった。 「もっ、やっ。もっ、やだ。イッちゃう…イッちゃうからぁっ」 「ククッ、いいぞ?」 「やだっ、やだぁ!」 俺だけ1人でなんて。 指だけで喘がされて、イかされるなんて。 「挿れ、て…。ひ、みやさん、も、一緒に…」 お願い、と小さく囁いて振り返ったら、グイッと足の間に膝が割り込んできた。 「ククッ、可愛いことを。誘い方が上手くなった」 「っ…そ、んな、の…」 「ふっ、翼。好きだ」 「っー!」 これって、背後からの壁ドンってやつ? 後ろから覆い被さるように身体を近づけ、俺の頭の真横には火宮の手。 耳元に近づけられた唇からは、色気全開の低い声が、全身に沁み渡るように囁かれる。 「っ、んアッ…」 熱い楔がズンッと一気にナカに突き立てられ、思わずその刺激でイッてしまった。 「ふぁぁあっ、んッ…」 「ククッ、挿れた瞬間にイクなど。なんて可愛いことをしてくれる」 「ひぃぁっ、やぁっ、あっ、あァッ」 パタパタと浴室の壁に飛び散った白濁が、タラリと垂れていく様が酷く淫らだ。 イッているのにもかかわらず、ナカを穿つ火宮の熱は、ズンズンと抽挿を繰り返す。 「あっ、あぁっ、待っ…んっアァッ」 気持ちよすぎて激しくて、目の前がチカチカと眩む。 耳の穴をねっとりと舐られ、その舌がツゥーッと首元に滑っていき、ゾクゾクと快感が駆け上がる。 「った!っあ、あァッ!」 ズキ、と痛んだ首は、火宮がそこに噛み付いたせいか。 キスマークというにはあまりに過激な、きっと歯型がくっきり付いただろう痛み。 嬉しくて、痺れるほどに気持ちよくて、涙がハラハラ溢れ出る。 「あっ、あっ、刃。じんー」 「ククッ、翼」 あぁ好きだ。 俺を呼ぶ低い声が。 ナカを穿つ激しい熱が。 上がる吐息に、むせ返るような色気を放つ火宮の匂いが。 全て、すべて。 「好きっ、刃。じん」 「ふっ、はっ…そんなに締めるな…」 持っていかれる。 囁く声まで色っぽくて、きゅうん、とナカがますます締まった。 「くっ…」 「好き。好きっ。俺はっ…俺のぜんぶは、刃の、ものっ…」 「ん、ッ、くそ…」 ハッと乱れる火宮の呼吸から、余裕が消えたのがやけに嬉しい。 「刃だけ。刃にならっ、全部あげる。だから、ちょ、だい?」 「っ、翼」 「吐息1つも…血の一滴までも…刃のぜんぶを、愛してる」 必死で振り返って、必死で微笑んだ。 「ッ!クソッ…」 ぎゅっと眉を寄せた火宮が、グイッと俺の片足を持ち上げて、ナカを穿ったままぐるんと身体を返した。 「ひぃぁっ…」 向かい合って抱きしめられ、枷のついたままの手を、火宮の首の後ろに掛ける。 「刃っ…」 「ッ…」 噛み付くように与えられたキスと、ますます激しさを増した火宮の律動。 苛烈な刺激と鮮やかな快感が身体を満たす。 「イ、クッ…」 上り詰めた絶頂から、2人揃って飛び降りる。 「くっ…」 ズクンと震えた火宮の熱と同時に、飛び出した白濁が互いの腹の間を汚す。 きゅうっ、と締まった後孔が、愛しい人の熱に食いついて。 堕ちる! ガクンと力の抜けた身体を、ガシッと逞しい火宮の腕が抱き止めた。 「刃」 へにゃりと頬が緩んでしまい、ぶら下がるみたいに枷に体重を掛けてしまう。 「刃…」 好き。 ふわっと笑って見せたのを最後に、スゥッと意識が遠ざかった。

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