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第3話

「おや、仲良くなりましたか?」  コツ……と音がして檻の外側にさっきの男が現れた。 「そろそろ、説明して欲しいんだけど?」 「見ての通りですよ。貴方たち二人にはここでセックスしてもらいます。設定は学校の体育用具室。優等生とヤンキーです。どっちがどっちかは、わかりますね? 役割はどっちでも良いですが……、黒髪の貴方はここで童貞を失ってもらいます。金髪の貴方は慣れてますよね? うまく導いてあげて下さい」 「そんな事まで、調べてんのかよ」 「当然ですよ、ビジネスですから。今や処女だけじゃなくて童貞も立派な付加価値ですし、貴方のような尻軽……ビッチも付加価値ですからね」  尻軽と言われた事にチクリと胸が痛む。……知ってるけどさ、そんなこと……。 「ここには、お客様が見学にいらっしゃいます。一応説明すると、ここは夜の動物園です。君たちの檻は『高校生・優等生とヤンキー』ですね。見学にいらっしゃるお客様は普段君たちみたいな下級……、一般人を目にする機会の少ない方々です。その方たちに日本の性の生態を楽しんでいただくのがこの動物園の趣旨です。餌やりもありますので、がんばり次第では小金を得ることもできますよ。お客様を傷つけるような事は許されませんが、態度は改める必要はありません。皆様、野生のヤンキーがお望みなので。黒髪の貴方はまだ状況が飲み込めていないようですが、そのままで結構です。慣れていないのが貴方の売りなので。それでは、もうすぐお客様が参ります。しっかりとお願いしますね」  言いたいことだけ言うと、男は踵を返して去っていく。部屋の中はまたウミと俺の二人だけに戻った。 「なんか、とんでもねーな……、客は金持ちってことなんだろうけど、金持ちってのはなんでこう変態なのかね?」 「……」  ウミはまだ整理が付かないのかただ黙っていて、気まずい沈黙が落ちた。

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