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第5話
どうしてクリスマス・イブに恋人に贈る品が『お歳暮』なんだ!
それには律は、飄々と応えてきた。
「こうして顔を合わせる日が、たまたま24日だった。それだけだろぅ?」
「たまたまじゃない。24日だから、会ったんだ」
「どっちでも構わないよ。それより、開けてみて」
「う……」
釈然としないものもあったが、律が俺に何をくれるのかは気になる。
白い箱を和己が大切に開けてみると、中からは白いマフラーが出てきた。
「おぉ、すげえ!」
目の細かなマフラーは手触り抜群で、和己はさっそく首に巻いてみた。
「似合うかな」
「まあまあだね」
今から食事なので、汚すのは嫌だ。
和己はいったん首からマフラーを外した。
丁寧にたたんで箱に戻していると、端に目立たないように水色の毛糸で何か編み込んである。
「『K・O』もしかして、俺のイニシャルか?」
「そうかもね」
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