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第301話※

「あっ、あぁぁっ、ず、るい…」 俺ばっかり、結局先にイかされちゃった。 火宮の腹の上を汚した白濁を、呆然と見下ろす。 ナカの火宮はまた硬く熱いままで、達していないことが伺える。 「ククッ、きゅうきゅうと絡みついてくる。ほら」 「あっ、あっ、イッたのにっ、揺ら、さな…で」 ゾクゾクと這い上がるこの感覚は、再びの確かな快感だ。 「ふっぁ…またっ、またぁ…」 達したばかりの性器がムクリと起き上がり、ナカがキュンキュンと火宮を締め付ける。 「ふっ、おまえに縛られ、され放題なのも、面白かったぞ」 あー、そうですか。 結局そうやって余裕ぶちかましてたんだよね。 こっちは必死だったっていうのに、結局こうして形成逆転しているし、いつ主導権を握り返してやろうかと、虎視眈々とタイミングを狙っていたんでしょ。 「ネクタイだって、解けちゃうし…」 「ククッ、縄抜けスキルくらい持っている。次からは手錠にでもするんだな」 ニヤリと頬を持ち上げた火宮は、やっぱりどこまでも火宮様で。 「あっ、んっ…あぁっ」 自由になってしまった手が胸の飾りに伸びてきて、キュッとそこを摘まれれば、たまらず背中が仰け反った。 「ふぁっ、あっ、あんっ…」 しっとりと肌に吸い付くような手のひらが、全身を撫で回す。 まるでさっきまでの触れ合い不足の埋め合わせをするように。 「ククッ、でもやはり、こうして触れられる方がいい」 「っーー!」 ずるい…。 そういう殺し文句をサラリと言うところとか。 ズクンと疼いたナカが、キュンキュンと収縮し、もっともっとと腰が揺れた。 「クッ…くそ」 無意識に煽りやがって、と呟かれた声が遠くに聞こえ、気づけばドサッと背中がソファに沈んでいた。 「あっ?あっ、あぁっ!」 天井からの光に逆光になった火宮の顔が、ギラリと欲に濡れ、妖しく弧を描いた漆黒の瞳が俺を射すくめている。 「ふっ、やはりこちらがしっくりくる」 「あっ、あんっ、あぁっ…」 悔しいけど、同感。 ガンガンと揺さぶられる身体が、先ほどよりずっと深い快感を得る。 「あっ、あっ、火宮さっ、好き。大好き…」 掻き抱くように伸ばした手で、火宮の背中にギリギリと爪痕を残す。 火宮が触れているところすべてに、ビリッ、ビリッと痺れるような快楽を感じる。 「あっ、ナカ、そこっ…」 ハラリと乱れた前髪が、頬を擽るのさえ気持ちがいい。 「クッ、翼…」 「あっ、あっ、奥っ、だめっ、またイク。イっちゃうーっ」 ぶわっとむせ返るような、甘い甘い香り。 火宮の欲情と、俺のすべてを喰らい尽くすかのような深い熱に満たされて。 「あっ、あっ、じんーっ!」 パンパンと肌がぶつかり合う音が響き、ズチュ、ズチュッと激しさを増した水音が響き渡る。 「あっ、あぁっ、イクッ…」 チカチカと目の前が眩んで、たまらず火宮の身体にギリギリと爪を立てた瞬間。 「あっ、あぁぁぁーっ!」 「クッ、翼ッ…」 ピュッ、と俺の中心が白濁を吹き上げたのと、ナカでドクッと脈打った火宮が絶頂を迎えたのは、同時だった。 「はぁっ、はぁっ、はぁっ、やばい…」 「ククッ、どうした」 「あは、あはは。死ぬほど気持ちよかった…」 へにゃん、と頬が緩んでしまった瞬間、火宮の目が軽く見開かれて、ふわぁぁっ、と花が綻ぶように幸せそうに、その唇が弧を描いた。

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