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第4話

「メリークリスマス! プレゼント、気に入ってくれるといいけど」 「ありがとう、和己くん。開けてもいいかな」  赤と緑の包み紙を開けた律は、満足そうな顔をした。 (成功だ!)  律に贈ったのは、シンプルなデザインの腕時計。  店を廻り、ネットで探し、ようやく見つけた、彼にふさわしいと思われる逸品だった。 「これは……」 「うん!」 「時間という概念を贈ってもらえた、と考えてもいいのかな。和己くんの持てる時間全てを、この僕に捧げます、という意味なのかな」 「そ、そこまでは……」 「なんだ。違うのか」  なぜだ。  律の眼鏡にかなうプレゼントを贈っておきながら、なぜこんな敗北感を味わわなくてはならないんだ! 「じゃあ、今度は僕から和己くんへ」  そう言って律は、白い包みを取り出した。 「今年もお世話になりました」  律の手渡してきた白い箱には、熨斗(のし)が掛けてある。  そして『お歳暮』と墨で書かれていた。 「律、今日は何日だ?」 「12月24日だよ」 「クリスマス・イブだよな」 「世間一般では、そうだね」

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