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第16話
「何でだよ」
「和己くんの手、べたべただよ?」
はッ!
そういえば、律の飛ばした精で服もどろどろだ。
「ど、どうすれば!」
とりあえず、僕が近くのコンビニでウェットティッシュとか買ってくるから、と律が言ってくれた。
「す、すまないな」
「和己くん、超カッコ悪い……」
「ごめんなさい……」
ああ、やっぱりこうなるのか
冷たい風に吹かれながら律の帰りを待つ身は、ひどく寒かった。
少々荒っぽい方法ではあったが、律の和己を見る眼が変わったのは事実だろう。
ツンデレは相変わらずだが、和己を小馬鹿にしたような言動は減った。
減った。
そう。完全には無くならなかった。
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