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第190話※

「ふっ、はっ…」 もういいかな…。 後ろを出入りする指は3本にまでなったし。 火宮の性器もしっかり硬く、上を向いてヌラヌラと光っている。 「んっ…」 手と口を離して身体を起こしながら、俺はスルリとバスローブを脱ぎ去った。 「ほぉ…」 「っ…」 感嘆の声を上げた火宮がどこを見ているのかは一目瞭然だった。 火宮のを舐めながら、自分で後ろを弄ったそれだけで、俺の中心もしっかり大きくなっている。 「あ、まり、見ないで下さい…」 「ククッ、綺麗だ、翼」 「っ!」 手出しをして来ない代わりに、そんなリップサービスはずるい。 お世辞だと分かっていたって嬉しくなる。 「もっ、黙って…」 こんなとき、火宮ならばどうするか。 もちろん「黙れ」の言葉の代わりに、うるさい口は唇で塞ぐ。 「んっ…」 自ら仕掛ける深いキス。 少しは気持ちいいと思ってくれているのだろうか。 俺の舌の動きに沿って、応えてくれる舌が嬉しい。 「んっ…ふ…」 ゆっくりキスを深めながら、火宮の身体に乗り上げ跨る。 「ん…」 キスの余韻で喘ぐ呼吸を整えながら、俺はそっと火宮の性器に手を添わせた。 「い、れ、ますよ…?」 「あぁ」 ふわりと和んだ火宮の目にドキッとなる。 俺の尻の下には凶器をそそり立たせていながら、優しく見守るようなその顔のギャップがやばい。 「んっ…」 覚悟を決めて、蕾に熱をあてがって、ゆっくり腰を落としていく。 「ん、あ、あ、あぁ…」 切っ先をヌプと誘い込み、そのままズブズブと楔をナカに沈めていく。 いい場所を掠めながら、ナカの壁を擦っていく火宮が熱い。 「っ、あ、溶け、る…」 ナカをギチギチに満たす熱が気持ちいい。 そこから身体がグズグズに溶けていきそうだ。 「っ、はっ…」 正直、苦しい。 だけど嬉しい。 俺のナカに火宮がいる。 「んんっ…」 ゆっくりとした俺の行為に焦れることなく、火宮は微笑んだまま俺を見ている。 「っ、はっ。入った…」 ズッと落としたお尻が、ペタンと火宮の肌についた。 「はぁっ、はぁっ…」 動かなきゃ、という頭はあるけど、すでにいっぱいいっぱいで行動に移せない。 火宮は黙って俺を見たまま、まったく余裕の表情だ。 「っ…少し、くらい、乱れてくれ、ても…」 瞳には確かに欲情が見えている。 ナカの熱だって十分硬くて熱い。 だけど綺麗な顔はまったく歪む気配もなく、うっかり欲望に呑まれる様子もない。 「っ…覚悟…して下さい、よ…」 俺だってやるときはやる。 マグロだなんて言わせない。 「っ、はっ…」 やば…。 火宮の胸に手をついて、恐る恐る上げた腰をストンと落としたら、思いの他奥の方まで突かれてしまい、ゾクゾクッと自分の方が感じてしまった。 「っ、あ、ンッ…はっ、はっ…」 一生懸命腰を振り、上下に動いて抜き挿しを繰り返す。 ググッとナカで膨らんだ性器を感じ、火宮も感じてくれているんだと思うと嬉しくなる。 「はっ、あっ、刃。じん…」 あぁ、ナカが擦れて気持ちいい。 時々、ギュッと寄せられる火宮の眉にざまあみろ、って言ってやりたくなる。 足は怠くて息は苦しいけど、そんな表情が見られるんじゃ頑張っちゃうか。 「んっ、はっ、あっ…あぁっ…」 あ、ここ、前立腺だ…。 たまたま先っぽがいいところを擦っていって、俺の前からタラタラと先走りが溢れた。 「あ、だめ…」 先にイッちゃう。 火宮はまだまだ余裕が残っていそうなのに。 「やっ、あっ、あぁっ…」 動きをかえて、絶頂を堪えてやり過ごそうとするけれど、1度感じた快感は収まりそうもない。 「あっ、はっ、はっ…」 駄目だ。もうこれ以上は動けない。 ズプンと奥まで咥え込んだところで、俺は困って動きを止めた。 「ククッ、限界か?」 「っ、ま、だ、し、ます…」 だって火宮をイかせたいのに。 「ククッ、ここは今にも弾けそうだぞ」 「っ、触っ…」 触ったら駄目だって。 「ふっ、こうして翼に押し倒されるのも中々いいが…そろそろ形成逆転させて貰おうか?」 「っな…」 やだ。 せっかく俺が、火宮を悦ばせたいと思ったのに。 「クッ、散々のおまえの痴態に煽られて、俺もそろそろ限界だぞ?こんなに色っぽい姿を見せられて、我慢できるわけがないだろう?」 ユサッ、と下から突き上げられて、俺は思わず仰け反った。 「ひぁぁっ…」 「ククッ、もう大人しくヤられているのは終いだ、覚悟しろ」 え…。 ヤられてるって。それはつまり…。 「俺…ちゃんと悦ばせ、られて、た…?」 「ククッ、上等だ」 「あぁっ…」 ギラッと光った欲望に濡れる瞳と、サディスティックに吊り上がった火宮の唇。 細められた目にスッと見つめられ…。 「わぁっ…」 気づけばグルンと位置が入れ替わり、ポスンとベッドに背中が埋まったと思った瞬間、ズッと激しく腰を打ち付けられていた。

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