300 / 719

第300話※

「んっ、くっ…」 火宮の上に乗り上がったはいいが、蕾に押し当てた火宮の先端が、ニュルッ、ヌルッと割れ目を滑ってしまい、なかなか入らない。 チラリと見下ろした火宮は、拘束された手を胸の上に置いて、ニヤニヤと下から俺を眺めていた。 「っ…」 くっそう…。 そりゃ、縛り上げたからには、手助けしてくれとは乞わないけれど。余裕をかまして観察されているのもムカつく。 「っーー」 やってやるし。 硬く上を向いた火宮を握って、滑らないように位置を調整する。 「んっ、んンッ…」 ゆっくりと落とした腰に、ビリッと痺れるような快感が湧いた。 入っ、た…先っぽだけだけど…。 ググッと蕾が広がる感じがして、背中が知らずのうちに仰け反る。 「んっ、く…」 苦し…。 ズズッ、ズブ、と襞を擦り、ナカを掻き分けて進む熱の圧迫感がすごい。 「ふっ、あっ、火宮さっ…火宮さんっ」 あぁぁ、入ってくる。 いつもより深い…。 突き上げられているわけでもないのに、自分の体重で、奥まで穿たれる感覚が少し怖い。 「んっ、あぁっ、はぁっんッ」 それでも思い切って腰を落としたら、パチュンッ、とお尻が肌についた。 「っぁ、んっ…入っ、た…」 ゼィゼィと息を上げながらも、どうだ、と火宮を見下ろしてやる。 「ふっ…」 「んな…」 少しは悔しがってくれるかと思った火宮は、馬鹿みたいに蕩けた甘い甘い目をしていた。 「っ…バカ」 きゅぅん、と下腹部が震え、ナカがぎゅぅっ、と締まる。 火宮の形をはっきりと感じて、ゾクゾクと背中を快感が駆け上がった。 「クッ、それはクるな」 無意識だし! 意図的に締めたわけじゃないナカを悦ばれても。 だけどギラリと欲情を光らせた瞳が嬉しい。 「ほら、それから?」 火宮を全部飲み込んだだけで止まっていた俺の身体を、ゆさっ、と下から突き上げてくる腰が憎い。 「余裕、な、のっ、ずるい…」 ひぃん、悔しいけど、もういっぱいいっぱいだよ。 だけど火宮は一瞬揺さぶっただけで、また何も動いてくれそうもない。 「翼?」 「っ、いま、動き…」 そっと腰を上げていけば、ズズッと音がしそうな感じに、楔が抜けていく。 「っ、あ…。んっ」 抜け切る、という寸前に、またストンと腰を落とせば、ズプッと奥の奥まで切っ先が届いて、ビリビリと全身に電撃が走った。 「ひぃぁっ…あぁっ、あんっ、あッ」 やばい。 気持ちいい…。 ナカを、奥を、擦って穿つ火宮の性器にきゅんきゅんと内壁が絡みつく。 もっと、もっとと欲深く振り立てる腰は、もう理性では止まらない。 「あっ、あっ、火宮さっ…刃。じん、きもち…」 足を突っ張り、腰を浮かせては落とし、ズンズンと火宮の上で跳ねる。 「クッ…」 あぁ眉を寄せたその顔。 少しは感じてくれているみたいだ。 ググッと、勢いを増すナカの性器に、うっとりと悦びが浮かぶ。 「お、れ、もっ、あな、たを…」 気持ちよくできるんだから。 無抵抗にされるがままになっている火宮というのも、なんだかたまらない。 「俺にもっ、Sっ気が、あった、か、な…」 両手を縛られて、俺に犯されているみたいに下にいる火宮の姿に、ゾクゾクする。 「ククッ、翼、顔を寄越せ」 「なっ、に…?」 腰を振るので精一杯なんだけど。 「キスを、させろ」 きゅんっ、と締まった後ろで、火宮の腰がピクンと跳ねる。 「ふっ、ぁ…わか、んな…刃、じんっ」 「クッ、この光景も眼福だが…足りないな」 ニヤリ、と笑った火宮が、ぐっと腹筋を使って起き上がる。 「んな…」 ペロリと舌なめずりをした火宮の顔が、完全に雄のものになっている。 「っ…」 放出される野生的な色気に、ゾクゾクッと下腹部の奥が震えた。 「どうせ上で踊ってくれるのならば、もっと…」 なっーー! ハラリと解けたネクタイは、どんな手品だ。 今日は俺がするはずだったのに。 ガシッと掴まれた腰を、目一杯持ち上げられて…。 「ひぃぁぁっ!」 派手に落とされたのと同時に、下からも突かれ、さらには深いキスまで与えられて、たまらず中心からは白濁が飛び散った。

ともだちにシェアしよう!