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第7話
クリスマスは過ぎ、そろそろ年末まっしぐらという頃、和己は律を呼び出した。
「こんな人気のないところに。何の悪だくみを考えているのかな」
「わ、悪だくみだなんて」
俺は、お歳暮のお返しをしたいだけだ、と和己は白い箱を取り出した。
30㎝×30㎝×30㎝、上部には腕が一本入る位の穴が空けてある。
「くじ引き?」
「そうだ。律が引いたくじ通りのものを、俺からお歳暮として差し上げる」
「何で、そんな手の込んだことを」
「な、なんかワクワクしないか? カニとかも入ってるんだぜ!」
まあいいや、と律は白い箱の中に腕を入れた。
4つ折りにされた紙を取り出し、開いてみると。
『けだもののように犯される』
「……何これ」
「いやぁ~、ソレを引いちゃったか~」
「僕が和己くんを、けだもののように犯していい、って事だよね」
「違う違う! 逆だ!」
いつも、けだもののように犯しているくせに、と律は人聞きの悪いことを呟いている。
「和己くん、蟹も入ってるっていったよね」
「あ、ああ」
「箱の中身、全部見せて」
「そっそれは」
「いいから見せて」
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