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第189話※
「うん。俺にしては頑張った」
火宮を浴室に見送り、寝室にやって来た俺は、ベッドの上にちまっと正座をして、ドキドキと跳ね上がる鼓動を宥めていた。
「あんな笑うことないしー」
震えた火宮の肩を思い出してムッとする。
「今日は見てろよー」
後ろ、よーし。
ローション、よーし。
手順…は、も、もいっかいおさらいしておこうかな…。
お風呂でちゃんと綺麗にしてきた後ろと、少し自分で解してきたことは褒めてやりたい。
目の前にはしっかりローションのボトルを用意しているし、バスローブの中はしっかり裸だ。
準備は万端、覚悟も決まっている。
だけど上手く出来るかの自信が足りなくて、緊張してしまう。
「すぅー、はぁー、すぅー、はぁー」
少し心を落ち着けようと、深呼吸を繰り返していたら、ガチャリと不意に寝室のドアが開いた。
「っ!」
うわー、分かっていたけどバスローブ。
濡れた髪がハラリと額に落ちた、壮絶な色気を纏う火宮のお出ましだった。
「クックックッ、本当、おまえはな」
う…。
何?笑われたのは、正座か、その前にあからさまに置かれたローションか。
「次から次へと、飽きさせないな」
「え…?」
どういう意味だろう。
よく分からなくて首を倒す。
「ふっ、まぁいい。それで?」
ククッ、と笑っている火宮は、今日は俺が主導したいってことに気がついているのか。
愉しげに目を揺らしたまま、一向に仕掛けてくる気配がない。
「っ、あ、の…こっちに、来てください」
とりあえず、ベッドの上に誘ってみる。
「ククッ、仰せのままに」
う。この人、完全にふざけてる。
しかも相当ナメてるな。
「俺だって!」
火宮を絶対に悦ばせてやる!
「ククッ、男前だな。楽しみだ」
スルリとベッドに乗って来た火宮を、ベッドベッドに寄りかからせて座らせる。
こういうのは勢いだ!と思って、バッとはだけさせたバスローブの中から、想像通りの裸体が現れて、ゴクリと喉が鳴った。
「っ…」
恐る恐る手を伸ばした火宮の性器は、まだまったく反応なしの普通の状態だ。
それでもこの大きさ…。
そろりと握って、ゆるゆると手を前後に動かしたら、ククッと上から笑い声が落ちてきた。
「おまえがこう積極的なだけで、クるな」
「っば…」
何を言ってるんだか。
そう言いながら、反応してこない中心は見えている。
「ん?翼?」
スゥ、と目を細めて見てくるその顔、反則。
ドキリと色気に当てられてしまった俺の身体の方が熱くなる。
「っ…」
えぃや、と勢いをつけて、俺はまだまだ柔らかい火宮の性器を口に含んだ。
「んっ…は、っ…」
あぁ、大きい。
口をいっぱい開けて、はむはむと性器を咥える。
じわぁ、と唾液が湧いて、這わせた舌で塗りつけたら、むくりとわずかに硬くなった。
「んっ…ん、ふ…」
嬉しい。
けれど、チラリと見上げた火宮の顔は、まだまだ余裕でニヤリと俺を見下ろしていて。
「んんっ…は、ふ、ンッ…」
もっと、もっと。
俺に感じて。
俺はいつしか夢中になって、口の中の火宮を育てることに熱中した。
「んっ…」
むくりと火宮が角度を持ち始める。
なんだか後ろがムズムズしてきた。
「ん、あ…」
片手を性器からそろりと離し、自分のバスローブの裾を捲る。
そぉっとお尻に伸ばした指先を、割れ目に沿わせて差し入れた。
「んんっ…は、っ、あッ」
恐々と触れた蕾が、キュッと締まって手が震える。
「クッ、濡らさないつもりか?」
「え…?あ」
そうだ、ローション。
なんのために用意してあったのか。
乾いたままの指を入れようとした自分が恐ろしい。
「ククッ…」
「っ!ぷは…い、今使おうと思ってたところですからね!」
余裕がないのが俺だけみたいで悔しい。
火宮は冷静に状況が見えている。
いったん性器から口を離して、俺は自分の手にたっぷりとローションを取った。
「んっ…はむ。…ん、あッ」
口には火宮の力を持ち始めた性器をいっぱいに含み、今度こそ、後ろには指を差し入れる。
ローションの助けを借りて、ツプンと容易く第2関節くらいまでが一気にナカに埋まった。
「あ、ぅ、あぁ…」
やばい。
後ろをクチュクチュと弄る指が気持ち悪い。
ましてやそれが、自分の意志で動くものだと思うと、もう嫌悪感しか湧かない。
「んっ…」
なるべく後ろは機械的に解すだけにして、火宮の性器を舐める舌に意識を集中する。
「ふっ、これは中々…」
「ん、ぁ?」
ゾクンッ。
やばい、何その欲情に揺れた顔。
「あ、はっ…んっ…」
たらー、と唾液が唇の端から伝って、火宮の性器が口に含み切れないほど大きくなっていることに気がついた。
「ククッ、自分で後ろを弄りながら、俺のものをしゃぶる姿は…さすがにそそる」
「っ…」
言わないで。
自分のそんな姿を想像したからたまらない。
「見、ないで…」
「ククッ、無茶言うな。こんなに可愛い姿を堪能しなくてどうする」
「かわっ…」
このヘンタイ!
悦びに揺れる声が耳をくすぐる。
「ン…」
あ、大きくなった。
感じるポイントでも舐めたんだろうか。
夢中すぎてそれがどこかは分からないし、口も後ろも必死過ぎて余裕がない。
「ふ、ぅンッ…」
鼻にかかった声が恥ずかしい。
だけど火宮が嬉しそうに腰を揺らすから、なんだか俺の方まで嬉しくなった。
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