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第7話

 静かだった客たちから溜息のような、歓声のようなざわめきが聞こえた。その雰囲気から彼らの満足と期待を感じて、俺はホッと胸を撫で下ろす。 『汚す』という行為は背徳感と罪悪感を煽り支配欲を満たすようだ。特に顔に精液を掛けるのは取り分け興奮するらしい。そして、そこで満足するタイプとそれに煽られるタイプがいる。  ねっとりと口元を流れる生温かな体液をペロリと舌を見せて舐め、挑発的にウミを見上げる。  あ、スイッチ入った……。  ウミの顔が『流される』それから『支配する』顔になって、背筋がゾクゾクする。  あとは、気持ちと身体を切り離せばいい。ウミのことを何も知らないからとか、金の為にとかそんなことは全て忘れて、俺を支配しようとする男と舐めるように見つめる視線に痴態を晒して、快感と羞恥に身を任せればいい。  フゥフゥと荒い横暴な息を吐くウミの視線を受け止めたまま、身体を起こしてズボンと学ランを脱ぎ捨てる。ズボンの下は挑発的な尻丸出しのプレイ用パンツだ。  こんなん普通の高校生が履くかよ──と思ったが、正直このパンツのおかげでヤル前からテンションは上がってた。今だって、小さな前布からはみ出しそうな程オレは興奮して勃ち上がっている。  だらしなく着たワイシャツの裾からチラチラ覗くいやらしいパンツと興奮しているオレに客の視線が絡みついた。もちろん、下から見上げているウミの視線も──。  ウミからはきっと全てが丸見えだろう。  俺は再び体操マットに膝を着き、投げ出されたままのウミの足から靴と靴下を脱がせ、その足先にキスをした。ピクリと動いたそれは俺を拒否せずに受け入れる。  身体をずらしてウミの、さっき精を放ったばかりのソレを両手で支えてキスをする。やや力を失っていたソレがみるみる力を増すのを唇と舌で感じながらウミのズボンとパンツを取り払う。それから、キッチリと留められた学ランのボタンを外していく。  ウミも手の届かない場所を手伝ってくれて学ランとシャツ全てのボタンを外すと、はだけられた制服の隙間からウミの身体が覗く。服の上からでは判らなかった、きれいな腹筋のついた身体に息を飲む。檻の外の客たちも意外なウミの逞しさに満足気だ。

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